今後後の円相場とトランプ関税の影響とは【2024年7月22日 みんなのFXラジオ】

この記事は、2025年7月22日にYouTubeで公開された「みんなのFXラジオ|ゲスト:第一生命経済研究所 西濱徹さん」の内容をもとに作成しています。

目次

結論:円安リスクは継続、新興国通貨に資金流入中

今回の放送では、国内政局の不透明感やトランプ氏の関税発言、そして新興国通貨の強さが焦点となりました。結論としては、短期的にはリスクオンムードによって円売りが進む一方で、中長期的には政治リスクや関税政策の不確実性により、再び円高に転じる可能性もあり、非常に不安定な局面だと西濱氏は分析しています。


選挙結果と為替への影響:石政権の弱体化が円安材料に?

自民党が議席を減らした今回の選挙では、「思ったほど負けなかった」との評価もありますが、政権基盤の不安定さが際立っているとの声もあります。

  • 石首相が続投を表明したことで短期的には安定感が出たものの、海外投資家からは「日本売り」の視線も。
  • 国民民主党や参政党が掲げる財政拡大路線への期待が高まる一方で、「財源はどうするのか?」という不安も増幅。
  • この状況がイギリスの「トラスショック(財源なき減税)」を想起させ、「円安・株安・長期金利上昇」という最悪のシナリオに警戒感が強まりました。

トランプ関税と為替市場:関税25%がもたらす二面性

2024年8月1日から、トランプ氏による関税引き上げ(最大25%)の適用が予定されています。これについて市場の見方は二分されています。

関税適用の影響内容
円高材料貿易摩擦リスクが高まり、リスクオフで円買いが進む(短期的なアルゴ反応)
円安材料日本経済に対する不安感が高まり「日本売り」が進む、輸出減で成長鈍化

西濱氏は「円安のほうが優勢になる可能性が高い」と指摘。教科書的な「円=安全資産」の時代は終わりつつあるというのが現実のようです。


新興国通貨が強い理由:リスクオンと実質金利の高さ

ここ数週間で特に注目を集めているのが、新興国通貨の上昇です。以下がその背景です。

代表的な通貨の動き

通貨状況
メキシコペソ年初来高値更新、実質金利約6%、キャリートレード先として人気
南アフリカランド貿易悪化にも関わらず上昇傾向、タコトレード(トランプ氏は最終的に妥協する)との見方でリスクオン
人民元ドルに対して抑制されているが、他通貨バスケットで見ると実質元安が進行中(中国の輸出に有利)

また、MSCI新興国通貨指数が過去最高値を更新しており、市場は明らかに「新興国シフト」しています。


インドやベトナムへの影響:回避先としての限界

中国への制裁を回避するための「第3国ルート」として注目されていたインドやベトナムにも米国の関税圧力がかかり始めています。

  • ベトナム:通常関税は20%、中国からの迂回輸入に対しては40%課税
  • インドネシア:関税率は未定だが、ベトナムと同等水準と見られる
  • インド:WTOにアメリカを提訴するなど強硬姿勢。市場としては期待大だが製造業のシェアは下がっている

インドの「Make in India」政策も進展は限定的で、補助金の出し方や製品品質の課題が残っています。


ドル円のチャート分析:149円ラインが壁

トレーダーズ証券・井口氏によるドル円分析では、以下の点が注目されました。

  • 上昇トレンドラインは既にブレイク
  • 149円台前半に強いレジスタンス(4回跳ね返されている)
  • 149.50~150円台が次のターゲット:ここには日足200日移動平均線もあり、意識されやすい

一方で、日本の政治不安や来週に控えるFOMC・日銀会合などのビッグイベントを前に「様子見姿勢」も強いとの見方が強調されました。


IMM通貨先物ポジション:円ロング勢は後退

  • 投機筋(IMM)の円ロングポジションは着実に減少
  • 政治リスクや日銀の利上げ見送り観測もあり、高コストな円ロングが敬遠され始めている

結果として、円安方向に動く「下地」は依然として残っていると指摘されました。


ユーロとECB:口先介入に注目

今週はECB理事会が開催されますが、据え置きの見通し。ただし、ユーロが対ドル・対円で強くなりすぎているため、関係者による牽制発言(=口先介入)が活発化しています。

  • ユーロドル:1.18付近で当局のけん制が入りやすい
  • ユーロの立ち位置は「ドル売りの受け皿」
  • 当面の戦略:口先介入で下げたところを買うのが有効

まとめ:為替市場は「静かな円売りトレンド」か、秋にかけて不確実性増す

今後のポイントを整理すると以下の通りです。

要因為替影響コメント
石政権の不安定さ円安材料海外から「日本売り」警戒強まる
トランプ関税円安材料(中長期)一部では円高反応も見られるが継続しにくい
新興国通貨の強さリスクオン実質金利が高くキャリートレードの対象に
FOMC・日銀重要イベント方向感を見極めるには来週以降が鍵
IMM通貨先物円安傾向円ロングは後退、仕掛け材料減少中

今は一見穏やかなリスクオン相場でも、秋以降の関税発動や政局の混迷で急変動の可能性は十分あり得ると西濱氏は注意を促していました。


次回の放送もマーケットの変化を敏感に捉え、投資戦略のヒントになる情報が期待されます。今のうちに、地政学リスク・関税政策・中央銀行の動向をしっかり把握しておきましょう。

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