※本記事は、YouTube動画「【売り】ヤバいことが起きてる世界の分断加速」をもとに、初心者にも分かりやすく内容を要約・解説したものです。
結論:米中インドを巻き込む経済制裁とAI投資競争で、世界は明確な二極化に進んでいる
2025年、アメリカのトランプ前大統領が表明した複数の経済制裁や関税政策、そしてAI分野における急激な投資競争は、世界の経済・政治構造に大きな変化をもたらしつつあります。
とくに中国・インド・ロシアなど新興国と、米国・EU・日本などの先進国との対立構造が鮮明になっており、これが投資家にとっては「新たな市場選別」の判断材料になる重要な局面となっています。
トランプ政権の新たな関税政策:世界の分断の起点に
2025年、トランプ前大統領は以下のような攻撃的な経済政策を打ち出しました:
- EUとメキシコからの輸入品に30%の追加関税(8月1日から実施予定)
- ロシアとの停戦交渉が不調なら、ロシア産エネルギーを購入する「第3国」に100%の関税(2次関税)
- BRICS加盟国がロシアに有利な政策を取れば、全加盟国に10%の追加関税
これにより、中国・インドが名指しでターゲットとされており、特にロシア産エネルギーの輸入に依存するインドにとっては、大きな経済リスクが発生しています。
【関連データ】
- ロシアの原油輸出先(2022年12月〜2025年4月):
- 中国:47%
- インド:38%
- トルコ:6%
- 合計91%がこの3カ国に集中
- インドの対米輸出:全体の18%
- インドの輸入におけるロシアの割合:10%、中国:18%
このように、米国による制裁がエネルギー供給と輸出市場の両面からインド経済を直撃する可能性があり、それによってBRICS陣営内部にも緊張が走り始めています。
AI戦争の加速:メタやNVIDIAが数千億ドル規模の投資
AI分野でも世界的な分断が進行中です。
NVIDIAの動き
- トランプ政権の影響で停止していた**中国向けAI半導体「H20」**の販売が、米政府のライセンス承認により再開予定
- CEOのジェンスン・ファン氏は、新たなGPU「RTX Pro」を発表
メタ(Meta Platforms)の動き
- ザッカーバーグCEOが「スーパーインテリジェンス(AGI)実現のため数千億ドル規模のAI投資」を表明
- 投資対象は主に大規模データセンター建設
- OpenAIやScale AIなどから研究者を引き抜き、最大1億ドルのオファーも
投資成果
- メタの年初来パフォーマンスは+23%
- AI銘柄が多く含まれる「MAGS」ETFは+3%に留まり、メタはそれを大きくアウトパフォーム
一方で、AIテーマ株の上昇は一巡した可能性が高く、「AIブームのピークはすでに過ぎた」とする見方も出ています。
S&P500への採用と個別株:誤解と注意点
最近では、トレードデスク(The Trade Desk)がS&P500に採用されたことで株価が+15%上昇しましたが、ロビンフッドやアップルラビンは採用見送りとなりました。
採用基準の主な条件
- 時価総額:最低181億ドル(約2.7兆円)以上
- 十分な流動性と米国内本社
- 直近四半期と過去四半期の合計利益が黒字
- 株式の50%以上が市場で取引可能
採用されると機械的な買いが入りやすく短期的に株価が上昇しますが、「材料出尽くし」で売られることも多いため注意が必要です。
金連動の暗号資産:ジパングコインにも注目
暗号資産分野では、コイントレード社が提供するジパングコイン(JPYG)やジパングプラチナが紹介されました。
特徴
- ジパングコイン:金価格に連動、年率0.1%の貸借報酬
- ジパングプラチナ:年率1%の貸借報酬
- 信託報酬なしで、金ETFよりもコストが安い
特に長期保有目的で金に投資したい人には魅力的な選択肢となっています。
今後の投資戦略と世界の潮流:分散が鍵
動画の終盤では、「今後の投資はアメリカ一極集中ではなく、欧州株や新興国株への国際分散投資が重要」という見解が示されました。
想定シナリオ(バフェット太郎の見解)
- 7月:米国株が天井をつけ
- 8月以降:モメンタム低下、9月から相場下落
- 10月:底打ちし、年末にかけて反発
- 2030年〜2040年:国際分散投資の時代が本格化
欧州・新興国株の期待リターン
- 年率平均:2桁成長
- 米国株:1桁前半にとどまる可能性
このように、世界の経済的分断が進む今、S&P500やオールカントリーだけでなく、欧州や新興国にも資産を分散することがリスクヘッジになると考えられます。
まとめ:地政学リスクとAI投資、個人投資家は分散と慎重な見極めがカギ
- トランプ氏の経済制裁政策が新興国と先進国の分断を加速
- 中国・インド・ロシア vs 米・日・EUという対立構造が鮮明化
- AI投資競争はメタとNVIDIAが主導するが、株価の伸びは一巡の兆し
- 暗号資産では金連動型のコインが新たな投資先として台頭
- 今後は欧州株・新興国株などへの国際分散投資が有力
世界の変化を読みながら、投資先とタイミングを柔軟に見直していくことが、個人投資家にとって最も重要な戦略となるでしょう。
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