※この記事は、YouTube動画「利下げでも下落相場入り 景気の冷え込みは一気に来る」を基に作成しています。
結論:利下げが始まっても油断は禁物。景気後退で相場は一気に崩れる可能性がある
多くの投資家が「利下げ=株価上昇」と考えがちですが、実際には利下げのスピードや背景によっては、株価は逆に大きく下落することがあります。
特に今回のように、雇用統計の悪化→早期利下げ→市場の過剰反応→後の失望売りというシナリオが懸念されています。
なぜ「利下げ」なのに株価が下がるのか?
通常の金融相場:利下げが追い風になるケース
- 株価 = EPS(1株利益)× PER(株価収益率)
- 利下げ → 金利低下 → PER拡大 → 株価上昇
つまり、金利が下がると将来の利益が現在の価値として高く評価され、株価は上昇しやすくなります。
今回の特殊性:利下げペースと景気の実態に注意
しかし、今回は以下のような点で通常とは異なります。
状況 | 解説 |
---|---|
利下げが急ペース(0.5%〜0.75%) | 景気の悪化が急速に進行しているサイン。FRBが後手に回っている証拠。 |
市場が楽観視している(利下げで上昇期待) | 実態が伴わないまま株を買うと、のちに「失望売り」で大きな損失を抱える可能性がある。 |
現在の米国株は「トラップ相場」に要注意
動画内で解説されていたのが「ブルトラップ」という罠。
これは、一時的に株価が反発して投資家が「上昇トレンド入り」と勘違いして買いに走ったところで、その後急落して損失を被る現象です。
実際、S&P500は一時的に上昇したものの、その後再び弱い動きを見せており、9月から本格的な下落が始まり、10月に底打ちする可能性が指摘されています。
景気の冷え込みは「一気に来る」
拡大はじわじわ、縮小はドスン
歴史的に、景気はじっくりと拡大しながらも、縮小期には急激に落ち込むという特徴があります。今回も同様で、失業率や雇用統計がトレンドで悪化し始めており、すでに縮小フェーズに入っていると見られています。
特に注目されたのが2025年5月・6月の雇用統計が大幅に下方修正されたこと。
- これは「労働市場が実はもっと悪かった」ことの証拠。
- 今後も過去の統計の下方修正が相次ぐ可能性あり。
ドル安 → 株安の「ダブルパンチ」が来る
現在、利下げによって日米金利差が縮小し、ドル安円高が進行しています。
- ドル円が139円を下回ると、一段の円高進行の可能性。
- ドル資産を持つ日本人は、資産価値が目減りするリスクがある。
- その後、株価も下落すれば、ダブルで資産を削られることに。
個人投資家がとるべき対策
- 株を売って現金比率を上げる
- 資産の一部を円建てに戻す
- 金(ゴールド)や金鉱株など「逆相関資産」へ分散投資
長期投資家へのアドバイス:「今」は買い場ではない
動画では次のような見解が示されています。
- 米国株は今後10年間は停滞する可能性がある
- 理由は「前回の景気拡大でブームになった市場は、次の拡大局面で停滞する」傾向があるため
- そのため、米国株の買い場は「次の景気後退の後」
若くしてFIREしたいなら「他人と違うこと」を
- S&P500やオルカンの積立投資 → 老後資産には最適
- 早く資産を築きたいなら、人が注目していない新興国株や欧州株、金などに目を向けるべき
今後の相場展開予想(バフェット太郎氏のシナリオ)
時期 | 相場の動き |
---|---|
8月 | 夏枯れ相場、低調 |
9月 | 本格的な下落が始まる |
10月 | 底打ちの可能性あり |
年末 | 一時的な反発 |
2025年(中間選挙の年) | 1年を通して弱い相場が続く |
過去のデータからも、中間選挙の年(1950〜2024年)は**年平均上昇率が4.6%**と最もパフォーマンスが悪い傾向があります。
景気後退の証拠は「雇用統計の下方修正」にある
労働市場の弱さは、実は数ヶ月遅れで数値に反映されることが多く、5月・6月の統計が大幅に下方修正されたことは重大なシグナルです。
今後も「発表された雇用者数が後から下方修正される」パターンが続くと、景気後退が加速している証拠と見ることができます。
まとめ:今は守りを固める時期。次の攻め時に備えよ
今後の行動指針まとめ
- 米国株はしばらく低迷が続くと予想される
- 利下げは「景気悪化のシグナル」として機能する可能性あり
- ドル安・株安のダブルパンチに備え、現金比率を高めるべき
- 金や新興国株、欧州株への国際分散投資を検討
- S&P500やオルカンは「老後の資産形成」には有効だが、「短期の資産形成」には向かない
コメント