本記事は、YouTube動画『【衝撃の事実】ブラックロックが先週の暴落の底値で、数百億円の爆買いをした7銘柄を徹底分析』の内容を基に構成しています。
2026年3月の日本株急落局面では、多くの個人投資家が不安に駆られ、相場全体が重苦しい空気に包まれました。ところが、その混乱のど真ん中で、世界最大級の資産運用会社であるブラックロックが、特定の日本株7銘柄を大きく買い増していたことが明らかになりました。
暴落時に買うという行動は、一般の個人投資家からすると非常に勇気のいる判断です。しかし、巨大な運用会社は、目先の恐怖ではなく、企業価値や中長期の構造変化、需給の歪みを見ながら動きます。今回の動画では、そのブラックロックの行動を通じて、足元の日本市場で何が起きているのか、そしてどのようなテーマに資金が集まりつつあるのかが詳しく語られていました。
この記事では、その内容を初心者にも分かりやすいように整理しながら、背景から個別銘柄の意味、そして今後の注目点まで順を追って丁寧に解説していきます。
2026年3月の急落相場で何が起きていたのか
まず今回の話の前提として、2026年3月中旬の東京市場がどのような状態だったのかを確認しておく必要があります。
当時の日本株市場は、中東地域の地政学リスク再燃や原油供給不安を背景に、極めて不安定な値動きとなっていました。日経平均はわずか4営業日で1300円超の急落を記録し、市場参加者の間には強い動揺が広がっていました。相場が崩れると、特に信用取引を使っている個人投資家は厳しい状況に置かれます。株価が下がると追加保証金、いわゆる追証が必要になり、資金を入れられなければ保有株が自動的に売却されてしまいます。
このような局面では、投資家が自らの意思で冷静に売るというよりも、半ば強制的に売らされる形になります。これがいわゆる投げ売りです。そこに、CTAと呼ばれるトレンドフォロー型のアルゴリズム取引が先物市場で機械的に空売りを積み増すことで、相場の下げがさらに増幅されていきました。
つまり、この急落局面では、企業の本来の価値が評価されて株価が下がったというよりも、個人の投げ売りと機械的な売りが重なり、需給の悪化だけで株価が大きく押し下げられた面が強かったわけです。
その後、3月18日には日経平均が前日比1539円高という歴史的な急反発を見せ、5万5239円まで急速に戻しました。市場では「自律反発」「ショートカバー」といった説明が多く見られましたが、動画では、その水面下に、売りを静かに吸収していた巨大な買い手の存在があったと指摘されています。その中心がブラックロックでした。
なぜブラックロックは今の日本株に注目しているのか
ブラックロックのような巨大ファンドが、なぜ日本株に対してこれほど本格的に資金を投じているのか。この背景を理解することは非常に重要です。
動画では、その理由を大きく3つに整理していました。
1つ目は、日本が長いデフレから脱却しつつあることです。日本では20年以上にわたり、物価が上がらないことが当たり前のような環境が続いてきました。しかし現在は、インフレの定着が徐々に進みつつあります。物価が上がるということは、企業側が価格転嫁をしやすくなるということでもあります。これまで値上げが難しく、利益率を確保しにくかった日本企業にとって、これは構造的な追い風になります。
2つ目は、コーポレートガバナンス改革の進展です。東京証券取引所がPBR1倍割れ企業に対して改善策の提示を求めたことで、多くの企業が自社株買いや増配、資本効率の改善に本腰を入れ始めました。これにより、長年割安に放置されてきた日本株が見直される土台が整いつつあります。
3つ目は、為替面での魅力です。米国の投資家から見れば、円安局面で日本株を買うことには大きな意味があります。株価上昇に加えて、将来的に円高へ転じた場合には為替差益も得られる可能性があるからです。いわば、株価上昇と通貨リターンの両方を狙える環境として日本市場が映っているわけです。
さらに動画では、今回の買いが単なるインデックス連動の機械的な買いではなく、アクティブ運用部門による意図的なオーバーウェイト、つまり「この銘柄を特別に厚く買う」という判断を伴ったものだと説明していました。これは、単に日本株全体を買ったのではなく、特定のテーマと銘柄に強い確信を持って資金を入れていることを意味します。
ブラックロックが買い増した7銘柄の全体像
今回話題となった7銘柄は、以下の通りです。
TIS
野村総合研究所
鹿島建設
朝日インテック
キリンホールディングス
日本都市ファンド投資法人
スターアジア不動産投資法人
一見すると、IT、建設、医療、食品、リートと業種がバラバラに見えます。しかし動画では、これらは決して無秩序に選ばれたわけではなく、いくつかの大きな共通テーマでつながっていると分析されていました。
そのテーマとは、AIの社会実装、インフレ下での価格転嫁力、そして恐怖で売られすぎた実物資産の再評価です。ここからは、各銘柄がどのような意味を持つのか、順番に見ていきます。
TISと野村総合研究所が示すAI社会実装の本命
TISについては、ブラックロックの保有比率が7.17%から8.42%へと大きく引き上げられました。野村総合研究所も6.28%まで買い増しされています。動画では、この2社を同じ文脈で捉えていました。
その背景にあるのが、日本企業のレガシーシステム刷新需要です。いわゆる「2025年の崖」という言葉に象徴されるように、日本の多くの大企業や金融機関は、古い基幹システムを使い続けてきました。こうしたシステムを刷新しない限り、AI導入やデータ活用は中途半端なままに終わってしまいます。
AIが社会に浸透すると聞くと、多くの人は半導体やクラウド大手を思い浮かべます。しかし実際には、そのAIを企業の現場で動かすためには、土台となるシステムの更新やクラウド移行が欠かせません。その実務を担うのが、TISや野村総合研究所のような国内トップクラスのシステムインテグレーターです。動画では、これを「AIの最後の1マイル」と表現していました。
さらに、IT業界では慢性的なエンジニア不足が続いています。需要が強く、供給が足りない状態では、受注単価を引き上げやすくなります。つまり、コスト上昇を価格転嫁しやすい構造にあり、利益率改善も期待しやすいわけです。
TISに潜む需給面の大きな特徴
TISで特に注目されていたのは、ブラックロックの買いだけではありません。動画によれば、物言う株主として知られるいちごアセットマネジメントも、3月11日時点で保有比率を11.16%から12.17%へ引き上げていたことが判明しています。
ブラックロックの8.42%と合わせると、この2つの大口投資家だけで20%超の株式を保有している計算になります。これは市場に流通する株数、いわゆる浮動株が大きく減っていることを意味します。
こうした状況で、もし空売り勢が買い戻しを迫られれば、市場に出回る株が少ないため、株価が急騰しやすくなります。これがショートスクイーズ、いわゆる踏み上げ相場の構図です。
ただし動画では、こうした需給の良さが逆回転した場合の危険性にも触れていました。大口保有者が利益確定で売りに回れば、今度は買い手不足の中で急落しやすくなります。さらに、米大手証券が2026年1月にTISの投資判断を弱気へ引き下げていたことも紹介されており、プロの世界でも見方が割れている銘柄である点は強調されていました。
鹿島建設はなぜ単なる建設株ではないのか
次に取り上げられていたのが鹿島建設です。ブラックロックは保有比率を5.16%から6.23%へと引き上げていました。
一般的に建設株というと、公共事業依存、人件費高騰、資材高による利益圧迫など、やや地味で成長性に乏しいイメージを持たれがちです。特に海外投資家からは、伝統的で評価されにくい業種と見なされることも少なくありません。
しかし動画では、ブラックロックの視点はまったく異なると説明されていました。彼らは鹿島を、単なるゼネコンではなく、AI社会を支える物理インフラの供給者として見ているというのです。
近年、日本国内では海外クラウド大手による大規模データセンター建設が進んでいます。データセンターは、AI時代の重要インフラそのものです。そして、こうした施設は通常の建築物とは違い、大規模電力対応、高度な冷却設備、耐震性など、非常に高い施工能力が求められます。それを高水準で担えるのは、スーパーゼネコンと呼ばれるごく一部の企業に限られます。鹿島はその代表格です。
さらに、半導体工場建設などの国策案件も追い風です。しかも、これまで上昇を続けていた資材価格にピークアウトの兆しが見え始めているため、受注単価が高いままコストが落ち着けば、利益率が改善する可能性があります。
つまり、ブラックロックは鹿島を「古い建設株」としてではなく、「AI・半導体時代の成長インフラ株」として捉え直しているわけです。
鹿島建設にも無視できないリスクがある
もっとも、建設株には当然ながらリスクもあります。動画では、日銀の利上げで企業の設備投資が失速すれば、データセンターや工場建設案件にブレーキがかかる可能性があると指摘していました。また、建設現場では慢性的な人手不足が深刻で、受注があっても工期遅延や外注費上昇によって利益が圧迫される恐れがあります。
期待と現実のギャップが出た場合には、せっかく入ってきた海外資金が一斉に引き上げることもあり得るため、そこは注意点として押さえておくべきでしょう。
朝日インテックに見る医療技術の核心価値
今回の7銘柄の中でも、動画で特にインパクトが強く語られていたのが朝日インテックです。保有比率は3.79%から5.12%へ上昇し、5%ルールを超えたことで、大量保有報告書の提出義務が発生しました。つまり、今回が初めての正式な大口保有の表明だったわけです。
朝日インテックは、心臓や血管の治療で使われるガイドワイヤーで世界トップクラスのシェアを持つ企業です。ガイドワイヤーとは、血管内治療の際にカテーテルを導くための極めて精密なワイヤーであり、見た目以上に高度な技術が必要な製品です。
動画では、AIやロボット技術が医療に入り込んでいく時代だからこそ、こうした物理的な核心部品の価値はむしろ高まると説明していました。画像診断や手術支援の自動化が進んでも、実際に体内で使われる精密部品は代替しにくく、技術障壁も高いためです。
この点で、朝日インテックは単なる医療機器メーカーではなく、次世代医療の基盤部品を握る企業として評価されているという見方です。
高評価ゆえの脆さにも注意が必要
ただし、朝日インテックは株価評価の面ではすでに高いプレミアムが付いています。動画では、PSRやPBRが高水準にあることにも触れられていました。高く評価されている成長株は、期待が少しでも崩れると株価が大きく調整しやすいという弱点があります。
また、アナリストの経常利益予想が会社側の強気予想を下回っている点も紹介されており、市場の専門家全員が同じ強気目線ではないことが示されていました。円高や医療機器価格の引き下げ圧力なども逆風になり得るため、長期成長ストーリーだけを見て安心できる銘柄ではないということです。
キリンホールディングスがビール株ではなく見られている理由
キリンホールディングスについては、保有比率が6.10%から7.64%へと1.54%も引き上げられていました。大型株でこれだけ比率が動くというのは、相当大きな資金が投じられたことを意味します。
多くの人にとってキリンは、まずビールや飲料の会社という印象が強いでしょう。人口減少や高齢化で国内ビール市場は伸びにくく、成熟産業の代表格と見る向きもあります。
しかし動画では、ブラックロックはキリンをそのようには見ていないと説明していました。注目しているのは、協和キリンを中心とする医薬事業や、免疫ケア素材であるプラズマ乳酸菌などを軸としたヘルスサイエンス領域です。つまり、キリンを「ビール会社」ではなく、「免疫・バイオ関連の成長企業」として再評価している可能性があるというわけです。
キリンは長年、ビール事業から生み出される安定キャッシュフローを、将来の成長領域に投資し続けてきました。これは今の稼ぎ頭が将来の成長エンジンを育てるという意味で、非常に理にかなった資本配分です。コロナ以降、予防医療や免疫ケアへの関心は高まり続けており、この分野は高齢化とも相性が良いテーマです。
市場の評価はまだ慎重
ただし、動画ではキリンに対する市場の評価がまだ慎重であることも紹介されていました。アナリストの多くは中立評価で、平均目標株価も大幅な上昇を見込んでいないとされています。つまり、ブラックロックの見方が市場全体で共有されているわけではありません。
もしヘルスサイエンスや医薬分野で期待された成果が出なければ、再び「成長性に乏しい食品株」という見方に戻る可能性もあります。また、海外M&Aに伴うのれん減損リスクも、キリン株を考える上で無視できないポイントです。
日本都市ファンドとスターアジアに見るリート逆張り戦略
最後に取り上げられていたのが、日本都市ファンド投資法人とスターアジア不動産投資法人という2つのリートです。
増加幅だけを見ると、日本都市ファンドは6.98%から7.01%、スターアジアは5.70%から5.80%と小幅なものです。しかし動画では、この小さな動きにこそ大きな意味があるとされていました。
日銀のマイナス金利解除以降、日本のリート市場には強い逆風が吹いていました。金利が上がると借入コストが増えるため、分配金利回りの魅力が低下すると考えられやすいからです。その結果、個人投資家や地方銀行などがリートを売り、セクター全体が長く低迷してきました。
しかしブラックロックは、その市場の恐怖に逆張りしていると動画では解説していました。彼らは、金利上昇のマイナス面だけでなく、インフレによる不動産価値上昇や賃料増加のプラス面を重視しているというのです。
日本都市ファンドは都市部の優良商業施設を中心に保有しており、インフレ下ではテナント売上増加に応じて賃料も上がりやすい構造があります。さらに、新規物件の建設コスト上昇により、既存優良物件の相対価値も高まります。こうした点を踏まえると、市場価格が実物資産価値を大きく下回っていると見る余地があるわけです。
スターアジアについては、決算内容自体は一見ネガティブだったにもかかわらず、ブラックロックはその前に買っていたことがポイントとして強調されていました。つまり、短期的な減益よりも、長期的な分配金維持能力や資産価値の方を評価していた可能性があるということです。
リートにも当然ながら金利リスクは残る
もちろん、リートには明確なリスクがあります。日銀が想定以上のペースで利上げを進めれば、借入コストが急増し、分配金維持が難しくなる可能性があります。特に中型リートでは、借り換え金利の上昇がより重くのしかかる場合があります。
したがって、今回の買いを見てすぐに「リートは安全」と考えるのではなく、金利動向と分配金の持続性を継続的に確認する必要があります。
7銘柄に共通する3つのメガテーマ
ここまで個別銘柄を見てきましたが、動画ではこれら7銘柄を貫く3つの大きなテーマがあると整理していました。
AIの社会実装フェーズ
TIS、野村総合研究所、鹿島建設は、いずれもAIの実装段階を支える企業です。半導体やクラウドの第1段階ではなく、それを企業や社会で使える形に変えていく第2段階に関わる存在です。AIブームの本質が「技術の話」から「社会実装の話」へ移る中で、こうした企業の価値が見直されているという見方です。
伝統業種の再評価
朝日インテックやキリンホールディングスは、従来のセクター分類では正当に評価されにくかった企業です。医療機器、飲料、食品といった見た目のラベルではなく、その中にあるグローバル競争力や成長資産に注目すべきだというのが、ブラックロックの視点として語られていました。
恐怖で売られた実物資産の逆張り
日本都市ファンドやスターアジアといったリートは、金利上昇懸念で売られすぎた実物資産の代表例として位置づけられていました。市場が短期的な恐怖に振れたときこそ、長期価値との乖離が広がり、投資機会が生まれるという逆張りの発想です。
今後の焦点は決算でブラックロックのシナリオが検証されること
動画の終盤では、今後の最大の注目点は各銘柄の決算だと強調されていました。ブラックロックが描いたシナリオが本当に正しいのかどうかは、結局のところ業績という客観的な数字でしか確認できないからです。
TISや野村総合研究所なら利益率改善が見えるかどうか。鹿島建設なら高付加価値案件の受注と収益性の向上が確認できるかどうか。朝日インテックなら海外売上成長や新展開が出てくるか。キリンホールディングスならヘルスサイエンス事業の貢献が数字に現れるか。リートなら分配金の維持や資産価値の底堅さが示されるか。
このように、今後の決算は単なる通過点ではなく、今回の買いが「先見の明」だったのか、それとも「早すぎた先回り」だったのかを見極める重要な材料になります。
ブラックロックが買ったから安心ではないという視点も重要
今回の動画で印象的だったのは、ブラックロックの行動を単純に礼賛するのではなく、反対シナリオもきちんと提示していた点です。
TISには弱気レーティングが存在し、朝日インテックには業績予想に対する慎重な見方があり、キリンには市場の中立評価が残っています。リートには金利上昇リスクがあり、建設株には人手不足や工期遅延リスクがあります。
つまり、世界最大級の運用会社が買っているという事実は確かに重いものの、それだけで「絶対に上がる」と結論づけてはいけないということです。大切なのは、誰が買ったかという情報をきっかけに、その企業がどのような追い風と逆風を持っているのかを自分の頭で整理することです。
まとめ
今回の動画では、2026年3月13日の急落局面で、ブラックロックがTIS、野村総合研究所、鹿島建設、朝日インテック、キリンホールディングス、日本都市ファンド投資法人、スターアジア不動産投資法人の7銘柄を大きく買い増していたことが紹介されました。
これらの銘柄は一見するとバラバラですが、その背景には、AI社会実装の進展、インフレ下での価格転嫁力、伝統業種の再評価、そして金利恐怖で売られすぎた実物資産への逆張りという明確な共通テーマがあります。ブラックロックは、単に暴落で安くなった株を拾ったのではなく、日本市場の中にある中長期の構造変化を見据えて行動している可能性が高いと考えられます。
一方で、動画が繰り返し強調していたように、プロの間でも見解は割れています。弱気レーティングや慎重な業績見通しが残る銘柄もあり、今後の日銀政策や為替、景気動向によっては、今回の買いが裏目に出る可能性も否定できません。
その意味で、今回の話から学べる最も重要なポイントは、「大量保有報告書という一次データは非常に価値が高いが、それをそのまま信じるのではなく、自分なりのシナリオを作り、決算などの客観的データで検証し続けることが大切だ」という点です。
暴落時に何が起きていたのか、どの銘柄にどんなテーマが潜んでいるのかを知ることで、相場を見る目線は確実に変わります。表面的な株価の上下だけでなく、その背後でどのような資金がどう動いているのかを読み解くことが、長期投資家として生き残るための大きな武器になるはずです。


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