投資会社エクシア東京が破産し、約9,000人もの投資家が被害を受けたことが報じられました。
エクシアは、利回り年率18.4〜97.5%という驚異的な高配当を謳い、投資家から約850億円もの資金を集めましたが、
これは一般的に「ポンジスキーム」と呼ばれる詐欺の手法である可能性が指摘されています。この記事では、ポンジスキームの仕組みやリスク、注意すべき投資手法について詳しく解説します。
ポンジスキームとは?
ポンジスキームは、新規の投資家から集めたお金を使って、既存の投資家に配当や利益を還元しているだけの仕組みです。
例えば、Aさんから100万円を預かり、年利10%の配当を謳って10万円を還元しますが、実際にはこの10万円は運用益ではなくAさんから預かったお金です
。Aさんはこの「配当」を見てさらに追加投資をしたり、友人のBさんを紹介することで新たな資金が集まり、この流れを繰り返して資金を増やしていきます。
ポンジスキームでは、流入資金が多いうちは配当を出し続けられるため、投資家に信頼されますが、流入が減るか資金が底をついた時点で破綻し、運営者が姿を消すケースが一般的です。
エクシア事件でのポンジスキームの疑い
エクシア東京のケースでは、「年利最大97.5%」という驚異的な利回りをうたい、FXでの運用を装っていましたが、実際にそのような高い利回りが安定して出ることはほぼ不可能です。
これほどの高利回りを長期間維持するのは難しく、新たな投資家の資金を配当に回す典型的なポンジスキームの特徴が見られる点で、詐欺の疑いが持たれています。
注意が必要な投資商品の例
投資詐欺の多くがポンジスキームに似た構造を持っており、以下のような特徴がある商品には注意が必要です。
- 異常な高利回り:年率20%を超える配当を保証する投資は要注意。特に「月利3%保証」や「年利50%以上」など、高利回りが安定して続くことを謳う商品はリスクが高い
- 新しい商品・未知の市場:FX、不動産、仮想通貨、海外の最新技術など、一見高収益が見込まれそうなものが多い
- 匿名組合契約:多くの投資詐欺で用いられる契約形式。外部から実態が見えにくいため、詐欺に悪用されやすい
過去のポンジスキーム事例:チャールズ・ポンジの詐欺
ポンジスキームの名前の由来となったのが、20世紀初頭の詐欺師チャールズ・ポンジ。彼は「郵便為替の差額を利用した投資」を謳い、莫大な資金を集めましたが、実態は新規投資家からの資金で既存の投資家に配当を出しているだけで、最後は破綻し多くの被害者を出しました。
安全な投資の基本:派手な投資に惑わされない
動画では、「本当に堅実で安全な投資には裏技や派手な利回りが必要ない」と説明されています。具体的には以下のような投資手法が挙げられています。
- インデックス投資:日経平均株価やS&P500などの株式市場全体に投資する手法。長期的に安定したリターンが期待できる
- 高配当株投資:実績のある高配当株に投資し、安定した配当収入を得る
- 実物不動産投資:直接物件を購入し、賃貸収入を得る方法。リスク管理がしやすい
お金を守るためにできること
投資は、家計管理や収入の増加と並行して行うことで、リスクを抑えながら資産形成ができる。
特に「時の試練に打ち勝ってきた伝統的な資産」に投資することが大切とされています。
高利回りをうたう投資はリスクが高く、慎重に情報収集することが求められます。
まとめ
エクシア事件は、投資詐欺の危険性を改めて世間に示すケースです。
表面上の高利回りに惑わされず、地道で安定した資産運用を心がけることが、長期的に資産を守るための最善策です。
知っておきたい専門用語集
- エクシア:個人投資家から資金を集めて運用を行っていた投資会社。破産により詐欺の疑いが持たれている
- ポンジスキーム:新規の投資家から集めた資金を既存の投資家への配当に使う詐欺の手法。元本の運用実績はなく、最終的には破綻する
- 年利:年間の利回りのこと。投資額に対してどれだけの収益が得られるかを示す指標
- 匿名組合契約:投資家の出資に対し、運営側が運用・利益分配を行う契約形式。外部から実態が見えにくく、詐欺に悪用されやすい
- インデックス投資:株価指数(インデックス)に連動する投資方法。市場全体に分散投資できるためリスクが低い
- 高配当株投資:配当利回りの高い株式に投資する手法。安定した配当収入が得られる
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