本記事は、YouTube動画「【政策金利変わらず…】FOMCの内容と今年の米国利下げはあるのか徹底解説【利下げあるなしで米国株はこう変わる】」をもとに内容を分かりやすくまとめたものです。
目次
結論:2025年7月FOMCは政策金利据え置き、年内の利下げは1回程度の可能性。だが、インフレ鈍化が進まなければ利下げも見送り濃厚に。
- 政策金利は5会合連続で据え置き(4.25%~4.5%)
- 反対票が2名出る異例の展開(ウォーラー理事、ボウマン副議長)
- 市場は**12月に1回の利下げを予想(0.25%)**も、インフレ鈍化次第
- 現時点ではFRBは様子見の姿勢が強く、利下げに慎重
FOMCとは?基本をおさらい
FOMC(連邦公開市場委員会)とは、**FRB(連邦準備制度理事会)**が開く会議で、アメリカの金利政策や金融政策の方向性を決める重要な場です。
今回のFOMCは2025年7月29日〜30日に開催されました。
今回のFOMCの主な内容まとめ
政策金利:据え置き(4.25〜4.5%)
- 5会合連続で金利は変更なし
- インフレ率が高止まりしていること、雇用が堅調であることが主な理由
パウエル議長の発言要点
- 経済は緩やかに減速
- 雇用は最大化に近い状態
- インフレはやや高止まりだが長期的には目標(2%)と整合的
- 9月の利下げは未定であり、今後のデータ次第で柔軟に対応すると明言
注目ポイント1:異例の反対票が2名も出た
今回の会合では以下の2名が利下げ主張で反対票を投じました。
- ミシェル・ボウマン副議長
- クリストファー・ウォーラー理事
この2人は金利緩和に前向きな姿勢をこれまでから示しており、今回も利下げを主張。
これはFRB理事が2人揃って反対票を投じたのが1993年以来初めてという異例の事態であり、今後のFOMC内部の意見対立の広がりに注目が集まります。
注目ポイント2:インフレ指標の誤発言と市場の動揺
パウエル議長が個人消費支出(PCE)物価指数について「前年同月比2.5%(コアは2.7%)になる」と事前に口を滑らせたものの、実際はそれを**上回る2.6%(コアは2.8%)**という結果に。
この一連の発言がリーク疑惑を呼びましたが、結果的に「FRBの読みよりもインフレが強い」という印象を市場に与えることになりました。
市場の反応:株安・短期金利上昇・ドル高・円安へ
株式市場の反応
- FOMC後、米国株は下落
- 利下げがなかったことに対するネガティブ反応
- 特に金利に敏感な成長株が下げる傾向
債券市場
- 長期金利はほぼ変化なし
- 一方、短期金利は上昇 → 金融引き締め継続を意識
為替市場
- ドルが買われる展開
- ドル円は再び150円台突破
- ユーロドルは下落
今後のFOMC利下げ見通し(FedWatchツールより)
次回FOMC開催月 | 利下げの確率(目安) | 備考 |
---|---|---|
2025年9月 | 約41% | 利下げなしが過半数予想(58%) |
2025年10月 | 約61% | 依然不透明、7割に届かず |
2025年12月 | 約83% | 年内1回の利下げ予想が優勢 |
ただし、筆者(動画制作者)の見解では「年内利下げは難しいのでは」と慎重な姿勢を示しています。
利上げ・利下げが与える市場への影響(基本)
項目 | 利上げの影響 | 利下げの影響 |
---|---|---|
株式 | 金利上昇で資金調達コスト↑ → 株価マイナス | 借入コスト減で成長期待↑ → 株価プラス |
債券 | 既存債券の価値↓ → 債券市場は弱含み | 既存債券の価値↑ → 債券市場は追い風 |
為替 | 高金利通貨が買われる → ドル高・円安 | 金利低下で売られやすい → ドル安・円高 |
不動産 | 住宅ローン金利上昇で需要減 → 不動産価格↓ | ローン金利低下で購入意欲↑ → 不動産価格↑ |
今後の注目点と戦略
- 8月はFOMCなし → 市場は夏枯れ気味に
- 9月FOMCが次の大きな転換点
- インフレデータ(PCE、CPI)、雇用統計の動向がカギ
- 金利が下がらない前提で株式・債券・為替の戦略を立てるべき
- トランプ前大統領の金利圧力にも注目(政治介入の懸念)
まとめ:利下げは「まだ早い」、市場との温度差に要注意
FOMCはインフレとの戦いを重視しており、今はまだ利下げのタイミングではないというスタンス。市場は年末の利下げを織り込み始めていますが、FRBは非常に慎重です。
投資家としては、**「利下げがあるかもしれない」ではなく、「利下げがなくても耐えられるポートフォリオ」**を意識した戦略が必要です。
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