アメリカ経済に対する懸念が高まる中、世界的な投資家であるウォーレン・バフェットがS&P500のETFを全て売却したというニュースが話題になっています。これにより「アメリカ経済は終わりなのか?」「株式市場は暴落するのか?」といった不安の声がネット上で飛び交っています。
本記事では、バフェット氏の売却の実態とその影響について詳しく解説するとともに、今後の投資戦略について考察します。

バフェットの投資方針と今回の売却
バフェットが推奨する投資スタイル
ウォーレン・バフェットは、自身の死後、遺産の90%をS&P500に投資し、残りの10%をアメリカの短期国債に投資するように奥さんに指示していることでも知られています。
それほどまでにS&P500を信頼している彼が、なぜ今回S&P500のETFを全て売却したのでしょうか?
実際の売却額とその影響
バフェット率いるバークシャー・ハサウェイは、実際にS&P500のETFを全て売却しました。
しかし、その比率はわずか 0.02% に過ぎません。バークシャー・ハサウェイの総運用資産が約40兆円(約2700億ドル)であるため、その0.02%は 約80億円(約5.4億ドル) に相当します。
売却の背景:保有株の割合
バークシャー・ハサウェイが持つ主な銘柄は以下の通りです。
- Apple(約40%)
- バンク・オブ・アメリカ
- アメリカン・エキスプレス
- コカ・コーラ
- シェブロン
S&P500のETF(SPYとVOO)の割合は 各0.01% であり、5年前に購入されたものです。つまり、これらの売却は バークシャー全体のポートフォリオに大きな影響を与えるものではない のです。
バフェットは他の銘柄も売却している?
Appleやバンク・オブ・アメリカの売却
実はバフェットは、Apple株を 23% も大量売却しています。また、バンク・オブ・アメリカ株も 約20% 売却しました。この背景には、アメリカの金利上昇や株価の割高感があると考えられます。
また、売却だけではなく ドミノ・ピザ株を新たに購入 するなど、ポートフォリオの見直しも進めています。
現金比率の増加とその意味
バフェットの現金保有額は倍増
現在、バークシャー・ハサウェイの現金保有額は 1年前の2倍以上 に膨れ上がっています。これは、短期国債や現金同等物の割合を増やしていることを示しており、金利が高い環境下では安全な運用を優先していると考えられます。
アメリカ経済の割高感
現在のアメリカ株は、バフェットの視点から見ても割高と判断されている可能性があります。歴史的に見ても、バフェットは市場が加熱していると感じた際には 現金比率を高める傾向 にあります。
アメリカ経済の今後と投資戦略
トランプ再選の可能性と株価
今後4年間、トランプ政権が続く可能性が高まっています。トランプはビジネスマンであり、株価を大幅に下げる政策は取りづらいと考えられます。
ただし、関税政策や移民政策がインフレに影響を与える可能性もあり、これが市場の変動要因となるでしょう。
CO2削減政策の転換とエネルギー市場
トランプ政権がCO2削減政策を撤廃し、原油の採掘を促進することで 原油価格が下がり、アメリカ経済の利益につながる可能性 があります。
戦争リスクと経済影響
トランプ政権はウクライナやイスラエル・ハマス問題に対して 戦争リスクを低減する方向性 を示しており、これが世界経済にとってプラスに働く可能性があります。
結論:S&P500の売却をどう捉えるべきか?
バフェットのS&P500売却は、 大きな金額ではあるものの、バークシャー全体のポートフォリオにとってはごく一部の動きに過ぎません。むしろ、Appleやバンク・オブ・アメリカの売却、現金比率の増加のほうが注目すべき動きでしょう。
投資戦略のポイント
- 長期分散投資を継続する:短期的な市場の動きに左右されず、積立投資を続けることが重要。
- 市場の暴落時にも動じない:暴落が起こっても、長期的には右肩上がりの可能性が高い。
- バフェットの行動に惑わされない:投資の神様といえども、全ての投資判断が正しいとは限らない。
バフェット自身もS&P500の有用性を認めており、 「稲妻が輝く瞬間」を逃さないために持ち続けることが重要 であると言えます。

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