中国人の債務危機が深刻化:破産制度が機能しない国家で何が起きているのか?

※この記事はYouTube動画「中国人の債務がトンデモないことになっている!債務不履行がバク増の中国で『破産で逃げる』は不可能」を基に構成しています。


目次

結論:中国では個人破産が事実上“封印”されており、債務者は逃げ場を失っている

現在、中国では家計債務がGDP比60%を超え、少なくとも2,500万〜3,400万人が債務不履行(デフォルト)状態にあると推定されています。しかし、最大の問題は「破産」という再出発の手段が個人にはほとんど存在しないということです。借金から逃れられない構造が、労働意欲の低下や消費の縮小を招き、経済全体の重しになっています。


破産制度の意義とは?歴史と仕組みを簡単に解説

破産制度の本来の目的

破産とは単なる「借金逃れ」ではありません。制度の目的は以下のとおりです。

  • 債務者の生活再建を支援する(働く意欲を取り戻す)
  • 債権者同士の公平性を担保する(早い者勝ちを防ぐ)
  • 経済活動を円滑化する(不良債権の整理)

近代的な破産制度は19世紀初頭のフランスで誕生し、当初は商人のみが対象でした。個人破産が普及するのは、さらに後の時代になります。


中国の破産制度はどうなっているのか?

企業破産は存在するが…

中国でも2007年から企業向けの破産制度が導入されています。ただし実態は以下のように歪められています。

  • 制度は存在するが、運用には政治的介入が強い
  • 国有企業の破産は共産党の利権が絡むため、申し立てが無視されることも
  • 政府の都合で破産手続きを凍結・回避するケースが頻発

例:不動産大手「恒大グループ」も明らかに経営破綻しているのに、正式な破産宣告は出ていません。


個人破産は基本的に不可能

中国では基本的に個人破産制度は未整備です。唯一の例外として、2021年に深圳(しんせん)で試験的に導入されましたが、これはまだ全国展開されていません。

  • 個人が債務整理できない
  • 債務が帳消しにならない
  • 再出発が事実上不可能

個人債務の現状と社会的リスク

家計債務の爆増

  • 中国の家計債務はGDPの約60%
  • 債務の主な内訳は住宅ローン
  • 問題は返済不能者が激増している点

デフォルト者数:5年間で2倍増加

デフォルト人数(推定)
約5年前約1,200万人
現在(2025年)約2,500万~3,400万人

これは明らかに異常な増加です。


債務不履行者が陥る“罰ゲーム”

中国では、借金返済が滞るとブラックリストに登録され、以下のような生活制限が課されます。

  • 高速鉄道や飛行機に乗れない
  • 4つ星以上のホテルに宿泊できない
  • 子どもの進学や就職に影響
  • クレジット利用不可、銀行口座凍結もあり得る

結果として、生活・経済活動が制限され、家族全体が負のスパイラルに巻き込まれます。


破産できないから闇金に走る現実

再建の道がないため、多くの人が闇金(高利貸し)に手を出す悪循環も指摘されています。

例:
住宅ローンが払えない

家を手放したくない

闇金で借金してローン支払いを延命

金利が高すぎてさらに首が回らなくなる

破産できないから永遠に追われる


経済全体への悪影響

個人破産制度がないことによるマクロ的な問題も深刻です。

  • 労働意欲の低下:稼いでも全部持っていかれる
  • 消費の縮小:自由に使えるお金がなくなる
  • 闇金やアングラ経済の拡大
  • 地域経済の停滞

このままでは、中国国内の消費主導型経済は機能せず、内需が死んでしまいます。


まとめ:破産制度の欠如は中国経済の“時限爆弾”

  • 中国では個人破産制度がほぼ存在しない
  • 2,500万~3,400万人が債務不履行状態
  • 法律は存在するが、政治的な思惑で実行されないケースが多い
  • 個人の再出発ができず、家族ごと経済的に沈んでいく
  • このままでは、消費の縮小とアングラ経済の蔓延で内需がさらに冷え込む可能性大

中国政府が個人破産制度の全国導入を本気で検討しなければ、この債務問題は社会不安経済崩壊につながるリスクを孕んでいます。

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