学長がお届け!「お金の講義

【株式投資の基本】学長がお届け!「お金の講義」【増やす力 強化編 Vol.2】の内容を、初心者にも分かりやすく整理・深掘りしました。

目次

結論(先に要点だけ)

  1. 株式は「誰でも買える特権」。長期で企業の利益に乗るのが最強の基本戦略。
  2. 不労所得の鍵は「手間のかからない仕組み」を選ぶこと。手間が多い投資は苦労所得になりやすい。
  3. 貯蓄型保険を解約したら、欠けた保障は掛け捨てで補い、残りは有料インデックスを一括購入が合理的。
  4. 新NISAの特定口座からの乗り換えは基本OK。ただし「含み益が大きい」「入金力が高い」は損しやすいケース。
  5. 積立頻度は毎日でも毎月でも長期なら差はほぼゼロ。悩むより投資額を増やす努力が効く。
  6. 高配当株の「毎月低額積立」は非推奨。個別高配当は安い時に狙うアクティブ投資。やるなら米国高配当ETFで代替案。
  7. 高配当ポートフォリオ運用はルール化が命。セクター偏重や無計画なナンピンは厳禁。

――ここから、具体例と数字で丁寧に解説します。

株式の原点と日本史ミニ講義

平安期の「式」は役所の名で、のちに家の持ち分=継承可能な特権へ。

切ってもまた芽吹く木の「株」になぞらえ、家の特権が親から子へ続くイメージが「株式」の語感につながった歴史がある。現代の株式は、創業家でなくても誰もが企業の営業権・特許・機密・設備・技術に間接保有で参加できる「市民が買える特権」。これが長期投資の根っこ。

不労所得の幻想を解体

不労か苦労かは「投資スタイル次第」。特に短期トレードは労働寄り。

投資スタイル別の手間と難易度(目安)

スタイル売買頻度手間/難易度向き
デイトレ非常に多い最大級の難度。長時間張り付き上級者
スイング多い中~高中上級
バイ&ホールド(個別)少~中中(調査必須)中級
インデックス長期最少低。仕組み化しやすい初心者~全員
不動産(庶民型)現場対応で実働多め事業志向者

世界の厳しい統計例
・トレーダーの40%は1か月で脱落
・3年後に残るのは13%
・5年成功継続は1%
・利益を上げるのは約3%、最低賃金超えは1.1%
ラクを求めるなら、まずはインデックス長期の「仕組み化」を。

貯蓄型保険を解約したらどう使うか

貯蓄型保険=「薄い保険」+「高コスト投信」の抱き合わせ。解約で失うのもこの2点なので、より良い形で埋め戻す。

具体策(結論)

  1. 保障は掛け捨てで補う
  2. 残額は有料インデックスファンドを一括購入(リスク許容に応じ分割可)

数字の比較例
・40歳男性・死亡保障1000万円
 貯蓄型:月2万8000円前後
 掛け捨て:月3000円前後
→ 同じ保障で月約2万5000円のキャッシュフロー改善。解約返戻金で数年分の保険料を先取り確保も可。

期待リターンの差
・貯蓄型の実質利回り:年0.5~1%程度
・株式インデックス:年5~7%程度(長期期待値)
長期で見ると資産成長力に大差。投資が怖いなら3~5年の分割積立も選択肢。

新NISA:特定口座からの「乗り換え」判断フレーム

新NISAは非課税枠合計1800万円、年間投資上限360万円。特定→新NISAの乗り換えは「基本OK」だがケースバイケース。

まず自問
今後数年~数十年で新規入金だけで非課税枠を埋め切れるか?

A. いいえ(入金で埋め切れない)
→ 乗り換え前提でOK。含み益に課税が出ても将来の非課税メリットが勝ちやすい。含み損があれば損益通算も活用。

B. はい(入金力が高い)
→ 基本は乗り換えOKだが、次の「損しやすい条件」に当てはまると注意。

損しやすい条件まとめ

  1. 今後の年率リターンが低い前提
  2. 売却銘柄の含み益が大きい
  3. 新規入金が多く、枠を短期で埋められる(5年以内など)
  4. 乗り換え対象が税効率の悪い売却になりやすい構成
    当てはまりが強いほど「乗り換えない」選択の合理性が増す。迷ったら「含み益がデカい銘柄は残し、新規入金で順次枠を埋める」も無難。

積立は毎日?毎週?毎月?結論は「どれでも同じ」

長期前提なら毎日500円×15年と毎月1万円×15年の最終成績差は0.1~0.2%台の誤差レベル。
重要なのは頻度ではなく「総投資額」と「継続」。悩む時間は稼ぐ力・貯める力の強化へ回す。

年初一括 vs 毎月積立(おまけ)
過去データでは右肩上がりの期間が長いほど年初一括が有利になりやすい(8~9割で勝ち)。ただし下落年は痛みも大。リスク許容度次第で。

高配当株の「毎月低額積立」はなぜ非推奨か

個別高配当はアクティブ投資。要件は次の2つ。
・投資対象:将来も配当維持・増配できる有料企業のみ
・投資タイミング:割安時だけ買う

定額積立だと、割安でない時も自動で買ってしまい前提が崩れる。さらに個別株は「無限ナンピン地獄」のリスクも。指数は倒産しないが、個別は最悪ゼロにもなりうる。

代替案
・米国高配当ETF(VYM/HDV等)なら分散と銘柄入替の仕組みがある分、致命傷は避けやすい。分配利回りが過去平均より明確に低い局面は積立停止など軽い調整で。

高配当ポートフォリオの育て方(実務ルール)

月次ルーチンの一例

  1. 月1回、候補銘柄を探索(決算、指標、ニュース)
  2. セクター偏重を避ける(最大でも各セクター20%目安)
  3. 単一銘柄からの配当は全体の3%を超えない
  4. ディフェンシブ比率は50%未満にしない(食料・医薬・電気・ガス・通信・陸運など)
  5. ナンピンは当初買値から20%下落で1回目、40%で2回目まで。細切れナンピンはしない

ルール一覧(保存版)

項目目安/やり方
候補探索月1回。雑誌・決算・スクリーニングで新陳代謝
セクター配分1セクター最大20%
配当源の集中1銘柄の配当が全体の3%超は避ける
ディフェンシブ比率最低50%を維持
買い増し(ナンピン)−20%で1回目、−40%で2回目まで
現金比率暴落時の弾を確保(目安数か月分)

具体シミュレーションでイメージ

ケースA:貯蓄型保険の解約金300万円
・掛け捨てで1000万円の保障を再構築(年3.6万円=月3000円想定。10年分でも36万円)
・残り約264万円をインデックスに一括投入
 年6%想定で10年→約473万円、20年→約846万円
 年1%のまま運用なら10年→約292万円、20年→約322万円
差は歴然。保障+資産成長の両取りが可能。

ケースB:新NISAの枠をどう埋める?
・年120万円の入金力なら、1800万円満額に約15年。
・特定口座に大きな含み益があるなら、急がず新規入金で枠を埋める道も合理的。
・含み損銘柄は損益通算を活用しつつ整理→NISAで再構築。

よくある質問Q&A

Q. 積立頻度は本当に何でもいい?
A. 長期前提なら差はごく僅か。頻度よりも「総額」「継続」「手数料の低さ」を優先。

Q. 解約返戻金は分割より一括が良い?
A. リスク許容度の範囲なら一括が合理的。怖ければ3~5年の時間分散でOK。

Q. 高配当とインデックス、どっちが正解?
A. 正解は家計と性格次第。手間を減らして着実に増やすならインデックス。育てる楽しさと現金収入を重視するなら高配当。ただし高配当は「選定」と「タイミング」の努力が必須。

まとめ(今日からできる行動指針)

  1. 生活防衛資金を確保したら、つみたてインデックスを自動化。
  2. 貯蓄型保険は、保障は掛け捨てで再設計、残りは低コストインデックスへ。
  3. 新NISAは「入金力」と「含み益の大きさ」で乗り換え可否を判定。損益通算も視野に。
  4. 高配当はルールを作って守る。割安時のみ、偏重・無限ナンピンは避ける。
  5. 積立頻度で悩まない。稼ぐ力・貯める力に時間を投資する。

株式は、現代に残る「誰でも買える特権」。焦らず、仕組み化し、ルールで守る。これだけで資産づくりのスピードは確実に上がります。今日がいちばん若い日。できるところから始めましょう。

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