※この記事は、YouTube動画「【再放送】【永遠にくる質問】このお金は一括投資すべきですか?ドルコスト平均法でつみたて投資の方が良いですか?」をもとに執筆しています。
結論:初心者は「積み立て投資しなはれ」
動画の冒頭でも明言されていたとおり、投資初心者に対しての回答は「積み立て投資」です。理由は単純で、「続けること」が最重要であり、その継続性を担保できるのがドルコスト平均法だからです。
ではなぜ、一括投資ではなく積み立て投資が推奨されるのか。その背景には、投資における人間の「感情」が深く関係しています。
そもそもよくある質問:一括投資とドルコスト平均法、どちらが得なの?
このテーマは、リベ大の動画でも「永遠にくる質問」としてたびたび取り上げられており、多くの人が何度も悩んでいるポイントです。
例として挙げられていたのは以下のようなケース:
- 年収400万円・30歳の会社員
- NISAで積立投資を開始し、既にS&P500と全世界株式にそれぞれ50%ずつ振り分け
- 貯金は300万円あり、そのうちの100万円を追加投資しようと考えている
このとき、一括投資で一気に入れるべきか、それともドルコスト平均法で分割すべきか?というのがまさに今回の議題です。
一括投資のメリット・デメリット
メリット
- 投資資金をすぐに市場にフル稼働させられる
- 複利効果を最大限に活かせる
- 長期で見れば右肩上がりの相場には有利
デメリット
- 投資直後に暴落した場合、精神的にダメージ大
- 相場が不安定だと最初の一歩が踏み出しづらい
積み立て投資(ドルコスト平均法)のメリット・デメリット
メリット
- 小額から始められるので初心者向け
- 暴落時の心理的ダメージが軽減
- 投資タイミングを分散できるため下落局面に強い
デメリット
- 機会損失がある(最初は少額しか投資できず、残りの資金が寝ている)
- 右肩上がりの相場では一括に劣る
- 投資総額に対するリターン効率は低下
投資タイミングは読めるのか?その答えは「NO」
動画の中で繰り返し強調されていたのが、「市場タイミングは読めない」という前提です。
これは効率的市場仮説という理論に基づいており、株価は既にすべての情報を織り込んだ「妥当な価格」であるため、将来の値動きは基本的にランダムで予測不可能という考え方です。
したがって、「下がってから買いたい」と思って積立にするのは、実質的に投資タイミングを読もうとしているのと同じであり、合理的とは言えません。
投資のプロたちの見解
4人の専門家の意見が紹介されました。
1. バンガード社
- 世界最大級の資産運用会社
- 「一括投資の方が合理的」
- 理由:長期的に見れば早く投資した方がリターンが高くなりやすい
2. 山崎元(経済評論家)
- 「ドルコスト平均法は気休めにすぎない」
- 積み立て投資は単にリスクにさらされる期間を遅らせているだけ
- 投資の実効リスクやリターン効率が上がるわけではない
3. バートン・マルキール
- 『ウォール街のランダム・ウォーカー』著者
- 「ドルコスト平均法は保険のようなもの」
- 長期的なリターン向上ではなく、心理的ダメージの軽減が主目的
4. JLコリンズ
- 『父が娘に伝える自由に生きるための30の投資の教え』著者
- 「積み立て投資は市場タイミングを気にしているのと同じ」
- 基本的には一括投資が合理的
結局なぜ「積み立て投資しなはれ」なのか?
最後に、動画の結論として示されたのは次のような理由からです。
- 投資を始めた直後に暴落が来ると、初心者は挫折しやすい
- 手元に一括投資できる資金がそもそもない人が多い
- 投資を習慣化しやすい
つまり、積み立て投資はリターン最適化のためではなく、感情的・継続的に投資に向き合いやすいから選ばれているのです。
まとめ:初心者は悩まず「積み立て投資」から始めよう
- 統計的には一括投資の方がリターンは高くなりやすい
- ただし精神的に耐えられずに辞めてしまっては意味がない
- 継続するためには無理なく始められて心理的に安定する「積み立て投資」が最適解
「市場は読めない」「株価は予測できない」だからこそ、投資を続ける力=メンタルと習慣が最も大切なのです。
補足:ドルコスト平均法が有効な人とは?
- 初めて投資をする人
- 相場の上げ下げに一喜一憂してしまう人
- 感情的にブレやすいと感じる人
こういった方には、やはり積み立て投資が安心で最適な方法と言えるでしょう。
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