※この記事は【備蓄米の流通が広がらないのはなぜ?収束しないコメ価格高騰、輸入関税を無くすべき理由。】の動画内容を基に作成しています。
【結論】米価格高騰の主因は「利権構造」備蓄米とJA独占、そして輸入関税の維持
今、米価格が2倍近くに高騰しているにもかかわらず、政府の備蓄米は市場に流れておらず、価格も下がっていません。
その背景には、
- JA(農業協同組合)が備蓄米を独占買い取りしている
- 流通量を絞ることで価格を意図的に高止まりさせている
- 農水省、JA、政治家(俗議員)という「農政トライアングル」が既得権益を守っている
- さらに、日本の米にかかる高率の輸入関税(最大700%超)が価格高止まりを支えている
という構造問題があります。
今こそこの「農政トライアングル」を壊し、輸入関税を撤廃し、日本農業を根本から立て直すべき時だと強く主張されています。
備蓄米はなぜ流通しないのか?
政府は、2024年7月までに合計【61万トン】の備蓄米を市場に放出すると発表しています。
しかし、実際には出回っていません。
【例】3月の備蓄米放出状況
項目 | 数量 |
---|---|
放出計画 | 14万トン |
実際に小売に届いた量 | 426トン(たった0.3%) |
この驚くべき数字の背景には、以下の事実があります。
- 放出された備蓄米の【94%】をJAが買い取っている
- JAはこの米を市場に一気に流通させず、小出しにして価格を維持
- その結果、スーパーや一般流通にはほとんど届いていない
つまり、「備蓄米を市場に放出して価格を下げる」という目的が機能していないのです。
なぜJAが独占しているのか?
これには仕組み上の問題があります。
- 備蓄米は「1年以内に同量・同質の米を政府に買い戻す義務」がある
- そんな余裕のある業者は大規模な農協(JA)くらいしか存在しない
つまり、構造的にJAが独占せざるを得ない状況が作られているのです。
この仕組みのために、競争原理が働かず、米の価格が高止まりしたまま放置されています。
米価格の推移と現状
2024年4月時点での米価格を見てみると、
- 5kgあたり【4,217円】
- 前週比 +3円(15週連続値上がり)
- 昨年比で2倍以上の高騰
この異常事態にもかかわらず、政府や関係団体は「米不足は秋には解消する」と楽観的なメッセージを発信してきました。
しかし実際には、
- 猛暑による生産減(前年比40万トン減)
- 農水省の生産予測ミス(推定値より18万トン少なかった)
というミスが重なり、米不足はさらに深刻化しました。
ミニマムアクセス米(MA米)の活用も不十分
本来、日本はミニマムアクセス(MA)として、毎年【77万トン】の外国産米を無税で輸入しています。
そのうち、
- 主食用米枠:約【10万トン】
が使われることになっていますが、ほとんどが加工用や飼料用に回されています。
これをもっと食用として流通させれば、供給不足を大幅に緩和できるのに、ほとんど実行されていません。
【提言】輸入関税の撤廃が必要
ここで必要なのが、「米にかかる輸入関税の撤廃」です。
- 現在、日本の米には最大【700%超】(または227%)の超高率関税がかかっている
- これにより、外国産米が事実上入ってこれない
- そして国内の米価格が高止まりし、消費者が苦しんでいる
これを撤廃すれば、
- ミニマムアクセスの枠組みも不要に
- 輸入米の供給が増えて価格が下がる
- 消費者が恩恵を受ける
- 国内農業は「守られる農業」から「勝ち抜く農業」へ転換できる
という大きなメリットがあります。
歴史的背景:「原端政策」と農政トライアングル
そもそも日本は1970年代から「減反政策」(米の生産調整)を続け、農家に補助金を与えてきました。
現在でも、
- 年間約【3,500億円】の補助金
- 毎年【500億円】以上の備蓄米経費
が税金から支払われています。
この構造を支えているのが、
- 農水省
- JA
- 俗議員(農業票を重視する政治家)
という「農政トライアングル」です。
消費者のためではなく、「農業票と利権」を守るために制度が運営されていることが、今回の米価格高騰問題で改めて浮き彫りになりました。
まとめ:今こそ農業改革を
現状を変えるためには、
- 米の輸入関税を撤廃
- ミニマムアクセス米の食用枠拡大
- 農業法人による大規模・効率的な生産体制の整備
- 小規模農家への個別補償型支援への切り替え
- 農政トライアングルからの脱却
これらを大胆に実行する必要があります。
米価格の高騰を止め、消費者が適正価格で米を食べられる社会を作るために、今が本当に最後のチャンスかもしれません。
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