※この記事は「みんなのFXラジオ 7月15日放送分」(YouTube)をもとに構成しています。
目次
結論:市場は“タコるトランプ”に慣れ、今は「クラッシュ前夜」かもしれない
2024年7月15日時点で、ドル円は148円の攻防に差し掛かり、IMMポジションも縮小中。トランプ氏による関税再強化への警戒がある一方で、市場は“どうせやらない”と楽観視。さらに、パウエルFRB議長の辞任説や後任候補にハセット氏の浮上など、金融政策面でもリスクが高まっています。
そして注目は、流動性の薄い夏場に起こる「クラッシュ」の可能性。過去の暴落事例から再現性の高いパターンが明かされました。
トランプ関税再来?でも市場は冷静
トランプ氏が再び関税強化を示唆
国・地域 | 提案された関税率 |
---|---|
日本 | 25% |
ブラジル | 50% |
カナダ | 35% |
メキシコ | 30% |
EU | 30% |
しかし、市場は「どうせ実行されない(=タコる)」との見方が強く、米株は最高値圏、為替も過度な反応なし。
関税=ドル高という「教科書的な反応」に戻りつつあり、ドル円はむしろ買い要因になるとの分析も。
パウエル議長の辞任説と後任候補「ハセット氏」に注目
- FRBの7億ドルの建物改修予算超過が責任問題化
- トランプ氏はこれを口実にパウエル辞任を求めている
- 後任候補には**ケビン・ハセット(NEC委員長)**が急浮上
- トランプ寄りの姿勢が強く、過度な利下げを促す懸念
- ハセット氏が議長になれば、「ドル安材料」として相場が動く可能性大
夏場は「クラッシュ前夜」か?トレーダー必見の5条件
井口氏が20年以上の経験から語るクラッシュの予兆となる5条件:
条件 | 内容 |
---|---|
① 薄商いの時間帯 | ニューヨーククローズ直後、東京オープン前(早朝など)が多い |
② 日本の祝日や夏枯れ相場 | 7月~8月の祝日など、参加者が減ると狙われやすい |
③ ポジションの偏り | IMMや個人が一方向に偏っていると逆流が発生しやすい |
④ 新安値・新高値の更新 | ロスカットが集中している価格帯を突破すると一気に動く |
⑤ 異常なプライスアクション | 明らかに「誰かが試している」ような動き、スプレッド急拡大も兆候 |
さらに重要なのが、銀行ディーラーが逃げ始める兆し=スプレッドが急拡大すること。
フラッシュクラッシュの裏側:Appleショック、スイスフラン事件も回想
放送では以下の過去のクラッシュについても回顧されました:
- Appleショック(2019年1月3日)
→ ドル円が4円急落。正月の薄商いを狙った仕掛けが原因。
→ 「2日前からクラッシュの香りがしていた」と井口氏。 - スイスショック(2015年)
→ フラン急騰で金融機関が破綻。関係ない通貨ペアでも巻き込まれた。 - トルコショック、ウクライナ侵攻
→ それぞれ40~50%規模の暴落。国際金融機関が大混乱。
戦略ポイント:ドル円は148円ミドルがカギ
- 現在のドル円は148円手前
- IMMのショート勢のコストが148円ミドル
- この価格を抜けると、ストップロスを巻き込んで150円も視野に
短期戦略:
- 148円で一旦売り→ブレイクでドテン買い
- 明確な抜けなら「上は早い」可能性大
ファンダメンタルズ分析は「クラッシュの本質」を見極める鍵
井口氏いわく:
- クラッシュは「ランダム性」が崩れる瞬間=最大のトレードチャンス
- 崩壊後の反発(反戻し・全戻し)には再現性がある
- 長期投資家は無視すべきだが、短期トレーダーには“神の一撃”
まとめ:今は静かだが、クラッシュは突然にやってくる
- トランプ発言に市場は慣れ始めているが、油断は禁物
- パウエル議長辞任説やハセット氏の後任説が金利・ドル相場を大きく動かす可能性
- 夏枯れ相場・薄商い・IMMの偏りがフラッシュクラッシュの引き金になることも
- ドル円は148円ミドルを超えるかが大きなポイント
- クラッシュ後の反発は再現性が高く、最大のチャンス
補足:IMMポジションの急減に注目
現在、IMMポジションは11万枚前後に縮小。
大口投資家(ヘッジファンド)が撤退中で、さらにクラッシュやトレンド加速が起きやすい地合いです。
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