本記事は、YouTube動画『(3) トランプ大統領またTACOる 戦争は終結へ 米株は沈む』の内容を基に構成しています。
トランプ大統領がイラン戦争の終結を示唆
2026年の金融市場では、米国とイランの軍事衝突が大きな注目を集めています。今回の動画では、トランプ大統領がイランとの戦争について「ほぼ完了している」と発言した背景と、それが金融市場に与えている影響について詳しく解説されています。
トランプ大統領はCBSニュースのインタビューで、イランとの戦争が終結に近づいていることを示唆しました。しかしこの方針転換は、単純な軍事戦略の変更というよりも、金融市場の動きが大きく影響した可能性があると指摘されています。
トランプ大統領はこれまでも、マーケットの反応を見ながら政策を修正する傾向があるとされています。今回も原油価格の急騰や株式市場の下落を受け、戦争を長期化させない方向へ舵を切ったと考えられます。
原油価格急騰と株式市場の調整
今回の戦争が市場に与えた影響として、まず挙げられるのが原油価格の急騰です。
原油スポット価格は一時119.48ドルまで上昇しました。前年末の終値は57.42ドルだったため、わずか数か月で108%の上昇、つまりほぼ2倍に近い値上がりとなった計算になります。
このようなエネルギー価格の高騰は、株式市場にも大きな影響を与えました。
S&P500は1月の高値から一時5.2%下落し、ナスダック総合指数は2025年10月の高値から18.2%下落しました。一般的に株式市場では10%以上の下落で調整局面入りとされるため、ナスダックはすでに調整入り目前の状態となっています。
原油高が米国経済に与える深刻な影響
米国経済の約70%は個人消費によって支えられています。そしてその消費を押し上げてきたのが、株価上昇による「資産効果」です。
株価が上昇すると、投資家や家計は資産が増えたと感じ、消費を拡大する傾向があります。しかし株価が下落すれば、その逆の「逆資産効果」が働き、消費は冷え込みます。
さらに米国は典型的な車社会です。ガソリン価格が上昇すると、家計における燃料費の割合が増え、自由に使えるお金が減ります。その結果、個人消費が大きく落ち込む可能性があります。
もし戦争が長期化し、原油価格の高騰と株価下落が続けば、米国経済は大きな打撃を受けることになります。
中間選挙を意識した政治判断
トランプ大統領が戦争終結を示唆したもう1つの理由として、中間選挙の存在が指摘されています。
今回の戦争は、米国が先制攻撃を行った形で始まりました。つまりイランから直接攻撃を受けたわけではないため、国内世論の支持が強いとは言えない状況です。
もし戦争が長期化すれば、
・原油価格の高騰
・株式市場の下落
・消費の落ち込み
といった経済悪化が起きる可能性が高くなります。
その結果、中間選挙で民主党に敗北するリスクが高まるため、政治的にも戦争を長期化させることは難しいと考えられます。
イラン側の思想と報復の連鎖
ただし、戦争がすぐに完全終結するとは限りません。
イランの最高指導者ハメネイ師は、信仰のために命を捨てる「殉教」の思想を繰り返し説いてきました。
実際に2020年には、米軍の攻撃で殺害された革命防衛隊のソレイマニ司令官を英雄として称賛しています。
今回ハメネイ師が米軍の爆撃によって死亡したとされる中で、その思想は新たな指導者へと引き継がれています。
新しい最高指導者となった人物はハメネイ師と同じ保守強硬派であり、イランの政策が大きく変わる兆しはありません。
そのため、地上戦の長期化は回避される可能性が高いものの、報復攻撃の応酬は2〜3週間程度続く可能性があると予想されています。
戦争終結でも株価は上がらない可能性
一般的に戦争が終われば株価は上昇するというイメージがあります。しかし今回の動画では、そのようにはならない可能性が指摘されています。
理由の1つは、米国の労働市場の悪化です。
2026年2月の雇用統計では、新規雇用者数が9.2万人と弱い結果になりました。これは景気減速の兆候と見ることもできます。
さらにAIブームにも陰りが見え始めています。
例えば、
・オラクル
・オープンAI
といった企業は、AIデータセンター拡張計画を撤回しました。資金不足や需要不安が背景にあるとされています。
またロイターによると、世界のデータセンター建設計画の約20%がリスクにさらされていると報じられています。
その理由は
・電力不足
・送電網の老朽化
・巨額投資の遅れ
などです。
プライベートクレジット市場のリスク
もう1つの懸念として、プライベートクレジット市場の問題があります。
この市場では、1つの担保を使って複数の金融機関から融資を受ける「二重担保」が横行していると指摘されています。
その結果、融資の厳格化が進み始めています。
プライベートクレジットはAIデータセンター建設にも資金を供給していたため、資金供給が減少すればAI投資の縮小につながる可能性があります。
これはAIバブル崩壊の引き金になる可能性もあります。
S&P500のテクニカル状況
テクニカル面でも不安要素があります。
現在S&P500は50日移動平均線を下回って推移しています。
短期的には50日移動平均線まで反発する可能性はあります。しかし、その水準がレジスタンスとして機能した場合、本格的な下落相場に入る可能性があると指摘されています。
もし景気後退を伴う下落相場になれば、米国株は長期的な弱気相場に入る可能性があります。
米国株は長期停滞の可能性
動画では、今後の米国株についてかなり悲観的な見通しが示されています。
過去の投資ブームを振り返ると、ブームが終わった資産は10年以上停滞する傾向があります。
ITバブル崩壊後のナスダックは約15年間停滞しました。
そのため、今回の米国株ブームも景気後退とともに終わり、長期停滞局面に入る可能性があると指摘されています。
動画では
・S&P500の最大下落率50%
・円ベースでは60%下落
というかなり厳しいシナリオも示されています。
底打ちは2027年3月頃と予想されています。
S&P500積立投資は続けるべきか
視聴者からの質問として多かったのが、
S&P500やオルカンの積立投資を続けるべきか
という点です。
これについては「目的による」と説明されています。
まず大前提として、S&P500の積立投資は本来
老後資産の形成
を目的としたものです。
この場合は、マーケットタイミングを狙わず、30年〜40年の超長期で積立を続けることが重要になります。
しかし利益最大化を目的としている場合は、米国株の割合を減らすことも検討する必要があるとされています。
コア・サテライト戦略という考え方
動画では、コアサテライト戦略が提案されています。
例えば
・80%をS&P500などのコア資産
・20%を高成長資産
という構成です。
サテライト部分では
・欧州株
・新興国株
・暗号資産
・コモディティ
などに投資することで、リターンの最大化を狙うという戦略です。
日本株の今後の見通し
日本株については、米国株と同様に下落する可能性があると予想されています。
ただし、下落幅は米国株より小さく、次の景気拡大局面では米国株をアウトパフォームする可能性があるとされています。
ただし日本には明確な成長ストーリーがないため、大きな期待は禁物とも指摘されています。
まとめ
今回の動画では、トランプ大統領がイラン戦争の終結を示唆した背景と、今後の金融市場の見通しについて解説されました。
ポイントを整理すると次の通りです。
・原油価格は一時119ドルまで急騰
・ナスダックは18%下落し調整局面入り
・AIデータセンター投資に減速の兆し
・米国株は景気後退とともに長期停滞の可能性
・底打ちは2027年頃との予想
今後の投資戦略としては、米国株一極集中ではなく、欧州株や新興国株、コモディティなどを含めた国際分散投資の重要性が高まる可能性があると指摘されています。
金融市場は大きな転換点に差しかかっている可能性があり、投資家はこれまでの常識にとらわれない柔軟な資産配分が求められる局面に入っていると言えるでしょう。


コメント