結論:ゴルカンを買うくらいなら、自分で組み合わせた方が合理的
明治安田アセットマネジメントが提供する「ゴールド/オール・カントリー株式戦略ファンド(通称:ゴルカン)」は、株式と金(ゴールド)を組み合わせてリスクを分散する投資信託です。
しかし動画では、「コストの高さ」「取り扱い証券会社の少なさ」そして「同様の戦略を自分で簡単に再現できる」という点から、「買う必要はない」と結論づけられています。
目次
ゴルカンの基本概要
- 投資対象:MSCIオールカントリーワールドインデックス(全世界株式)と金
- 基本構成比率:株式80%、金20%
- 市場状況に応じて比率を調整
- 強気相場:株式100%
- 弱気相場:株式10%、金90%
リスクオン・リスクオフの判断は、「SGセンチメント指標」という複数の市場データ(米欧金利、為替ボラティリティ、金銀価格など)に基づいて決定されます。
ゴルカンのコストと問題点
項目 | コスト |
---|---|
購入手数料 | 最大3%(SBIなどのネット証券では無料) |
信託報酬 | 年率1.023% |
信託財産留保額 | 0.3%(解約時) |
他の人気ファンドと比較すると、信託報酬が約5倍近く高いことが問題視されています。特に、レバレッジ型ファンドでさえ年0.2%程度に抑えているものもある中で、この水準はかなりの高コストです。
そもそもどこで買えるのか?
取り扱い証券会社は「スマートプラス中銀証券」「マホロバ証券」など極めて限定的。
つまり、買いたくても買えない投資家が大半という状態です。
リベ大でも酷評:自分で作ればコスト1/10以下
リベラルアーツ大学の両学長も、以下のように主張しています。
- 「ゴルカンを買うくらいなら、オルカンETFとGLDM(ゴールドETF)を自分で組み合わせればいい」
- 「それでいてコストは年0.1%以下に抑えられる」
この意見に、動画主も「完全同意」と明言しています。
セルフゴルカン戦略のバックテスト結果
使用ファンド
- eMAXIS Slim 全世界株式(オルカン)
- SBI・サクっと純金(為替ヘッジなし)
比率:株式4:金1(80%:20%)
- リバランス頻度:半年ごと/リバランスなし両方で検証
簡易バックテスト結果(2023年~)
パターン | 年率リターン |
---|---|
リバランスあり | 20.0% |
リバランスなし | 21.5% |
ゴールド単体 | 28.6% |
オルカン単体 | やや下回る |
リバランスの有無で大きな差はなく、むしろしない方が良い結果となりました。
長期バックテスト(2018年11月〜)
より長い期間で検証した場合も、オルカン単体よりもゴールド単体の方が優秀な成績。
- 2000年以降の長期的な金の推移を見ると、金融危機や地政学的リスクが高い時期に強い傾向
- ゴールド:2006〜2010年で年平均+19%
- ゴールド:2023年は+21.43%(異常値)
ゴールドのリスクと過去の暴落
- 2013年:金利の上昇でゴールドが大きく下落
- ゴールドは「リスクの高い安全資産」
- 米金利が「下がり始める局面」は金にとって有利
- しかし「利下げが停止する頃」には、ゴールド売り圧力が高まる可能性
自作セルフゴルカンのコストシミュレーション
ケース | 年間コスト(100万円投資時) |
---|---|
ゴルカン | 約10,230円 |
セルフゴルカン(eMAXIS + サクっと純金) | 約892円(約1/11) |
しかも、クレカ積立+ポイント還元により、さらに実質コストを下げることも可能です。
じゃあ今ゴールドを買うべきか?
動画主の意見としては、
- 今は「金価格が高騰しすぎており、買い時ではない」
- 自分は40歳以降、守りに入るタイミングでスポット的に金を購入
- 目標はポートフォリオ全体の20%を金に
実際に人気はある?SBIのランキングで上位
- ICE ゴールドファンド(為替ヘッジなし):積立金額・件数ともに4位
- ICE ゴールドファンド(為替ヘッジあり):積立金額8位、件数10位
純資産は600億円突破と驚異的な人気
補足:ゴールド暴落時に利益を出すETF(ETN)もある
- NEXTノート金先物ベアETN(証券コード:2037)
- ゴールド下落時に逆に値上がり
- 短期的なリスクヘッジには有効
- ただし、年間コストは0.8%と高め/長期保有には不向き
まとめ:ゴルカンは「割高な時短商品」セルフ構築が賢い選択
- ゴルカンの投資戦略は再現可能、しかもコストは10分の1以下
- リバランスの有無でリターン差は小さいため、4:1の比率で積立だけでも十分
- ゴールドは「いつ買うか」が大事。今のような高騰局面は避けるべき
- ファイヤー前後など資産を守るフェーズで20%程度の保有を目指すのが現実的
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