サマーラリー終了で夏枯れ相場へ突入?米国株の長期停滞を見据えた分散投資戦略

※本記事は、YouTube動画「サマーラリーは終わりました 夏枯れ相場へ 停滞」の内容をもとに作成しています。

目次

結論:米国株の時代は終焉?これからは欧州・新興国への分散投資を検討すべき

動画では、著者のバフェット太郎氏が米国株の長期停滞を予想し、今後は欧州株や新興国株への分散投資が重要になると解説しています。2024年夏の雇用統計の結果を受けて、サマーラリーが終了し、「夏枯れ相場」へと移行している中、米国経済の先行きには不透明感が強まっています。

また、利下げ観測の高まりインフレリスクの再燃金価格の上昇なども相まって、従来の米国一極集中の投資戦略には限界が見え始めているとの警鐘が鳴らされています。


米国株は長期停滞フェーズへ突入する可能性

バフェット太郎氏は、短ければ2030年まで、長ければ2040年頃まで米国株の年間平均リターンは1桁前半にとどまると予測しています。これは過去10年間の年平均+11.1%というリターンの半分以下にあたります。

これは以下の理由に基づいています。

  • 米国経済が景気後退局面に入りつつある
  • 「グレート・ローテーション」により、米国株一強から他地域への資金移動が始まる
  • 歴史的にも投資ブームの終焉後はその対象が長期停滞する傾向がある

雇用統計の悪化でサマーラリー終了を示唆

2024年7月の雇用統計は以下のように市場の期待を下回る結果となりました。

指標予想結果
非農業部門雇用者数+10.6万人+7.3万人
5月・6月修正合計▲25.8万人(下方修正)
労働参加率約62.2%約3年ぶりの低水準

また、就業者数の直近3か月平均は**+3.5万人**と、コロナ前の平均+19万人を大きく下回り、リセッション寸前の状態であることが示唆されました。

さらに、表面上の失業率(4.2%)は横ばいでも、実態としては労働市場に参加していない「隠れ失業者」が増えており、実態はもっと深刻だと指摘されています。


利下げ期待の急上昇とそのリスク

市場では今後の利下げに対する期待が急激に高まり、9月の利下げ確率は80.3%、**年内2回の利下げ確率は87.2%**にまで跳ね上がりました(前日はそれぞれ37.7%、40.2%)。

しかし、ここにはリスクもあります。

  • トランプ関税の影響によってインフレが再燃する可能性
  • **賃金の粘着性(上昇傾向が続く)**によりインフレが長期化する可能性
  • 結果として、利下げができなくなるリスク

つまり、インフレと景気停滞が同時に起こる「スタグフレーション」局面では、FRBの政策判断が極めて難しくなるのです。


相場は「夏枯れ相場」へ突入

7月の雇用統計を受けて、S&P500は▲1.6%、NASDAQは▲2.2%と大きく下落。これにより4月から続いていたサマーラリーは終了したとみられ、8月は「夏枯れ相場」に突入する可能性が高まっています。

また、ドル円も大きく円高に振れ、147.41円まで下落(▲2.2%)。米株安+ドル安=ダブルパンチにより、日本からの投資家にとっても厳しい展開となっています。


他国株・金の好調と「オルカン」の落とし穴

以下は年初来パフォーマンスの比較です。

ETFティッカーパフォーマンス
S&P500IVV▲0.9%
ドイツ株EWG+19.6%
新興国株EEM+7.6%
オールカントリーVT+2.3%

「VT(オルカン)」は全世界株に分散投資できるETFとして人気ですが、実際には60%が米国株で構成されているため、米国株が低迷するとVTも伸び悩みます。これはオルカン=米国株ETFに近い性質を持つということであり、国際分散投資としては不十分であると警鐘が鳴らされています。


金価格の上昇と注意点

景気後退懸念と利下げ期待を背景に、金先物価格は**+2.3%の3362ドル**、金鉱株ETF(GDX)も**+1.6%の52.45ドル**と上昇。ただし、以下の点に注意が必要です。

  • 景気後退局面では株だけでなく金も売られることがある
  • 損失補填のために他資産が売られる「連鎖売り」が起きやすい

短期的なヘッジには効果がありますが、万能ではないことを念頭に置くべきです。


今後の相場見通しと推奨戦略

バフェット太郎氏の今後の相場見通しは以下のとおりです。

  1. 8月:夏枯れ相場(軟調)
  2. 9月:本格下落開始
  3. 10月:底打ち
  4. 年末:反発開始

また、過去12回の景気後退を分析すると、

  • 天井から底まで平均15か月
  • 平均最大下落率31.5%

今回も同程度の下落を見込むべきであり、さらに円高も進行すれば、ドル建て資産の為替損失を含めると最大40%以上の損失も視野に入れる必要があります。


推奨される分散投資の方向性

  • 米国株依存からの脱却
  • 欧州株、新興国株、金鉱株などへの分散
  • 米国を除いたETFや個別銘柄の選定が重要

とくに個人投資家で資産の最大化を目指すなら、VTではなく米国以外のETFや個別株への投資が求められます。


債券投資にも注目

動画では債券投資の基本についても解説されており、以下のようなポイントが挙げられています。

  • 国債と社債の違い
  • 利回りと安全性のトレードオフ
  • 外国債には為替リスクがある
  • 債券は高齢者やリスクを取りたくない人に向いている

まとめ

・米国株の長期停滞が始まり、夏枯れ相場に突入
・今後は欧州・新興国への分散投資がカギ
・VT(オルカン)では不十分なため注意
・9月以降の利下げ開始が予想されるも、インフレ次第では困難に
・金や債券も選択肢だが、万能ではない
・個人投資家は、”次の波”に備えて今こそ投資戦略を見直すべき


今後の相場に備えて、米国株一辺倒ではない「真の分散投資」へのシフトが求められています。あなたのポートフォリオは、次の10年を乗り越えられる設計になっているでしょうか?

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