【2025年下期の株価はどう動く?】決算・雇用・金利から見る3大注目要素と投資戦略

※この記事はYouTube動画「2025年下期の株価を決める3大要素|Q2決算の利益成長予想わずか+5.0%」を基に内容を分かりやすく初心者向けにまとめたものです。

目次

はじめに:2025年後半の株価動向を左右する3つのポイント

2025年の下期(7月〜12月)の株式市場を読み解くうえで、特に重要な「3つの要素」が存在します。

  1. 企業業績(Q2決算)
  2. 雇用指標(民間雇用の鈍化)
  3. 金利政策(FRBの利下げ見通し)

S&P500は一時トランプ減税ショックで20%近く下落しましたが、その後V字回復し、6279ポイントで過去最高値を更新しています。では、この上昇が続くのか、それとも調整が来るのか。1つずつ見ていきましょう。


1. 株価の鍵を握る企業業績:Q2決算の注目点

● 株価は「利益成長」を織り込んでいる

株価は企業の将来の利益の現在価値であるという大原則のもと、2025年Q2の決算は重要なターニングポイントです。

  • Q2の利益成長予想は+5.0%
  • Q1の利益成長は+13.4% → 鈍化傾向
  • 現在のS&P500の12ヶ月先PERは22.2倍
    • 5年平均:19.9倍
    • 10年平均:18.4倍

→ 利益成長が伴わなければ、現在の株価水準は正当化できないリスクがあります。

● EPS(1株あたり純利益)との乖離に注意

過去10年のS&P500のチャートとEPS推移を見ると、現在の株価はEPSを大きく上回っている状態です。

  • 2020年のように株価だけが先行するパターンもある
  • 逆に、EPSの成長が停滞すれば株価の横ばいや調整もあり得る

● 決算スケジュールの主な日程(7月〜8月)

日付主な企業
7/15JPモルガン、ブラックロック、ウェルズファーゴ
7/16以降Netflix、台湾セミコンダクター、アメックス
7/23週Tesla
7/30週Apple、Meta、Microsoft(未確定)

この中で**MAG7(マグニフィセント7)**や半導体関連の動向は、特に注目です。


2. 雇用状況の変化:景気後退のシグナルか?

● 雇用悪化は景気後退の予兆

アメリカ経済は以下の順番で悪化すると言われます。

  1. 耐久財(車・家電など)→ 製造業悪化
  2. 雇用指標の悪化(レイオフなど)
  3. サービス業や個人消費の落ち込み

現在は製造業が悪化傾向、次に来るのが雇用悪化です。

● 6月雇用統計の注目点

指標結果備考
非農業部門雇用者数+14.7万人強い数値
失業率4.1%(改善)予想4.3%より良好
賃金上昇率+3.7%インフレ超えで良好
労働参加率62.3%(前月62.4%)低下傾向に注意

民間雇用の伸びはわずか**+7.4万人(前年比最低)。一方で政府雇用(主に公立教育機関)は+7万人**と増加。これには季節要因(9月の新学期)が影響しています。

● テック業界のレイオフ継続中

  • Google、Tesla、Apple、Meta、Microsoftなど、AIや効率化を理由に継続的な人員削減
  • IBMは「バックオフィス職の30%がAIに置き換わる」と発表

このような動きは、今後の失業率の上昇要因となる可能性があります。


3. 金利政策とインフレ:FRBの動きは?

● 9月の利下げ期待は6割超え

  • 9月利下げ予想:66.2%
  • 10月の追加利下げ&12月末据え置き:43.4%が予想

FRBの見通しでは、年末金利は3.9%。ただし、来年以降の利下げペースは前回よりも緩やかな見通し。

● ドットチャートの変化

  • 金利を「年内据え置き」と予想するFRBメンバーが4人→7人に増加
  • インフレ次第では利下げに慎重な姿勢が強まる可能性

● CPIと住宅価格に注目

指標数値
コアCPI(前年比)+2.77%
総合CPI(前年比)+2.38%
住居コスト+3.86%(前年比)、+0.26%(前月比)

住居がCPIの43%を占めるため、住宅価格の動向がインフレの鍵を握ります。

  • 売り手:194万人
  • 買い手:145万人
    需給バランスの崩れ=価格下落要因

その他:トランプ減税法案と財政懸念

トランプ前大統領による減税法案(ビューティフルビル)が議会を通過し、支出削減は2027年以降に先送りとなりました。

  • 債務残高:37兆ドル突破
  • 今後数年でさらに3〜4兆ドルの財政赤字拡大予想
  • 短期的な景気刺激 vs 中長期的な財政悪化のバランスが今後の焦点

投資家の動きと現金ポジション

● 株価下落時に「買い」が入った背景

2025年4月の株価急落時、投資家の大量資金流入がありました。

  • VOO(S&P500 ETF)に210億ドル流入(過去最大規模)
  • 個人投資家・機関投資家ともにMMF(マネーマーケットファンド)に現金を保持
投資家層MMF保有額
機関投資家4.1兆ドル
個人投資家2.8兆ドル

この現金が「押し目買い」につながり、株価の下支えとなっています。


筆者の投資実績(NISA・iDeCo公開)

● NISA口座(SBI証券)

  • NASDAQ100インデックス:4月に60万円分購入 → +12%
  • S&P500:昨年から保有 → +34%
  • GLDM(ゴールドETF):定期買付 → +21%
  • Microsoft個別株:調整時に買い増し → +11%

● iDeCo口座(開始:2013年)※現在48歳

  • 累計拠出:782万円
  • 評価額:1440万円
  • 損益:+658万円(+84.2%)

結論:3要素を注視しながら冷静に投資判断を

2025年下期の株式市場は、以下の3つを常にウォッチしておく必要があります。

  1. Q2決算の内容と利益成長のトレンド
  2. 雇用統計・失業率の動向(特に民間雇用)
  3. FRBの利下げ姿勢とインフレ(CPI)の推移

株価が大きく上がった分、バリュエーションは割高気味。しかし、米国株には「下がれば押し目買い」という強い資金が控えているため、暴落は限定的とも考えられます。

今後の調整局面でも、コア投資を軸に淡々と積み立てを続けることで、長期的には安定したリターンを得られる可能性が高まるでしょう。

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