近頃の株安と円高のダブルパンチにより、不安を感じている投資家が多いでしょう。
特に、2025年3月9日時点で円建てのS&P500が大きく下落し、米国市場では景気後退の懸念やトランプ政権の関税政策によるリスクオフのムードが漂っています。
さらに、日米の金利差縮小により為替は1ドル150円を割り、円高傾向が強まっています。このような状況の中で、投資家が冷静に対応するためには、「気絶投資」の考え方が非常に重要です。本記事では、現在の市場状況と気絶投資の実践方法について詳しく解説していきます。

現在の市場状況:株安&円高のダブルパンチ
1. 株価の下落
まず、人気の投資信託「マクシスSTREAM米国株式」の基準価格を見てみると、大幅に下落しています。2024年は堅調だったものの、2025年に入り調整局面に突入し、3月9日時点で約11%の下落を記録しています。
さらに、S&P500の年初来のチャートを見ても、下落傾向が続いており、主な要因として以下の点が挙げられます。
- 景気後退の懸念:米国経済が鈍化する可能性
- トランプ政権の関税政策:不確実性の増大による市場のリスクオフムード
- AI投資への懸念:ビッグテック企業がAIに過剰投資していることへの不安
2. 円高進行
為替市場に目を向けると、1ドル150円を割り込み、円高基調が続いています。年末年始には160円近くで推移していたものの、現在の円高の背景には以下の要因があります。
- 日銀の利上げ:日本の金利が上昇傾向
- 米国の利下げ観測:FRBが金融緩和に向かう可能性
- 日米金利差の縮小:金利差が縮小することで円が買われる
円高の影響で、円建てのS&P500は更なる下落圧力を受けています。例えば、
- 株価50ドル(1ドル=160円) → 8,000円(50ドル × 160円)
- 株価40ドル(-20%下落)& 為替1ドル=140円 → 5,600円(40ドル × 140円)
このように、株価の下落と円高の影響が重なることで、円建て資産が約30%減少する可能性があるのです。
歴史が示す「気絶投資」の重要性
こうした下落局面では、多くの投資家が恐怖を感じ、売却したくなるものですが、歴史を振り返ると「気絶投資」が成功の鍵であることが分かります。
過去の暴落とその後の回復
過去95年間の米国株式市場を見てみると、以下のような大きな暴落がありました。
- 1929年 世界大恐慌:-83%
- 1946年 戦後調整:-21%
- 1972年 オイルショック:-43%
- 1987年 ブラックマンデー:-30%
- 2000年 ITバブル崩壊:-45%
- 2007年 リーマンショック:-50%
- 2020年 コロナショック:-34%
しかし、これらの暴落を乗り越えた後、米国株は常に最高値を更新し続けています。つまり、暴落時に売却せず、長期的に持ち続けることが重要なのです。
気絶投資とは?
「気絶投資」とは、一度投資したら相場を気にせず放置するという考え方です。
実際に、2003年~2013年のある運用会社の調査では、最も成績が良かった投資家の特徴は以下の通りでした。
- 亡くなっていた人
- 投資していることを忘れていた人
これは極端な例ですが、投資の大敵は「人間の心理(恐怖)」であることを示しています。多くの人は下落時にパニックを起こして売却してしまい、結果的に損をしてしまうのです。
気絶投資を実践する方法
- 証券口座のID・パスワードを紙に書いて保管(簡単にログインしない)
- 日々の相場をチェックしない(短期の値動きに惑わされない)
- 暴落時でも売却しない(市場は回復する)
- 積立投資を継続する(ドルコスト平均法の効果を最大化)
積立投資のメリット
気絶投資と相性が良いのが「積立投資」です。
例えば、
- 毎月100円積立
- 株価50円 → 2口購入
- 株価25円に暴落 → 4口購入
このように、下落局面では安い価格で多くの株を買えるため、将来的なリターンを増やせます。
暴落時のスポット投資の活用
さらに、暴落時にはスポット投資も有効です。例えば、
- 10%下落時に資金の1/4を投資
- 20%下落時にさらに1/4を投資
- 30%下落時にさらに1/4を投資
- 40%下落時に最後の1/4を投資
このようにルールを決めておくと、感情に流されずに効果的な投資ができます。
まとめ
現在の市場環境は厳しいですが、長期的には市場は回復し続けることが歴史から分かっています。そのため、不安を感じても以下のポイントを意識しましょう。
- 気絶投資を実践し、相場を気にしない
- 積立投資を継続し、暴落時に安く買う
- スポット投資はルールを決めて機械的に行う
こうした行動を続けることで、将来的に大きなリターンを得ることができるでしょう。

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