以下は、元動画のタイトル「Why EVERYTHING (Gold, Real Estate, Stocks) are at an all-time-high? [& is a crash coming?]」を基に作成した記事です。初心者にも分かりやすいように、結論から要点をまとめ、具体例と数字を多く示します。
結論
現時点で想定される30〜40%規模の全面クラッシュは起きにくいという見立てです。
背景は、今後も続くマネー供給の拡大ですべての資産クラスに上昇圧力がかかりやすいこと。
ただし「全部が均一に上がる」のではなく、勝者と敗者に分かれるK字経済になるため、資産配分とリスク管理の巧拙がリターンを大きく分けます。
方針は、質の高い資産を軸にしつつ、現金比率とオプション活用で下振れを抑えることです。
なぜ“全部”が上がっているのか:マクロを3層で読む
第1層 マネー供給の成長
2025年時点で米国の政府債務は約38兆ドル。2030年には約50兆ドルへ拡大見込みで、年率換算で約6%のマネー拡張に相当します。インドはINRベースで年率約9.5%の拡張が想定されています。
結論として、世界的に流動性は維持され、広範な資産価格に上昇圧力がかかりやすい状況が続きます。
ポイント
- マネーは今後5年も増え続ける見込み
- 価格上昇は鈍らず、品質の高いものほど年10%前後の値上がりが常態化しやすい
- 例えばインド投資で購買力維持を狙うなら、税後10%(税前12.5〜13%)が最低ラインという発想
第2層 どこにバブルができるのか(量の拡張を見る)
2020〜2025年のインド市場では指数自体はほぼ倍増しましたが、IPOの大量供給で質の劣る案件は不振でした。
今後2025〜2030年も「市場全体が右肩上がり」でも、量的拡張が集中する領域(例:テーマに群がる新規供給)はリターン劣後に陥りやすい、という視点が重要です。
第3層 K字経済(勝者と敗者の分岐)
マクロは中立〜強気でも、セクター間の明暗はくっきり分かれます。AI、半導体、クリプト、メガテックなどは国家レベルの投資が追い風で、年率20%超の成長シナリオが現実的。逆に伝統的・供給過多領域は取り残されやすい構図です。
簡易図表:3層フレームワーク
| 層 | 観点 | いまの示唆 |
|---|---|---|
| 第1層 | マネー供給 | 2025→2030も流動性拡大。資産は総じて上がりやすい |
| 第2層 | 量の拡張 | 新規供給が膨らむ“流行箱”はリスク高 |
| 第3層 | K字経済 | AI・半導体・メガテック・一部クリプトが勝者に |
実例で読み解く上昇局面と“買い方”
ポートフォリオ例は年初来ドル建て+35%、INR建て+40%超といった実績を提示。個別ではAMDが4月〜10月の半年弱で約+207%という急騰ケースを紹介。問題は「ここから素直に買うのはリスクが高い」点です。
避けるべきこと
- 高値圏での“裸”の成行買い(ネイキッド・リスク)
推奨されるアプローチ
- 質の高い銘柄に対し、現在値から20%下の権利行使価格でキャッシュ確保型プット売り
- 月利のプレミアム収入(例:IVが高い時期で月2%程度)を積み上げ、約15〜16%/年の収益源に
- 価格が落ちた場合のみ割安で現物が割り当てられる、落ちないなら保険料が利益になる
ポートフォリオ全体の守り方:2つの基本
1 現金比率の管理
例として現金20%:投資80%のバランス。下落時のナンピン余力を常備。
2 長期プットの保有
指数や主力銘柄に対する長期プットで大幅下落に備える。これによりポート全体の最大ドローダウンを約10%程度に抑える設計も可能という考え方。
よくある不安への整理
ドル崩壊論や恐怖訴求は定期的に出ますが、現実にはグローバル金融は資産間のバランスで回っています。金も株式も法定通貨も、それぞれがゼロにはなりにくい“存続必須の基幹アセット”。お金は相対的に割高な場所から割安な場所へ循環します。
重要なのは「どの資産が次に相対的に割安か」を見極めることです。
具体的な買うべき“質”の定義
グレードA(上位資産)の基準例
- 株式:ドル建て利益成長率が年15%以上を見込める企業(米大型グロースやAI関連など)
- コモディティ:金
- クリプト:まずはBTCといった基幹銘柄
- 不動産:供給制約と希少性が働く土地・ヴィラ等の高品質物件(場所選び重視)。大量供給の分譲フラットは伸びにくい
2025〜2030の行動計画
1 質の高い資産を時間分散で積み上げる
2 現金20%前後を維持し、押し目に機動投入
3 割高圏の主力にはプット売りやロング・プットでリスク緩和
4 IPOなど“量の拡張”領域は慎重に
5 セクター間のK字分岐を常時点検(AI・半導体・データセンター・一部クリプトが主軸)
まとめ
全面クラッシュ待ちの“現金温存一択”は、機会損失になりやすい局面です。重要なのは
- マネー供給が続く前提で、K字の上側(勝者)に資本を寄せる
- 高値圏ではオプションや現金比率で下振れを抑える
- 年15%成長の“グレードA”を軸に、税後実質で購買力を守る
上がるべくして上がっている今だからこそ、買い方と守り方の質が問われます。


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