本記事は「【防衛術】バフェット守りを固める米国株売り現金比率増加」という動画を基にまとめています。長期投資の神様と呼ばれるウォーレン・バフェットが、なぜ今米国株を売却し、現金を積み上げているのか。その背景を初心者でも理解できるように解説します。
結論:バフェットは暴落を予想しているのではなく「割高だから」降りている
多くの投資家が「バフェットが売っている=暴落が来る」と思いがちですが、動画での解説は違います。
バフェットが今、株式を売却して現金を増やしているのは「株価が割高で投資妙味がない」からです。
具体的な売却・購入の動き
直近のSEC提出資料によると、バークシャー・ハサウェイは以下の取引を行いました。
- ユナイテッドヘルス株を約15億7000万ドル(約2300億円)購入
- Apple株を2000万株売却 → 約41億ドル(約6000億円)相当
- バンク・オブ・アメリカ株を2630万株売却 → 約12億ドル(約1760億円)相当
合計で約53億ドル(約7760億円)規模の売却となり、新規購入分の約3倍以上。結果として、Appleのポートフォリオ比率は50%近くから22%に大幅低下しました。
さらに、バークシャーの株式保有総額(約43兆円)よりも、現金・短期債保有額(約50兆円)の方が大きくなっています。これは異例の「守り重視」体制です。
なぜ売ったのか?理由はバリュエーションの高さ
バフェットは「景気や株価を予想して売買することはない」と繰り返し発言してきました。
今回の行動理由も「米国株が割高になっているから」というシンプルなものです。
- シラーPER(景気循環調整後PER):39倍(歴史的高水準)
- 通常のPER:割高感が強い水準
つまり「今買う理由がない」というのが正確な判断。暴落を読んでいるわけではなく、単に「妙味がない市場から降りただけ」ということです。
世界の機関投資家も同様の動き
バークシャーだけでなく、世界最大のヘッジファンド「ブリッジウォーター」も大きなポジションを整理しました。
- Alibaba、PDD、JD.com など中国株ADR 16銘柄を全売却
- 合計規模:約14.9億ドル(約2000億円)
- 理由:トランプ政権の関税発表により米中摩擦が再燃 → 地政学リスク回避
世界的に見ても「米国株・中国株のリスクを避け、守りを固める」流れが強まっています。
消費者マインドも悪化傾向
マクロ経済データも、慎重姿勢を裏付けています。
- 8月のミシガン大学消費者信頼感指数:予想62 → 実際58.6(下振れ)
- 1年先のインフレ予想:4.4% → 実際4.9%
- 5年先のインフレ予想:3.4% → 実際3.9%
さらに、62%の消費者が「失業が増える」と予想。スタグフレーション(景気停滞+インフレ)への懸念が強まっています。
今後のシナリオ予想
動画では以下のようなシナリオが語られていました。
- 9月から相場が崩れ始め、10月に底打ち
- 年末にかけて反発
- 米国株は最大30〜40%下落の可能性
- 完全な底打ちは来年10月頃を想定
- 欧州株や新興国株は米国株よりも早く底打ちする見込み
- 次の景気拡大局面では「国際分散投資ブーム」が起こる
投資家がとるべき心構え
- 米国株は割高 → 今は無理に買わない
- 資金の一部を欧州株や新興国株にシフト
- 生活防衛も意識(副業・貯蓄・支出見直し)
- 歴史を学ぶことが未来予測の鍵(ただし占いではなく、条件次第でシナリオは変化する)
まとめ
- バフェットは暴落を予想しているのではなく「割高感」から米国株を売却
- Appleやバンカメを大きく売り、ユナイテッドヘルスを買う一方で現金比率を増加
- ブリッジウォーターも中国株ADRを全売却 → 機関投資家は守りを固めている
- 消費者心理は悪化、インフレ懸念も根強い
- 今後は米国株30〜40%下落の可能性、底打ちは来年秋ごろ
- 個人投資家は国際分散投資や生活防衛を意識することが重要
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