(元動画「分割した人気株 下落とまらない」を基に記事を書いています)
目次
結論
株式分割や業績好調でも、必ずしも株価が右肩上がりになるとは限りません。
むしろ「期待が先行しすぎていた人気銘柄」ほど、業績の伸びが少し鈍化しただけで急落するケースがあります。
今回の動画では、無印良品、東京エレクトロン、ソフトバンクG、三菱重工、トヨタ紡織、ゾゾなど有名株の下落要因が紹介されており、逆に上昇している商社株やゴールドの動きと比較することで、資金の流れが「ハイテクからバリュー・高配当株」へ移っていることが浮き彫りになっています。
下落銘柄の詳細
無印良品(良品計画)
- 直近も3.15%の下落。
- 売買代金はピーク時の半分程度に減少。
- 高値から20%以上下落。
- 8月売上高は前年比+6.1%で19か月連続増収だが、7月の+11.3%から鈍化したことが嫌気された。
- 信用倍率2.42倍。分割の影響もあり信用買いは増えているが、極端な需給悪化ではない。
- 「3000円割れなら買いたい」という声も多い。
東京エレクトロン
- 株価はついに2万円割れ。
- PBR20倍、配当利回り2.43%。
- 7月末に通期見通しを下方修正。売上高▲3.4%、純利益▲18%予想。
- 半導体セクターは中国リスクやトランプ関税で不透明感。
- 新NISA枠で買っていた投資家も多く、需給面の重さが出ている。
ソフトバンクグループ
- 当日▲5.27%と大幅安。
- 米国AI株(特にNVIDIAなど)の調整が波及。
- ここまで日経平均を押し上げてきた反動もあり、利確売りが進んだ。
三菱重工
- ▲5.34%の下落。
- 大きな悪材料はないが、これまでの「上昇トレンドが一服」した形。
- 押し目買いを狙う投資家も多い。
トヨタ紡織
- ▲6.99%の下落で700円割れ目前。
- 材料は特になく、需給要因が中心。
ZOZO
- 年初来安値を更新。▲1.1%。
- PER25倍、配当利回り2.89%。
- 9月末の配当銘柄であり、業績も過去最高を更新中。
- 自己資本比率52%、有利子負債比率0.23、ROE28%と財務は極めて健全。
- チャートは連続陰線が目立ち、大口投資家が計画的に売っている可能性。
上昇銘柄と強いセクター
- 伊藤忠商事:上場来高値を更新。
- 丸紅:やや調整も依然として強い。
- ゴールド:日足・週足・月足いずれも強気ブレイク。
→ 商社株や金といった「バリュー資産」への資金シフトが鮮明。
市場全体の動き
- 9月配当取りに向けて「高配当株」が買われやすい地合い。
- AI・ハイテク株は米国市場の調整を受けて軟調。
- Googleは独占禁止関連で好材料があり5%上昇。
- NVIDIAやPalantirは決算後に売られている。
投資家への示唆
- 人気株=安全ではない
分割や好業績でも期待が先行すると「鈍化」で売られる。 - セクターローテーションを意識
今はグロース(AI・ハイテク)からバリュー・高配当株へ資金が流れている。 - 財務健全株はチャンス
ZOZOのように業績・財務は好調でも需給で売られる銘柄は、長期的には拾い場になる可能性がある。 - イベントカレンダーを確認
直近の注目はFOMCと日銀会合。金利上昇なら銀行株に追い風。
まとめ
今回取り上げられた下落銘柄はいずれも人気が高く、株式分割や成長期待で買われてきた企業です。しかし「業績鈍化」や「需給悪化」で株価は下落に転じました。一方で、商社株やゴールドといったバリュー・高配当資産は上昇を続けています。
投資家にとっては「人気に流されすぎないこと」「資金の流れを読むこと」「財務健全な成長株を安く拾うこと」が重要だといえます。
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