※本記事はYouTube動画「5.01アメリカ債券(米国債券)ETFの買い時TMF・TLT|ファンダ悪化も債券は下落」を基に執筆しています。
結論:今のアメリカ債券市場は「従来のセオリーが通用しない」異常事態
2024年5月1日現在、アメリカ債券ETFであるTLT(20年超米国債ETF)やTMF(その3倍レバレッジETF)は、ファンダメンタルズが悪化しているにもかかわらず価格が下落しています。これは通常の市場ならあり得ない現象です。金利が下がる局面では本来「債券は買われる」のが通例だからです。
このような逆相関の崩壊状態により、「今は債券を安心して買えるタイミングではないが、見方によっては仕込み時でもある」と言えます。
なぜTMFとTLTは下落したのか?
1. ファンダ悪化:雇用統計とGDP速報値が大幅に下振れ
- ADP雇用統計
- 予想:11.5万人増
- 結果:6.2万人増(予想のほぼ半分)
- 前回:15.5万人
- GDP速報値(1-3月期)
- 予想:+0.2%
- 結果:+0.3%
- 前回:+2.4%
経済指標はいずれも悪化しています。本来であれば、こうした景気悪化の兆候が出たときには、リスクオフの動きが進み、「株が売られ、債券が買われる」はずです。しかし、今回起きたのはその逆でした。
2. 安全資産として「金」が選ばれた
注目すべきは、債券ではなく金(ゴールド)が買われた点です。これは債券が安全資産としての役割を失いつつあることを示唆しています。
- TLTの終値:89.47ドル(前日比 −0.81%)
- TMFの終値:41.60ドル(前日比 −1.96%)
どちらも下落しており、プレセッション(市場開始前)では上昇していたにもかかわらず、寄り付き後に急落しました。
3. 市場の構造変化:株と債券の反相関が崩壊
以前は「株高=債券安」「株安=債券高」という反相関が機能していました。しかし、現在は株も債券もドルも同時に下落する“トリプル安”が現実に起こっています。
これは投資家の信頼が大きく損なわれていることの表れであり、特にアメリカの財政状況や政府の信頼性への不安が背景にあります。
債券ETF投資はどう考えるべきか?
債券市場の信頼が揺らいでいる中での投資は非常に難易度が高くなっています。しかし、こうした時期だからこそ「逆張り」としてTMF・TLTを検討する価値はあるかもしれません。
ポイント:
- 一時的な下落局面は将来的なリバウンドの種になる可能性がある
- ただし「金利が下がれば債券価格は上がる」という方程式が機能しない現状には注意が必要
- 金(ゴールド)との比較投資視点も有効
ハッキングリスクにも注意
動画では、個人投資家として有名なテスタさんの証券口座が乗っ取られた事件にも触れられています。
- 二段階認証を突破されてログイン
- 注文履歴がリアルタイムで更新されていた
- 楽天証券の事例だが、SBI証券など他社でも被害報告あり
- 日経新聞によると、ネット証券全般にリスクが存在
このため、投資の内容だけでなくセキュリティ対策(2段階認証、定期的なパスワード変更など)も徹底すべきです。
今後の注目指標と市場への影響
今後の重要な経済指標:
- ISM製造業指数(今夜)
- 新規失業保険申請件数
- 本番の雇用統計(5月2日)
これらの結果次第で、金利・債券価格・ドル相場がさらに大きく動く可能性があります。
まとめ:TMF・TLTは買い時か?
今の相場は「セオリー無視」「ファンダ無視」と言えるほど異常です。しかし、だからこそ“逆張り”を狙う投資家にとってはチャンスともなり得ます。
- 短期では不安定な動きが続く可能性が高い
- 中長期では「信頼回復によるリバウンド」に賭ける投資戦略もあり
- 金との分散投資も視野に入れるべき
安全資産としての債券の役割が変化している今、TMFやTLTに投資する際は、これまでの常識にとらわれず、市場構造の変化をしっかり読み解く目が求められています。
興味を持った方は、YouTubeチャンネルのフォローや最新動画もチェックして、情報収集とリスク管理を怠らないようにしましょう。
ご自身の投資判断は、必ず複数の情報ソースに基づいて行ってください。
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