※本記事は、2024年4月16日に話題となった「プラチナNISA」「子どもNISA」に関する報道と、YouTube動画「5つの疑問を解説!」の内容をもとに構成しています。
結論:NISAがさらに多様化へ。高齢者・未成年にも“資産形成の扉”が開かれる可能性
現在の新NISA制度に加え、「子どもNISA」と「プラチナNISA」という2つの新しい制度が政治的に検討段階に入りました。
・子どもNISAは未成年でもNISAを使えるようにする案
・プラチナNISAは高齢者向けに毎月分配型投資信託をNISAで購入できるようにする案
まだ正式決定ではありませんが、2026年度の税制改正に向けて動き出しており、今後の資産形成や家族のマネープランに大きな影響を与える可能性があります。
子どもNISAとは?教育資金づくりを支援する狙い
そもそも現行制度では18歳未満は対象外
2024年から始まった新NISA制度では、「1月1日時点で18歳未満」は口座を開設できないという制限があります。
2023年末までは「ジュニアNISA」がありましたが、制度が終了。現在は子どもの教育資金を非課税で運用する方法が制限されています。
子どもNISAが導入されたらどうなる?
項目 | 現状 | 子どもNISA(案) |
---|---|---|
対象年齢 | 18歳以上のみ | 年齢制限撤廃(未成年も可) |
年間投資枠 | 年120万円(つみたて枠) | 同枠をそのまま利用予定 |
利用目的 | 一般の資産形成 | 教育資金・ライフイベント資金 |
引き出し制限 | なし(成人) | 制限撤廃予定(ジュニアNISAとの違い) |
かつてのジュニアNISAでは、原則18歳までは払い出しができないという欠点が不人気の原因でした。今回の案では「年齢制限をなくす」ことで、より柔軟で使いやすい制度になると見られます。
問題点:増税と不公平感
・親の資産力で差が出るという格差懸念
・贈与税とのバランス問題(年間120万円の投資枠が110万円の非課税贈与枠を超える)
これらの課題が解消されない限り、「別枠」で設けるのは難しいとの声もあります。
プラチナNISAとは?65歳以上向け“老後資産活用型”の投資制度
次に注目されているのが「プラチナNISA」。こちらは65歳以上の高齢者が毎月分配型の投資信託をNISAで購入できるようにする案です。
現在のNISAでは買えない“毎月分配型ファンド”
2024年現在の新NISAでは、以下のような商品が対象外です。
- レバレッジ型投信(例:レバナス)
- 毎月分配型投信
かつて人気を誇った「毎月分配型投信」は、“年金代わり”に使う高齢者が多く存在し、現在も日本の投信純資産ランキング3位の銘柄があるほど人気が続いています。
なぜ今「毎月分配型」に注目が集まっているのか?
背景には以下のような事情があります。
要素 | 内容 |
---|---|
高齢者のニーズ | 毎月の生活費補填としての“定期収入” |
窓口販売の圧力 | 金融機関にとっては“手数料の高いドル箱商品” |
金融庁の懸念 | 特別分配(元本払い出し)による誤解のリスク |
過去には、2000年代の“グロソブ”ブーム→リーマンショックで失速→元本払戻し(タコ足)問題→金融庁からの警告という歴史もあり、再燃には慎重な声もあります。
プラチナNISAの案と実現性
- NISA口座から「売却せずに」移行できる措置も検討
- 税収影響は小さく、子どもNISAよりも実現可能性は高いと見られています
ただし、特定口座で課税されていた投信をNISA口座に移すことで課税逃れになるとの指摘もあり、こちらも議論の余地はあります。
比較:毎月分配型 vs インデックスファンドの定期売却
動画では以下の2商品を比較しています。
項目 | アライアンスバーンスタインD | eMAXIS Slim 米国株式(S&P500) |
---|---|---|
種別 | アクティブ型・毎月分配型 | インデックス型 |
信託報酬 | 約1.6% | 0.0815% |
配当 | あり(月ごと変動) | 原則なし(再投資) |
トータルリターン(5年) | 約+144% | 約+171% |
NISA対応 | 非対応(現在) | 成長枠・つみたて枠対応 |
配当を毎月受け取れる安心感がある一方で、長期的なリターンや信託報酬面ではインデックス型が有利です。
今後のスケジュールと注目点
- 2026年度税制改正での制度化が目標
- 連盟提案レベルであり、まだ制度化は未定
- 今後の議論次第で内容が変わる可能性も高い
まとめ:新制度は「誰のために」「何を目的として」導入されるかがカギ
プラチナNISA、子どもNISAの2つの構想は、資産運用の裾野を広げる一方で、公平性・税制・制度設計の課題も大きいです。
私たちにとって重要なのは、これらの制度が誰にとってメリットがあり、誰にとってデメリットなのかを冷静に見極めることです。
最後に
NISAはもはや「一部の人の制度」ではなく、世代・立場に応じて使い分ける時代へ。今後も制度の動向に注目し、資産形成に役立てていきましょう。
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