※この記事は、YouTube動画「ドル資産が売られている理由を解説します(2025年4月22日)」の内容を基に構成しています。
結論:トランプ氏の“FRB介入”と“関税強化”で、ドルの信認が急落中
2025年4月現在、ドルインデックスは3年ぶりの安値圏に突入し、対円では140円を割り込む寸前の水準。その背景には、トランプ前大統領の再登場と政策的圧力、FRBの独立性に対する懸念、そして関税再導入の影響があります。
この動きは、ドルだけでなく米国株・債券にも影響を及ぼし、いわゆる「トリプル安」(ドル・株・債券の同時下落)が進行している非常に危険な状態です。
トランプ氏の発言と“FRB攻撃”が引き金
トランプ氏はSNSなどでFRBパウエル議長に対して、
- 「ミスターレイト(Mr.Late)」
- 「負け犬(Loser)」
といった過激な表現を使い、利下げをしないパウエル氏を痛烈に批判。その背景には以下の思惑があります。
項目 | 内容 |
---|---|
トランプ氏の主張 | インフレは既に収束。エネルギー・食品価格は下落しているため、即時利下げすべき。 |
パウエル議長の立場 | インフレの“実データ”を確認してからでなければ利下げできない。 |
この対立構図が、「FRBの独立性が侵害される」という市場の懸念を呼び、ドルの信認低下に直結しています。
“トリプル安”が加速中:ドル・株・債券が同時に下落
実際の相場でも、以下のような動きが観測されています。
- ドル円:140円割れ目前
- ドルインデックス:23年7月のサポートラインを大きく割る
- 米国10年債利回り:4.4%、30年債:4.899%へ上昇(債券価格は下落)
- S&P500とNASDAQ:日中最大3%超の下落
- 金(ゴールド):連日の3%超上昇、3,430ドル突破
これにより、米国資産からの資金流出(キャピタル・フライト)が起きています。
ドルの信認が崩れつつある3つの理由
1. FRBの独立性に対する不信
トランプ氏が“パウエル解任”を検討しているとの報道も。これが現実化すれば、アメリカの政策信頼が根本から崩れる可能性。
2. インフレと関税による不確実性
関税再導入により、物価上昇の再燃リスクもあり、FRBは慎重姿勢を崩せない状況。マーケットとの間にズレが生じています。
3. 国際的な“ドル離れ”加速
- ユーロ、円、スイスフランなどが対ドルで上昇
- ゴールドと仮想通貨への資金流入
- ETFでも12ヶ月連続で“金裏付け商品”の買いが増加
チャート分析:ドル安の節目を次々と割り込む
ドルインデックスは以下のような推移を示しています。
節目 | 状況 |
---|---|
2023年7月のサポートライン | 明確にブレイク |
現在の位置 | 過去3年間で最も安い水準に接近中 |
今後の懸念 | 支持線が無いエリアに突入。次の反発ポイントが不明瞭 |
ドルがここからさらに落ちるようであれば、アメリカ経済全体の見直しが進む可能性もあります。
投資家が取るべき対応とは?
アクション | 解説 |
---|---|
米国資産100%集中の見直し | 米国株・債券が同時に下がる局面では、ポートフォリオの分散が不可欠。ヨーロッパ株やコモディティなども検討対象に。 |
金(ゴールド)の組み込み | “最後の安全資産”として注目されており、ETFや現物投資での組み込みを推奨。 |
VIX指数(恐怖指数)の活用 | VIXが40を超えた場合は“逆張り買いチャンス”とされており、今後の市場リバウンドの兆しにも注目を。 |
注目の決算と今後の材料
今週は、以下のような重要な決算も控えています。
- テスラ(火曜):ハイテク系に影響大。決算次第でリバウンドも
- ボーイング、アルファベット、Intelなど:中国リスクや消費動向にも注意
また、米中関係の悪化(関税交渉の停滞)やトランプ発言の激化が、さらなる市場の混乱を引き起こす可能性もあります。
まとめ:アメリカ一極集中リスクが現実化。今こそ分散投資の視点を
今回のドル安・米国資産安は、「一時的な調整」ではなく、アメリカの信認に対する根本的な疑念から来ている可能性が高いです。
キーワード | 概要 |
---|---|
トランプの圧力 | パウエルFRB議長解任の可能性、利下げ強要 |
ドル安進行 | ドル円140円割れ目前、インデックスは3年ぶり安値圏 |
米国債利回り上昇 | 債券価格急落=信用不安の反映 |
ゴールド上昇 | 安全資産としての金が3,400ドル超え |
投資の視点 | アメリカ株一辺倒から“多様な資産”への移行を検討すべき時期 |
「金を持つ者がルールを作る」——今、投資家としての判断力が試される局面に立たされています。
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