この記事は、YouTube動画「株で屋長の富を築くバフェットの法則」を基に作成しています。

結論:バフェットの真髄が詰まった1冊。Apple投資の裏にある深い哲学も徹底分析!
ロバート・G・ハグストローム著『バフェットの法則』は、ウォーレン・バフェットの12の投資原則を軸に、長期的な資産形成に必要な思考法・銘柄選定の基準を豊富な事例と共に紹介するベストセラーです。
改訂版ではApple投資のケーススタディが新たに加わり、内容も大幅刷新。単なる教訓本ではなく、現代の投資にも活きる「本質」が学べる1冊に仕上がっています。
改訂版は内容が一新!5つの事例と12の投資原則をリンク
旧版(黄色い表紙)を読んだ人にも新しい発見がある本書。改訂版では以下の点が刷新されました:
- ケーススタディが 9件→5件 に厳選
- Appleの最新事例が追加
- 行動ファイナンス的な話題は削除され、純粋にバフェット的な思考へ集中
- 図表や構成がより視覚的に理解しやすく再編集
事例分析:Appleへの集中投資はなぜ成功したのか?
投資開始は2016年、今ではバークシャーの20%以上を占める主力銘柄
バフェットは長年「ハイテク株は得意分野ではない」と公言していました。
しかし2016年にApple株6100万株を購入し、その後も保有比率を拡大。現在ではバークシャーのポートフォリオの20%以上を占めるまでになっています。
原則11「適正価値で買う」:DCFモデルと無形資産の洞察
バフェットは株式の本質的価値を将来のキャッシュフローの割引現在価値(DCF)で評価しているとされますが、Appleではさらに重要な2つのポイントがあったと本書は分析します。
経済的要因 | 内容 |
---|---|
無形資産投資の影響 | ブランド力・顧客ロイヤルティなど。Appleは「ノキアではなくルイ・ヴィトン」だと例えられる。 |
投下資本利益率(ROIC)の高さ | サービス部門やブランド資産によって異常な高収益性を維持。 |
Appleは会計上費用計上される約300億ドルの無形資産を保有しており、これを資産計上していればPER(株価収益率)は31倍から23倍に下がるという指摘も。
ROE異次元:Appleの自己資本利益率は最大164%
投資原則7「EPSよりROEを重視」に基づき、Appleはバフェットにとって理想的な企業でした。ROEの推移を見ても、その高さは異常。
- 投資開始時(2016年):ROE 36%
- 現在(直近):ROE 164%
これは高収益なサービス事業の成長や、**自社株買い(11年間で40%削減)**の効果も反映しています。
フォーカス投資:アクティブでもインデックスでもない“第3の投資法”
本書で紹介される「フォーカス投資」は、以下の特徴を持つバフェット独自の戦略です:
- 少数銘柄に集中投資
- 長期保有で回転率が低い
- 経営者の資本配分を重視
- 安定した収益モデルを評価
代表的な集中投資例:
年 | 銘柄 | 投資比率 |
---|---|---|
1963年 | アメックス | 25% |
1974年 | ワシントン・ポスト | 20%以上 |
1989年 | コカ・コーラ | 30%以上 |
2018年 | Apple | 20%以上 |
アクティブ運用に勝てる要素:アクティブシェアと低回転率
学術研究もバフェットの手法を裏付けます:
- アクティブシェアが高い(=インデックスと異なる)
- 回転率が低い(=取引コストが低い&未実現キャピタルゲインの活用)
特に、「忍耐ある運用=回転率50%以下」が好成績に繋がるという研究が複数紹介されています。
MPT理論への批判:株価変動を“リスク”と見ることの誤り
バフェットの投資哲学は、現代ポートフォリオ理論(MPT)とは真逆にあります。
- MPT:「リスク=ボラティリティ」
- バフェット:「リスク=本質的価値を見誤ること」
MPTが価格のポートフォリオを構成するのに対し、バフェットはビジネスのポートフォリオを重視します。
投資初心者への助言:インデックスは“最適な消極策”
バフェット自身は「妻にはS&P500インデックスファンドを勧める」と語っています。つまり「時間と知識がない一般人」にとってはインデックス投資が無難という立場です。
ただし、プロ投資家や機関投資家がインデックスに近いポートフォリオを組むのは間違っているとも明言しています。
まとめ:バフェット流を学ぶ最良の一冊
『バフェットの法則』は、単なるバフェットの紹介本ではなく、彼の投資哲学を深く掘り下げ、現代の実例(Appleなど)を通じて理解を深めることができる名著です。
- 投資初心者〜中級者が「バフェット流」の考え方を体系的に学べる
- ケーススタディで12原則の使い方が明確に理解できる
- 無形資産・ROEなど数値とともに実践的な視点が得られる
本気で資産形成を目指す人にとって、「何を買うか」以上に「どう考えるか」が重要であることを、この本は教えてくれます。
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