2020年以降続いてきた米国株のブーム、そしてAI関連株の爆発的な成長。
しかし、2025年現在、それはもう“過去の栄光”となりつつあります。
「投資の教室」著者で、人気投資マガジン「バフェット太郎ノート」の発行者であるバフェット太郎氏は、今回の動画で米国株の危険信号、スタグフレーションの現実、そして今後の有望な投資先について詳細に語っています。
この記事では、その内容を初心者の方にもわかりやすく、具体例・数字・背景情報とともに徹底的にまとめていきます。
米国株主要3指数が急落|ブームの終わりを告げるチャート
まずは、2025年3月時点の米国主要株価指数の下落状況から。
- ダウ平均株価:前週比-1.0%、41,583ドル
- S&P500:前週比-1.5%、5,580ポイント
- ナスダック総合指数:前週比-2.6%、17,000ポイント割れ
全ての主要指数が下落しており、市場に不安が広がっています。
その背景には以下の要因があります:
- トランプ関税による先行き不透明感
- 高インフレと景気後退の同時進行(スタグフレーション)
インフレの根強さを示す最新データ
FRB(米連邦準備制度理事会)が重視するインフレ指標「PCEコア価格指数」も警戒すべき内容です。
- PCE総合指数(前年比):+2.5%(予想通り)
- PCEコア指数(前年比):+2.88%(予想:+2.7%)←予想を上回る
- ミシガン大学消費者信頼感指数(確報値):57(前月:64.7)←2年ぶりの低水準
- 1年先期待インフレ率:5.0%(前月:4.3%)
- 5年先インフレ期待:4.1%(前月:3.5%)←32年ぶりの高水準!
これらはインフレがしぶとく残っており、消費者マインドが急激に悪化していることを示しています。
AIブームは完全終了?CoreWeaveのIPOが象徴的
注目されたAI関連銘柄「CoreWeave」の新規上場(IPO)が以下のように期待外れに終わりました。
- 公開価格:40ドル
- 初値:39ドル(公開価格を下回る)
- 終値:40ドル(横ばい)
CoreWeaveは、NVIDIAの先端半導体を借りてクラウド経由で提供するAI関連企業。
にも関わらずこの結果ということは、AI関連株への期待は既に剥落しているというシグナルです。
2000年代の「ドットコムバブル」と酷似
バフェット太郎氏は、現在のAIバブルを2000年のITバブル(ドットコムバブル)と比較しています。
- 当時もインターネット業界は成長中だったが、株価は暴落し長期停滞に
- 今回もAI技術は進化しているが、株価は先に「バブル崩壊」へ
つまり、「成長産業=株価上昇」ではないという現実。
特にレバレッジETFに投資している初心者は要注意です。
レバレッジETFの崩壊
例として以下のETFが紹介されています:
- TQQQ(ナスダック100の3倍レバ)
→ 高値93.79ドル → 現在57.34ドル(約39%下落) - SOXL(半導体株の3倍レバ)
→ 高値70ドル → 現在16ドル(約77%暴落)
レバETFは一時的な上昇局面で威力を発揮しますが、長期で停滞すると「逓減リスク」で回復しにくくなります。
では、どこに投資すべき?キーワードは「金」と「世界市場」
▶ 金(GOLD)
- 金先物価格:1週間で+2%の3,082ドル(過去最高値)
- 背景:インフレ懸念・トランプ関税・リスク回避の「安全資産」として買われている
1970年代のスタグフレーション時代には、金価格は10年間で35ドル → 875ドル(25倍)にもなりました。
▶ 金鉱株ETF(GDX)
- 1週間で+2.4%上昇
- 年初来パフォーマンス:+34.4%(S&P500は-5.1%)
- ゴールドフィールズ(南アフリカ):+109.6%
- アングロゴールド・アシャンティ:高騰中
インド・新興国株にも注目せよ!
現在のドル指数(DXY)は102.56で依然高水準ですが、今後景気後退でFRBの利下げサイクルが進めばドル安が進行する見込みです。
過去の例:
- 1990年代前半:NAFTAでメキシコ株ブーム
- 2000年代後半:BRICs(ブラジル・ロシア・インド・中国)ブーム
今後注目されるのは、「中国依存度の低いインドやグローバルサウス」と予想されています。
NISAや投資判断に関するQ&Aも
Q:父が64歳。新NISAを始めるべき?
- 運用期間が20年未満の場合、NISAの恩恵が得にくい
- 年金+貯金で十分なら無理に投資する必要はない
- 余裕資金があるならS&P500やオルカンも選択肢だが、本人の判断を優先
まとめ|米国株に固執するな!未来の利益は“外”にある
✅ 米国株・AIブームは終わった
✅ FRBが警戒するインフレは根強く、消費マインドも悪化
✅ CoreWeave IPOやナスダックのテクニカル指標が不穏
✅ レバレッジETFは危険水域に突入
✅ 有望なのは金、金鉱株、新興国(特にインド)
「米国株に集中投資するな。世界を見よ。金を見よ。」
これは、情報に溢れた時代における極めて冷静で実践的なアドバイスです。
ポートフォリオを多角化し、リスクに備えた資産形成をしていきましょう。
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