※本記事はYouTube動画「【アメリカ弱体化は避けられない】米国株の現在の市場動向と見通し・7月の下落リスクについてデータ解説します」を元に構成しています。
目次
結論:表面は絶好調だが、裏では下落の兆し多数。7〜10月は要警戒!
現在S&P500やNASDAQは最高値を更新し続けていますが、実態は非常に危ういバランスの上に成り立っている状況です。
動画では、今後の見通しとして「7月中旬をピークに最大10%の下落リスク」があることを、過去データやファンダメンタルズから論理的に解説しています。
S&P500・NASDAQはなぜ今強いのか?
- 過去10年で7月に下落したことはほぼなし
- 2025年も同様に月初から上昇を続け、7月18日前後にピークを迎える傾向
- 半導体・AI銘柄(例:NVIDIA)が市場を牽引
ただし、それ以降は下落もあり得るとデータが示唆しています。
注意すべき3つの不安要素
1. S&P500の上昇は“中身の薄い高値更新”
- 高値を更新しているものの、銘柄全体の多くは伸び悩み状態
- 強いのは一部の主力銘柄(例:NVIDIA、AMD、インテルなど)だけ
→ インデックス自体は強く見えるが、実態は偏重。下げの始まりによくあるパターン。
2. 米国の経済・雇用の弱体化
- 継続的に失業保険を受給している人が増加
- 表面上の失業率は改善(4.2%→4.1%)しても、中身は悪化
- 一部の人は「就職を諦めて失業率の統計から外れている」
→ 労働市場が冷え込むと、消費・企業収益にも悪影響。
3. トランプ関税ショックの再燃
- ブラジルに50%の関税をかけるなど、経済と政治の分離が崩壊
- 特に自動車業界、日本・韓国メーカーにも波及リスク
過去データが示す「夏の落とし穴」
S&P500・NASDAQ・ダウの過去の傾向を分析すると:
分析期間 | 最大下落率(Max Drawdown) | 平均下落率 |
---|---|---|
7月高値〜10月安値 | S&P500:約7〜9%下落 | NASDAQ:約10〜12%下落 |
- 毎年7〜10月には1度深い調整局面が発生
- 特に7月18日前後が分岐点となる可能性が高い
ビックス指数(VIX)とゴールドの動きに注目
- 7月下旬からVIX(恐怖指数)の上昇傾向
- 株式市場の下落シグナルと連動
- ゴールドは静かに買い場を形成中
- 下落してもすぐに反発する“底堅さ”
- 投資資金が株からコモディティ(金など)にシフトする可能性
金利と債券の不安定な動き
- FRBの姿勢が読めない
- 鳩派とタカ派が混在し、利下げのタイミングが不明確
- 金利は高止まり状態、債券ETFは低迷
- 市場には「9月に利下げがある」という期待が残るが、
- 実際に利下げできる環境ではないという懸念も大
半導体株:光と影
- NVIDIAが時価総額4兆円超で世界1位に
- AI・データセンター需要に支えられて一部は絶好調
- しかし、PR(株価収益率)は既に高水準
- 決算でポジティブサプライズが出なければ、リグイ(利益確定売り)で急落のリスク
テクニカル分析:ゴールデンクロスにだまされるな?
- S&P500やNASDAQで20日線が200日線を上抜けるゴールデンクロスが出現
- 通常は上昇トレンドの合図だが…
- データを分析すると、S&P500・ダウでは上昇幅は限定的
- 「安心材料」としては不十分という冷静な見方も必要
投資家が今できること
「備えあれば憂いなし」が合言葉
- 急騰後の相場には必ず調整が来る
- 7月中旬以降は5〜10%の調整リスクを想定
- ゴールドや債券、キャッシュポジションの検討も
トレードの本質:他人の手法は真似するものではなく、参考にするもの
- 優れたEAや売買ルールでも、「本人の信念や性格に合わなければ続かない」
- 最初は真似してもOK。ただし自分に合う形に調整していくのが成功の鍵
まとめ:アメリカ株の表と裏を見極めよう
現在のアメリカ株市場は「表面上は絶好調、しかし中身は分裂状態」です。
- 強いのは一部の大型銘柄
- 雇用、金利、政治、トランプ関税…すべてが不安定
- 過去のデータからも7〜10月は調整リスクが高い
だからこそ、今の上昇に乗るのではなく、次の調整に備える準備が必要です。
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