※本記事は、YouTube動画「バフェットが引退。最後に何を語った?」の内容をもとに構成されています。
結論:バフェットの引退は“投資スタンスの集大成”であり、我々への最後のメッセージ
2025年5月、94歳のウォーレン・バフェットがバークシャー・ハサウェイのCEO職から正式に引退を表明しました。60年間の投資人生を総括するこの発表は、単なる世代交代以上に深い意味を持ちます。
彼が最後に語ったのは、「長期的な視点」「本質的価値への信頼」「現金比率の重要性」「日本の総合商社へのラブコール」そして「忍耐と信念による投資の力」でした。
1. バフェット引退、その実績は“6万7000倍”の奇跡
バフェットが手がけたバークシャー・ハサウェイは、元々は暴落寸前の繊維会社でした。それを彼が買収したのが60年前。以来、
- 株価は6万7000倍に上昇
- S&P500のリターン(配当込み)の約2倍
- もし1万円だけ投資していたら、6億7000万円になっていた計算
- 資産額は約24兆円(世界5位)
という、まさに“生ける伝説”の存在でした。
それにもかかわらず、彼の生活は非常に質素。
- 自宅は1958年に購入した3万ドル(現在の約450万円)の家
- 大好物はコーラとハンバーガー
- 本社は田舎町オマハ
- 投資の世界では最も成功しながら、贅沢を求めない姿勢は多くの人の尊敬を集めています。
2. 株主総会で語られた2つの重要なポイント
① 現金比率を高めた理由は何か?
バフェットは最近、バークシャーの現金保有を急増させています。2024年だけで…
- Apple株の2/3を売却
- バンク・オブ・アメリカ株も20%売却
- 保有現金は前年比で2倍以上
その理由としてバフェットは、次のように述べました。
- 「チャンスがあれば1000億ドルでも投資する」
- 「だが、そのチャンスは毎日は来ない」
- 「来週かもしれないし、5年後かもしれない」
- 「だからこそ機会に備えて現金を持つ」
これは「米国株の終焉」というよりも、“常に冷静に、次の一手を見据える投資家の姿勢”の表れだと読み取れます。
② なぜ日本の総合商社に投資するのか?
バフェットは日本の5大商社(伊藤忠、三菱商事、三井物産、住友商事、丸紅)に投資しています。
- 投資額は200億ドル(約3兆円)
- 「今後50年間は売却する気はない」
- 「1000億ドルに増やしても良いとさえ思っている」
その理由は、総合商社の多角的なビジネスモデルと経営陣への信頼。
鉄鉱石やLNGなどの資源ビジネスから非資源分野まで手がけ、まさに「企業を通じて社会に貢献する」ビジョンがバフェットの投資哲学にマッチしているのです。
3. バフェットがS&P500をすべて売却した理由
2024年末、バークシャー・ハサウェイは保有していたS&P500関連ETFをすべて売却しました。
比率は全体の0.01%程度とわずかですが、「あのバフェットが売った」という事実が注目されました。
しかし、これは“我々がS&P500を持ってはいけない”という意味ではありません。
むしろ、
- バフェットは「素人にはS&P500が最適」と明言
- バークシャーは“企業としての投資”であり、機会に応じた売買が必要
- つまり、投資スタンスが異なるだけ
です。
4. 心に刻みたいバフェットの名言集
最後に、バフェットが語った珠玉の言葉を紹介します。
株主総会での発言から
- 「人は一緒に過ごす時間が長い人に似る」
尊敬する人と時間を共有すべき。 - 「人生には解決できない問題もある。自分で制御できることに集中せよ」
- 「投資家の最大の敵は自分自身」
- 「成功の秘訣は、好奇心と読書を続けること」
- 「ダウは自分が生まれた日は240ポイント、今は4万超。株価は長期で必ず上がる」
- 「アメリカに賭けないのは愚かだ」
永遠に語り継がれる名言
- 「10年保有する気がないなら、10分でも考えるな」
→ 一瞬の価格変動ではなく、本質を見る。 - 「株式市場は短期志向の人から忍耐強い人への富の移転装置だ」
- 「潮が引いた時、誰が裸で泳いでいたかが分かる」
→ 景気悪化時に真価が問われる。 - 「悲観こそ好機。皆が怖がっている時こそ仕込みのチャンス」
おわりに:バフェットの引退は“教科書”の最終章
ウォーレン・バフェットは、単なる成功した投資家ではありません。
“投資とは何か”という哲学を我々に体現してくれた存在です。
短期売買に惑わされず、企業を応援し、社会に価値を生み出すこと。
それこそがバフェットが最後に伝えたかった本質であり、我々が最も学ぶべき点なのです。
彼の引退を「終わり」と捉えるのではなく、「受け継ぐべき姿勢」として胸に刻んでおきましょう。
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