本記事は、YouTube動画『これで勝てる!専業投資家の銘柄リストの作り方を公開!』の内容を基に構成しています。
結論から言うと、銘柄リストで勝ちやすくなる人の共通点は、銘柄を当てにいく前に「検索できる状態」と「上流の因果関係」を作っていることです。
つまり、銘柄を増やすこと自体が目的ではなく、情報が増えたときに即座に関連銘柄へ飛べる仕組みを作り、さらに、何が起きたら業績にプラスかマイナスかを最初から言語化しておくことが重要だと動画では語られています。
ここが整うと、ニュースやテーマが出た瞬間に迷わず行動できるようになります。
導入 銘柄リストが作れない最大の理由は手順が見えないこと
動画の冒頭では、聞き手が「銘柄リストを作った方がいいのは分かるが、どう作るのかで止まっている」と率直に悩みを共有します。
特に今年は材料が多く、TOPIX関連、グロース関連など複数テーマが同時進行しやすい局面なので、テーマ別にリストが必要なのではと感じつつも、作り方が分からず前に進めない状態です。
これに対して話し手は、銘柄リストと銘柄ノートはほぼ同じであり、日々のアップデートを通じてノートが磨かれ、その結果としてリストの精度も上がっていく、という考え方を提示します。リストを一発で完成させるのではなく、運用しながら育てるという整理です。
なぜ今 銘柄リスト作りが武器になるのか
相場では、材料が出たときに早く動ける人が強いと言われます。
しかし現実には、材料が出ても「それってどの銘柄に効くのか」が分からず、調べている間に株価が動いてしまうことがよくあります。さらに、関連銘柄を探す過程で誤解が混ざると、ストーリー自体がズレたまま判断してしまい、結果として損を重ねやすくなります。
動画では、この問題を解決する鍵として「検索能力」を最重要ポイントに置いています。
つまり、知識量そのものよりも、必要なときに必要な情報へ最短で到達できる仕組みが勝敗を分ける、という発想です。
AI時代になり、情報は増え続ける一方です。だからこそ、整理と検索ができる形で自分の外部記憶を作ることが、個人投資家の実務として価値を持つ、という流れです。
銘柄リスト作りの核心は検索能力にある
動画の最初の柱は検索能力です。話し手は、もともとNotionを使っていたが、AI時代になった現在はNotebookLMも併用していると述べます。ここで重要なのは、どちらが正しいかではなく、用途によって使い分けるという思想です。
Notionは単語で検索して素早く飛べることが強みになりやすく、銘柄の概要や関連銘柄の管理など、すぐに引きたい情報の入口として機能します。
一方でNotebookLMは、Googleドライブ連携や大量資料の読み込み、要点の抽出などに強みがあり、情報量が多い領域に向くと説明されています。動画内では、公式資料や事実ベースの情報はNotebookLMに寄せるのが相性が良いというニュアンスも出ています。
この時点で、銘柄リストの本質が「エクセルに銘柄コードを並べること」ではなく、「自分が必要なときに取り出せる形で情報を蓄積すること」だと分かってきます。
何を入れるかより どうなったらプラスかマイナスかを書く
次の柱として動画が強調するのは、企業概要や還元方針などの一般情報に加えて、業績に対してポジティブになる条件、ネガティブになる条件をはっきり書いておくことです。ここが曖昧だと、ニュースを見ても判断が止まりやすくなります。
動画では例として、電源供給のような周辺分野から半導体製造装置、さらにTSMCの設備投資へとつながる流れが語られます。
つまり、その企業単体を見ているだけでは不十分で、上流に何があるのか、どこが儲かると自社に波及するのかという因果を理解しておく必要があります。昔の言い回しで言えば「風が吹けば桶屋が儲かる」のように、連鎖の全体像をつかむことが重要だという説明です。
この「上流理解」ができていないと、途中の知識だけが頭に入ってしまい、話が違うのに納得してしまう危険があるとも述べられます。自分の理解が完璧でなくても、因果の筋道を意識してノートに書き残すことで、誤解の修正がしやすくなるという実務的なメリットが見えてきます。
半導体例で分かる 工程 取引先 比率まで落とす重要性
動画中盤では、半導体関連を例に、具体的な整理の粒度が語られます。
メモリでもNANDとDRAMで材料や使用量が変わり、工程ごとに強い企業も違います。だから、単に半導体関連とまとめるのではなく、どの工程に強いか、NAND向けかDRAM向けか、取引先がどこかまで書いておくと、ポジティブ条件とネガティブ条件の両方が見えやすくなります。
さらに、HBMの話題では、認証などの論点が混ざりやすく、整理がないと頭がごちゃごちゃになりやすいと触れられます。
例えば、サムスンがHBMで弱いという話が出たとき、サムスン向け比率が高い企業が弱くなりやすい一方で、SKが強いならそちら向けが評価されやすい、といった連鎖が立ち上がります。ここを銘柄ノートの段階で分けて書いておけば、ニュースが出た瞬間に材料の強弱を整理しやすい、という実務の話に落ちます。
このように、銘柄リストはテーマ株探しのためだけではなく、材料の読み違いを減らすための防波堤として機能する、という視点が動画の重要ポイントです。
公式資料はNotebookLM 自分の感想はNotionに分ける理由
続いて動画は、アップデート情報の扱い方に進みます。決算資料、取材メモ、統合報告書などの一次情報は、NotebookLMが相性が良いとされます。Notionに画像やPDFを大量に入れると重くなる場合があり、読み取り能力や大量データの扱いはNotebookLMが得意だという説明が入ります。
一方で注意点として強調されるのが、自分の感想や自分の考えはNotebookLMにソースとして入れない方がいい、という点です。自分の考えは事実ではないため、
AIがそれを事実のソースのように扱うとおかしなことになる可能性がある、というリスク管理の発想です。事実ベースはNotebookLM、概要と管理はNotion、主観はNotion側に置く、といった住み分けが提案されています。
この整理は、投資判断の精度だけでなく、後から検証するときの透明性にも関わります。どこまでが事実で、どこからが自分の仮説なのかが分かれていると、反省と改善がしやすくなるためです。
どれくらい作るのか 1000件という量が示す現実
動画では具体的な数字も出ます。Notionのノートは約1000くらいあると語られ、さらに軽くしか書いていないものまで含めるともっとある可能性が示唆されます。
ここで大切なのは、1000銘柄を推奨するという意味ではなく、専業投資家レベルではそれくらいの外部記憶を平然と持っている、という現実感です。
また、NotebookLMの運用については、1アカウントで100個くらい部屋を作れるイメージがあるという話題が出た上で、ソースは1つの部屋に300くらい入れられると説明されます。
さらに、1ソースにつき200MB程度の上限を意識し、文章なら複数銘柄を1ファイルにまとめて節約する、といった工夫も紹介されます。つまり、道具の制約を理解したうえで、運用を現実的に回す設計が重要だという話です。
タグと検索でテーマを横断する 銀 原発などの例
リストが増えるほど管理が大変になると思われがちですが、動画では逆に、増えるほど変化があったときに見に行けるというメリットが語られます。
例えば銀価格が上がったなら銀関連銘柄というタグやキーワードで引っかかるようにしておく。原発関連なら、東京電力のような中心銘柄だけでなく、恩恵が出る周辺も含めて入れておく。こうしておくと、材料が出た瞬間に横断検索で関連へ飛べるようになります。
この話は、テーマ株の正解を当てるというより、材料に対する反応速度を上げる話です。相場が短期で動きやすい局面ほど、この差が結果の差として表れやすくなります。
ギリ入れるか迷う銘柄はどうするか インパクトで判断する
後半では、ギリ入れる銘柄と入れない銘柄の差について触れられます。基本は入れておくが、判断軸としてはインパクトが小さいか大きいかがあると述べられます。ただし迷ったら入れる、という姿勢が示されます。
この理由として、防衛関連の例が出ます。防衛向け売上比率が低い企業は、防衛関連として見られていないことが多く、結果としてその事業が評価されずマルチプルが低い場合がある、という説明です。つまり、市場がまだ織り込んでいない要素を拾える可能性があるため、少しでも迷うなら候補として残す価値がある、という考え方です。
動画内では三菱電機のような例が挙がり、決算説明資料を見れば防衛の色は入っているのに評価されていなかった局面があった、という趣旨が語られます。ここから読み取れるのは、銘柄リストは「人気銘柄集」ではなく「見られていない可能性を残しておく棚」でもある、という点です。
今日から実践するなら まず月10件増やすという目標が効く
動画の終盤では、これから投資を勉強する人にとって、銘柄リストの数を増やすこと自体が目標になり得る、という話が出ます。今月は10増やす、といった小さな目標でも、調べる過程で理解度が上がり、銘柄同士のつながりが増えます。
ここでのポイントは、増やすことがゴールではなく、増やす過程が学習になるということです。何に使われるのか、どこが取引先か、なぜ影響が出るのかを調べる作業そのものが、相場を見る解像度を上げます。
磨き上げは単語の粒度を細かくする 製品名まで落とす意味
さらに、リストを磨き上げる方法として、製品名や専門用語レベルまで落として書くことの重要性が語られます。決算説明資料に出てくるワード、例えば研磨剤の種類のような細かい単語を入れておく。こうしておくと、マクロ環境の変化で何かが足りないというニュースが出たときに、単語から即座に銘柄へリンクできるようになります。
動画では、ガラスが足りない、Tガラスといった例のニュアンスが出てきますが、要するに不足、供給制約、規制強化、技術革新などのマクロ材料が出た際に、どの単語がどの企業と結びつくかが勝負になる、という話です。単語の粒度が細かいほど、連想ゲームの速度が上がりやすくなります。
そして、この作業は投資のためだけでなく、調べていく過程で知識が増え、単純に楽しいという感想も添えられます。継続できる仕組みとして、楽しさがあることは実務上かなり大きい要素です。
まとめ 銘柄リストは当てるためではなく 迷わないために作る
動画の内容をまとめると、銘柄リスト作りの本質は、銘柄数そのものではなく検索能力と因果関係の整理にあります。NotionとNotebookLMを使い分け、事実はNotebookLM、管理と主観はNotion、といった形で情報の種類を分けることで、混乱を減らしながら更新を続けられます。
さらに、業績にとって何がポジティブで何がネガティブか、上流の流れ、工程、取引先、比率まで落として書いておくことで、材料が出た瞬間に判断が止まりにくくなります。迷った銘柄はインパクトを軸にしつつ、迷うなら入れるという姿勢が、後からの発見や市場の織り込みの遅れを拾う可能性につながります。
銘柄リストは、未来を完璧に予測するための道具ではありません。むしろ、材料が出たときに迷わず動くための外部記憶であり、投資家としての理解度を積み上げるトレーニングでもあります。まずは今月10件増やすという小さな目標からでも、十分に武器になるはずです。


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