本記事は、YouTube動画『とんでもないことが起きている トランプ大統領 暴走』の内容を基に構成しています。
米国経済の先行き不安とインフレ懸念が強まる中、トランプ大統領の一連の強硬な発言と政策が、金融市場に大きな波紋を広げています。
動画では、FRBの独立性を揺るがす前代未聞の事態から、金価格の急騰、イランを巡る地政学リスク、さらには米国株式市場の長期見通しまでが詳しく解説されています。個人投資家が今どのように資産を守り、どの市場に目を向けるべきなのかを考える上で、極めて重要な内容となっています。
トランプ大統領とFRB議長の異例の対立
今回の騒動の発端となったのは、FRBのパウエル議長が自らが刑事捜査の対象になっていること、そしてその背後にトランプ大統領からの政治的圧力があることを示唆する動画を投稿したことでした。
問題となったのは、FRB本部の改修費用を巡る2025年6月の議会証言であり、その内容が捜査の対象になっていると説明されています。
しかしパウエル議長は、これを単なる会計問題ではなく、トランプ大統領による「金利を下げろ」という圧力の文脈で理解すべきだと明確に批判しました。
これはFRB議長が大統領を公然と批判する極めて異例の事態であり、市場は強い警戒感を持って受け止めています。
トランプ大統領はこれまでもFRBに対して政策金利の引き下げを強く要求してきました。
実際に、クーグラーFRB理事を任期途中で辞任に追い込み、代わりに大幅利下げを支持するミラン氏を理事に据えるなど、FRBを事実上支配しようとする動きを見せてきました。
しかし、金利を下げ過ぎればインフレが再燃するリスクが高まるため、パウエル議長は追加利下げに慎重な姿勢を維持しており、これがトランプ大統領との対立を激化させています。
FRBの独立性がなぜ重要なのか
市場参加者が最も懸念しているのは、FRBの独立性が失われることです。
政策金利は、景気、雇用、物価という経済の根幹を左右する重要なツールです。これを政治家に委ねてしまうと、選挙のために短期的な景気刺激が優先され、インフレや資産バブルが起こりやすくなります。
例えば、大統領や与党は再選を狙うために選挙直前に景気を良く見せたいと考える傾向があります。
その結果、必要以上に金融緩和を行えば、株や不動産が過剰に買われ、やがてバブル崩壊と金融危機につながる可能性があります。こうした事態を防ぐために、中央銀行は政治から独立し、経済データに基づいて冷静に判断する必要があります。
今回のトランプ大統領とパウエル議長の対立は、この中央銀行の独立性が本当に守られるのかという根本的な問題を市場に突きつけました。
金価格が史上最高値を更新した理由
FRBの独立性への不安が高まる中、安全資産への逃避が急速に進みました。
その象徴が金価格の急騰です。金先物価格は一時4600ドル台を突破し、市場最高値を更新しました。金鉱株ETFであるGDXは3.4%上昇して95.72ドルとなり、年初来では11.6%高とS&P500の1.9%高を大きく上回るパフォーマンスを記録しています。
この動きの背景には、金融不安だけでなく、地政学リスクの高まりもあります。
イランでは治安部隊とデモ隊の衝突が激化しており、トランプ大統領はデモ弾圧を理由にイランに対する軍事攻撃の可能性を示唆しました。このような緊張状態では、投資家は株式よりも金のような実物資産に資金を移す傾向があります。
ただし動画では、金には短期マネーが大量に流入しており、どこまで上がるかは分からないものの、資金が逆流した時の下落リスクも大きい点に注意が必要だと指摘されています。
イラン制裁とホルムズ海峡リスク
トランプ大統領は、イランと取引する国に対しても25%の関税を課すと表明しました。
これはイラン政府によるデモ弾圧への制裁であり、極めて強硬な措置です。2025年末以降、イランでは累計で54人が死亡したとされ、今後さらに被害が拡大する可能性があります。
OECDのデータによれば、イランの輸入相手国は中国が34%、UAEが20%、トルコが11%、ブラジルが8%であり、輸出でも中国が35%、UAEが17%、インドが8%、パキスタンが7%となっています。
つまり制裁はイランだけでなく、これらの国々との関係にも影響を及ぼします。その結果、ドルを使った取引を避ける動き、いわゆるドル離れが新興国を中心に加速する可能性があります。
もし米国が軍事攻撃に踏み切れば、イランがホルムズ海峡を封鎖するリスクが高まります。
ホルムズ海峡は世界の原油輸送の要衝であり、封鎖されれば原油価格とエネルギー株が急騰する可能性があります。米国と中国の景気減速で低迷していたエネルギー市場にとっては、大きな上昇余地が生まれる局面となり得ます。
トランプ関税と株式市場への影響
動画では、トランプ関税が違憲と判断された場合に株式市場が急落するかという質問にも答えています。
結論としては、急落しない可能性が高いとされています。
仮に最高裁が違憲と判断しても、トランプ政権は別の法律を使って暫定関税や国別関税、さらには差別への対抗関税として最大50%の追加関税を課す手段を持っています。
そのため、最高裁の判断だけで関税政策が完全に撤廃されるわけではなく、市場がそれを理由に大暴落する可能性は低いと見られています。
中間選挙の年と1月アノマリー
1月最初の5営業日が株高なら、その年も株高になる確率は1950年から2025年までの76年間で83.7%とされています。
しかし中間選挙の年に限ると、この確率は54.5%まで低下します。実際、中間選挙の年に株高になる確率は58%と、選挙前年の89%、選挙年の84%を大きく下回ります。
これは、大統領が再選を狙って減税や財政出動を行うのは後半の2年に集中しやすく、前半の2年には増税や規制強化が実施されやすいからです。
2025年にはトランプ関税による実質的な増税が行われ、その影響がインフレとして庶民の生活を圧迫しています。したがって、2026年は1月が株高でも楽観視できない年になる可能性があります。
ラッセル2000がS&P500を上回る可能性
小型株指数であるラッセル2000は、2021年以降続いたレンジ相場をブレイクアウトしました。セクター構成を見ると、ヘルスケアが19%、金融が17%、資本財が16%、ハイテクが16%で、S&P500とは大きく異なります。
2000年以降のデータを見ると、ラッセル2000とS&P500の優劣は長期トレンドを形成する傾向があります。
2014年から2025年まではS&P500が勝ち続けましたが、2025年を境に相対指数が下落に転じており、今後数年はラッセル2000がアウトパフォームする可能性が示唆されています。
ただし、AIバブル崩壊や景気後退が近い場合、財務体質の弱い小型株への投資は慎重であるべきだとも述べられています。
2026年以降の相場見通し
バフェット太郎氏は、2026年の米経済について、労働市場の急激な悪化を背景に景気後退に入り、FRBは6回から8回の追加利下げを行うと予想しています。
米国株は弱気相場入りし、2027年3月から遅くとも2027年10月までに底打ちすると見ています。S&P500の最大下落率はドル建てで50%、円建てで60%に達する可能性があるとされ、氏自身も現金比率を50%まで高めています。
一方で、欧州株や新興国株は2026年の夏頃に底打ちし、利下げサイクルとドル安を背景に金やコモディティへの資金流入が続くと予想されています。ビットコインについては、半減期後の最もパフォーマンスが悪い年に当たり、高値から最大80%下落して10月から12月頃に底打ちする見通しです。
まとめ
今回の動画が伝えているのは、トランプ大統領の強硬な政治姿勢が、FRBの独立性、地政学リスク、為替と資産価格のすべてに影響を与え始めているという現実です。
金やエネルギーといった実物資産が注目される一方で、米国株は2026年から2027年にかけて大きな調整を迎える可能性があります。個人投資家は短期的な値動きに振り回されるのではなく、現金比率を高めつつ、欧州株や新興国株、金などを含めた国際分散投資を意識した戦略が求められる局面に入っていると言えるでしょう。


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