※この記事はYouTube動画「サマーラリーは終わる 労働市場は悪い 不況に備えろ」を基に、内容を初心者でも分かりやすくまとめたものです。
目次
結論:サマーラリーはまもなく終息、今はリスクオフを考えるタイミング
2025年夏の米国株市場は上昇基調にありますが、**「サマーラリーは長続きしない」**というのが動画の主張です。特に以下の要素から、今後の相場には注意が必要です。
- 労働市場の実態は「見かけ倒し」で弱い
- 財政悪化リスクが急拡大(トランプ減税法案成立)
- 長期的な金利高止まりの兆し
- 今後は「ハードランディング(景気急減速)」の可能性が高い
このような状況下では、強気で買い向かうよりも現金比率を高め、秋以降の景気悪化に備える戦略が有効です。
米株は過去最高値も、「取り残され不安」で買うのは危険
- ダウ平均:+2.3%(週次)→ 44,828ドル
- S&P500:+1.7% → 6,279ポイント
- NASDAQ総合:+1.6% → 過去最高値を更新
米株市場は「サマーラリー」真っ只中で、心理的には買いたくなる局面ですが、過去の経験則ではこの夏場の上昇は短命に終わることが多いという点を警戒する必要があります。
雇用統計の「数字マジック」に注意:労働市場は弱い
見た目は好調、しかし中身は悪化傾向
指標 | 結果 | コメント |
---|---|---|
非農業部門雇用者数 | +14.7万人(予想+11.1万人) | 見た目は良好だが… |
民間雇用者数 | +7.4万人(予想+10.5万人) | 予想下回る |
政府雇用 | 大幅増加 | 雇用者増の大半は政府部門 |
失業率 | 4.1%(予想4.3%) | 改善ではなく「隠れ失業者増」が原因 |
隠れ失業者 | +25.6万人 → 63.7万人 | 増加中 |
なぜ隠れ失業者が増えているのか?
- トランプ政権による政策不確実性(関税など)
- 企業の採用活動が慎重に
- AIによる業務自動化(ホワイトカラー職の削減)
**平均時給の伸び鈍化(+3.7%)**も含め、米労働市場は明らかに冷え始めています。
FRBは利下げに慎重:インフレ・関税を見極めたい姿勢
- 7月FOMCでの利下げ確率:わずか4.7%
- 年内に2回の利下げ予想:77.5%
- 年内に3回の利下げ予想:34.1%
FRB(米連邦準備制度理事会)のパウエル議長は、「トランプ関税の影響を見極めたい」と発言しており、早期利下げには消極的。
「大きくて美しい法案」=巨大な財政リスク
トランプ前大統領が署名した**減税法案(Big Beautiful Bill)**が成立し、以下の懸念が出ています。
- 向こう10年間で財政赤字+3.4兆ドル(約490兆円)
- 2017年の減税(+1.4兆ドル)、コロナ給付金(+1.8兆ドル)よりも大きい規模
- 長期金利の高止まりリスクが顕在化
年度 | IMF予測・米国経済成長率 |
---|---|
2026年 | +1.7% |
2027年以降 | +2.0〜2.1% |
財務長官目標 | 年+3%(達成困難) |
AIによる生産性向上が逆に失業率上昇を招くリスクも。
長期金利と株式市場の関係:2040年まで低パフォーマンスか
米10年債利回りの歴史的傾向(60年周期説)では、次の天井は2040年に来ると想定されます。
- 1980年(インフレ) → 高金利ピーク
- → 2040年まで金利高止まりの可能性
- 高金利は**株式市場におけるPER縮小(マルチプル・コントラクション)**を引き起こす
つまり、今後10〜15年間は米株市場にとって逆風になる可能性が高いという見方です。
ビットコインやベアETFの扱い方:下落時は「現金が最強」
ビットコインのリスク
- ビットコインは株よりもリスク資産
- 次の本格的景気後退では「大きく値下がりする可能性大」
- 一部企業がビットコインを資産として保有 → バブル末期にありがちな現象
ベアETFの注意点
種類 | 特徴 | 注意点 |
---|---|---|
SPXS(S&P500ベア3倍) | 下落に3倍連動 | 中長期保有は非推奨 |
SQQQ(NASDAQショート3倍) | ハイリスク | 短期トレード専用 |
- 暴落を待って仕込むよりも、実際に下げ始めてから買うべき
- 最も安全なのは“現金で保有”すること
投資戦略:今は「守り」に入る時
今後数ヶ月で起こりうるシナリオ:
- 短期的には景気後退懸念 → 金利低下 → 株価調整
- 中長期的には財政悪化 → 金利高止まり → 株価の低迷
- 結果として米国株のパフォーマンスは1桁台前半に甘んじる可能性
今が強気相場に見えても、秋以降は**急激な景気悪化・株価下落(ハードランディング)**のリスクが高まっています。
まとめ:サマーラリーは「現金比率を高めるチャンス」
- 米雇用統計は中身が悪い
- 民間雇用の弱さ、隠れ失業者の増加
- トランプ減税法案=財政リスク増大
- 3.4兆ドルの財政赤字拡大
- 米10年債利回りの歴史サイクルから見ると、今後10〜15年は米株低迷の可能性
- 今は「攻め」ではなく「守り」が大切
- 現金を確保し、下落に備える
- 秋以降の景気交代に備えたポートフォリオ戦略を立てる
重要な投資アドバイス:
「強気になっている時こそ、リスクオフを考えるべき時。」
次の下落局面では、現金ポジションが最強の武器になります。タイミングを待つ準備は、今のうちから始めましょう。
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