本記事は、YouTube動画『【米国株 1/3】バフェットが残した、最後の警告』の内容を基に構成しています。
導入:2026年の相場は「金利」と「AI」が試金石になる
年明けの市場でまず注目が集まるのは、米国の金利です。FRBが利下げを何回できるのか、インフレが再燃しないのか。この一点だけでも、株式の評価は大きく変わります。
加えて、ここ数年の主役であったAI関連銘柄は、2025年後半から投資家の目線が急に厳しくなっています。データセンター建設や大型ハイパースケーラーの設備投資は桁違いで、これが本当に売上と利益につながるのかが問われる局面に入っています。
そうした環境の中で、2025年末にひとつの時代が区切られました。ウォーレン・バフェットがバークシャー・ハサウェイのCEOを退任したのです。長く市場に残り続けるために必要な視点を、ここで改めて整理するのがこの動画の狙いでした。
背景説明:バフェットは何を成し、何を引き継いだのか
バフェットはもともと繊維会社だった企業を、時価総額が巨大な複合企業へと育て上げました。
バークシャーが保有する株式ポートフォリオの中心には、アップル、アメリカン・エキスプレス、バンク・オブ・アメリカ、コカ・コーラ、シェブロンといった超大型株が並び、これらが全体の大部分を占めています。
そして実績面では、バークシャーの株価は年率換算で約19.9%の複利成長を記録し、S&P500の約10.4%を大きく上回ってきました。この数字だけでも、後継者にかかるプレッシャーの大きさが想像できます。
ただし、バフェットは完全に表舞台から消えるわけではありません。取締役会会長として残り、議決権の約30%を保有し続けるという位置づけです。
さらに印象的だったのが、バークシャーの持続性についての言葉でした。「思いつくどの企業よりも、バークシャーは100年後も存在している可能性が高い」。この強い言い切りは、彼がどれほど企業の仕組みと資本の積み上げ方を重視してきたかを示しています。
バフェットが残した「最後の警告」の中身
政府と通貨への警告:財政の愚行が通貨価値を壊す
バフェットが繰り返してきた重要な警告のひとつが、米国政府に対する姿勢です。人生で不運な状況に置かれた人々に配慮し、資本主義の欠点や悪用が進むことを見過ごしてはならない。
さらに「財政の愚行が蔓延すれば紙幣は価値を失う」といった趣旨の発言で、通貨の安定を維持するために議員たちの協力が必要だと訴えていました。
ここで大事なのは、これは単なる政治批判ではなく、投資家に対する現実的なリスク提示だという点です。
通貨の信認は、長期投資の土台そのものです。株式も債券も、最終的には通貨で評価されます。通貨の価値が揺らげば、資産の見え方も大きく変わるという警告だと理解できます。
貿易を武器にするな:経済の分断はリスクを増やす
バフェットは「貿易は戦争の手段にもなり得る」とし、貿易を武器にすることを戒める趣旨の発言をしています。得意分野を交換し合うことが本来の姿であり、他国の嫉妬を煽るような構図は賢くない。
世界中が豊かになれば、アメリカにとっても損ではなく、結果的により安心できる国になるという考え方です。
投資目線で見ると、これはグローバル企業の利益構造に直結します。
分断が進むほどサプライチェーンは非効率になり、コストが上がり、企業業績の不確実性が増えます。市場が荒れやすい時代に入るほど、「企業の強みがどこにあるのか」を丁寧に見極める必要がある、という示唆にもなります。
日本投資の話:割安は「ページをめくった人」に見える
動画の中で印象的なのが、日本企業への投資を語る場面です。
フェットは日本企業が多数掲載されたハンドブックを見て、「ありえないほど割安」だった複数の銘柄を見つけ、1年かけて少しずつ買い進めたと語ります。そして経営陣との関係が深まるほど、魅力が増していったという流れです。
投資額は当時まだ約200億ドル程度で、できれば1000億ドルまで増やしたいくらいだ、という強い関心も示されています。さらに、日本市場でのアップル、アメックス、コカ・コーラなどの好調さにも触れ、日本の文化やビジネス習慣の魅力にも言及しています。
この話の核心は「全てのページをめくれ」という姿勢です。
多くの人は最後まで見ない。見つけた人も教えてくれない。だから自分でやるしかない。初心者にとっては精神論に聞こえるかもしれませんが、実際はスクリーニングと一次情報に当たり続けるという極めて実務的な話です。見られていない場所に、割安や歪みが残るというのが、投資の一番おいしい局面だからです。
現金保有の意味:チャンスは「決まったタイミング」で来ない
もうひとつの大きな柱が、現金保有の考え方です。
バフェットは「チャンスは決まったタイミングでやってこない」と言い切ります。投資ビジネスの問題はそこにある、と。彼のキャリアでは約16000日の取引があったが、毎日魅力的な案件が複数あるわけではない。だからこそ、常にフルインベストメントしないことで稼いできた、という趣旨の話が続きます。
ここは初心者が誤解しやすい点です。現金比率を上げることは「弱気」ではなく、「打てる球が来たら強く振るための準備」だという考え方です。いつ来るか分からないチャンスに備え、来た瞬間に動ける状態を保つ。この姿勢が、長期で生き残る投資家の共通点だというメッセージです。
忍耐と迅速:待つだけが忍耐ではない
バフェットが語る忍耐は、ただ待つことではありません。
「チャンスが来た瞬間に、その日のうちに動ける準備があること」も忍耐だ、と説明されます。つまり、普段は静かに待ち、条件が揃ったら迷わず実行する。投資を不規則で予測不能な世界だと捉えた上で、必要なときに素早く意思決定できるかどうかが分かれ目になります。
この文脈で出てくる「5秒で電話を切れること」と「5秒でやると即決できること」は、日常に置き換えても分かりやすい言葉です。
自分のルールに合わない話には時間を奪われない。一方で、自分が理解できて条件が整った案件には躊躇しない。この両方がセットだということです。
「明日もゲームを続けられる」ことが最優先
バフェットは「これまで築いたものを台無しにするようなリスクは絶対に取ってはいけない」とも語ります。
周囲で馬鹿げたことが起きていても関わらない。短期の熱狂や、質の低い商品を誰かに押し付けて儲けるような行動は、いつか自分に返ってくる。だから無視すべきだ、と。
投資で最も大切なのは、一撃で勝つことではなく、退場しないことです。ここを強調することで、動画のタイトルにもある「最後の警告」が、実は非常に普遍的な生存戦略であることが伝わってきます。
「アメリカの負けにかけるな」:長期の現実をデータで示す
動画後半の大きな軸が、バフェットの有名な言葉「アメリカの負けにかけてはいけない」です。
フェットは1942年、11歳のときに初めて株を買い、その日のダウ平均の終値は99ポイントだった。そこから80年以上が経ち、ダウは4万ドル近くになっている。これは一般投資家が知っておくべき事実だ、という流れです。
世界大恐慌、第2次世界大戦、9.11、リーマンショック、コロナなど、数え切れない危機があっても、アメリカは回復し、より強くなってきた。ここで言いたいのは「短期の悲観で長期の成長を捨てるな」ということです。
もちろん未来を断言できる人はいませんが、少なくとも過去の歴史は、経済成長と企業活動の積み上げが巨大なリターンを生んできたことを示しています。
インデックス推奨:一般投資家には低コストが最強になりやすい
バフェットは以前から、一般投資家にはS&P500などに連動する低コストのインデックスファンドを推奨してきました。
これは「個別株がダメ」という話ではなく、一般投資家が勝ちやすい確率の高い選択を提示しているということです。市場平均を低コストで取りに行く。長期で積み上げる。多くの人が短期売買で自滅する中で、最も再現性が高い方針だという現実があります。
初心者が2026年に「バフェットの警告」を実践する方法
ここまでの話を、初心者が現実の行動に落とすなら、ポイントは大きく3つに集約されます。
1つ目は、相場のシナリオを決め打ちしないことです。利下げが2回になるか、インフレがどうなるか、AIの設備投資が利益につながるか。どれも断言できません。だからこそ、未来予測ではなく「条件が揃ったら買う」「条件が崩れたら守る」というルールを先に作ることが重要です。
2つ目は、現金の意味を理解することです。現金は何もしない資産に見えて、実は「次のチャンスを最大化するためのポジション」です。チャンスがいつ来るか分からない以上、全部突っ込むより、余力を残しておく方が長期では合理的になりやすいという視点です。
3つ目は、退場しない設計にすることです。最大の目的は「明日もゲームを続ける」ことです。短期の熱狂に巻き込まれず、理解できないものに手を出さず、長期で積み上げる。これが地味でも強い戦い方になります。
そして、動画の後半で語られた「525ルール」は、投資にも仕事にも転用できる具体的な方法として紹介されていました。
バフェットの525ルール:目標を削ることで成果が増える
525ルールは非常にシンプルです。まず人生で達成したい目標を25個書き出します。次に、その中で本当に重要な上位5つに丸をつけます。ここからが核心で、丸をつけなかった20個は「やることリスト」ではなく「全力で避けるリスト」になるという考え方です。
人は目標が多いほど、頑張っている気になりやすい反面、集中力が薄まりやすくなります。投資でも同じで、銘柄数を増やしすぎると、どれも浅くなり、判断が遅れます。逆に「これだけは勝ち筋がある」と思えるテーマに集中できる人ほど、チャンスが来たときに素早く動けます。
まとめ:バフェットの最後の警告は「予測するな、準備せよ」
動画が伝えていた結論は、派手な相場予想ではありませんでした。金利やAIといった注目テーマがある中でも、結局は予測よりも準備が重要だということです。
通貨の安定を軽視するな、貿易を武器にする時代のリスクを理解せよ、割安は自分でページをめくらないと見つからない、チャンスは決まったタイミングで来ないから現金が武器になる、忍耐とは待つことと即決できる準備の両方である、そして何よりも「明日もゲームを続けられるように」致命傷を避けよ。
そして長期の視点では「アメリカの負けにかけるな」という言葉が、歴史のデータとともに語られました。短期の不安が強い年ほど、この原則は効いてきます。2026年を戦う上で、バフェットの最後の警告は、結局「生き残る投資家の設計図」だと言えます。


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