富裕層の資産運用ロードマップとNG金融商品7選を解説

MONEY MONEYの動画「富裕層が実践する資産運用/手を出してはいけない7つの金融商品/FP1級サバンナ八木の投資失敗談/目指すべき資産運用:現役期・リタイア期・高齢期/富裕層が移住する一番人気の国」を基に、初心者でも分かるように要点を整理し、具体例と数字たっぷりでまとめます。

目次

結論(先に全体像)

資産運用はライフステージで戦い方が変わる。

現役期は成長資産で増やし、リタイア期は債券などで値動きを抑え、高齢期は現金余力を厚くする。

商品選びは「理解できないものは買わない」が鉄則で、特にファンドラップやテーマ型、複雑系の投信、レバレッジ指数、毎月分配、新興国通貨債、株価連動の仕組債は要注意。

移住先の人気は現在はタイが一強で、一定条件を満たすと海外で得た所得が非課税扱いになる制度がある。


ライフステージ別:目指すべき資産配分の考え方

動画では、富裕層の運用は「なるまで」と「なってから」で変わると指摘。特に次の三段階が重要です。

現役期(資産形成期)

  • 狙い:リスクを取って資産の基礎体力をつける
  • 手段例:株式・成長資産の比率を高める
  • 目安例:35歳〜50歳は株式比率が高めでも良いというイメージ(番組の文脈上の例示)。
  • 数字感:1000万円で10%のリターンは100万円だが、1億円で10%なら1000万円。元本を増やすほど同じ利回りでも「絶対額」の効果が跳ね上がる。

リタイア前後(安定化期)

  • 狙い:値動きを抑え、取り崩しに耐えられる安定収益にシフト
  • 手段例:債券やディフェンシブ資産の比率を引き上げる
  • 金利感:現在の金利水準なら債券で年3〜4%程度を目安にする場面があるという趣旨。税負担も比較的軽くなるケースが多い。

高齢期(80歳前後)

  • 狙い:現金余力を厚くして生活安定と相続の実務負担を軽くする
  • 実務論:相続の現場では「現金で分けたい」という遺族の希望が多く、不動産や自社株は分割・換金で揉めやすい。節税の王道は不動産だが、トラブルが多い点は要留意。

富裕層が重視する5つの原則

  1. 資産配分(アセットアロケーション)
    現金・株式・債券・不動産・金などの比率を自分の目的とリスク許容度で決める。
  2. ぶれない運用スタンスとリスク管理
    減らさない設計を最優先に。欲しいリターン内に投資金額とリスクを収める。
  3. 戦略を先に決める(商品は後)
    インデックスかアクティブかは全体戦略を見て決める。人に流されない。
  4. 情報の「量」より「質」
    なぜその値動きなのか、なぜ注目されているのかを深掘りする姿勢。
  5. 得意分野に集中
    自分の勝ち筋で長期的に継続。気まぐれな「ちょっとだけ」は損の温床。

手を出してはいけない金融商品7選(理由と数字で理解)

区分商品・仕組み何が問題かよくある誤解
1ファンドラップ中身は投信の詰め合わせ。仕組みは悪くないが総コストが高くなりがち任せれば最適化されるから得、とは限らない
2テーマ型投信流行追随で高値づかみしやすい。中身理解が浅いとブレやすいテーマ名=勝てる、ではない。上位銘柄やコストを要確認
3複雑系投信(◯◯確保型、リスクコントロール等)仕組みが難解。プロでも把握が大変なケース名前が安心感を演出しているだけのことも
4レバレッジ指数・ダブルインバースの長期保有ボックス相場で戻りきらない構造。先物コストも効く指数が戻れば基準価額も戻る、は誤り
5毎月分配型投信分配金は元本取り崩しの場合がある。生活費化すると危険分配=利益ではない。特別分配は非課税でも元本減少
6新興国通貨建て債券(例:トルコリラ)高金利でも通貨安で総合負け。カントリーリスク大金利が高いから通貨下落に勝てる、は幻想
7EB債等の株価連動仕組債ノックインで一気に株式と同等の損失に。複雑で把握困難安定運用のつもりが半値近いドローダウンもあり得る
  • レバ・インバースの罠:指数が1万→8000(−20%)→再び1万(+25%)と往復しても、ダブルインバースは構造的に元に戻らない。長期保有非推奨。
  • 毎月分配の錯覚:年20%分配に慣れると、元本取り崩しに気づいても生活水準を下げられず続投してしまい、資産が痩せる。
  • 新興国通貨債:かつて20円水準を見ていた通貨が長年で数円台まで下落する例も。高金利でも通貨下落と物価・制度リスクに負けやすい。
  • 仕組債:例えば始値100の参照株が60を割り込むノックインで、見かけの債券が実質的に株式購入と同じリスクに変身。想定外の損失が顕在化しやすい。

営業トークの見抜き方チェックリスト

次の三点を曖昧にする提案は要注意。

  1. リスク説明が薄い
    どんな局面で、どれだけ損するのか。最悪シナリオは何か。数値で説明があるか。
  2. コストの絶対額が出ない
    率だけでなく、1000万円で1.5%=年15万円、5000万円なら年75万円、と絶対額で確認。
  3. 過去実績の過度な強調
    相場環境依存の成績を普遍化していないか。複雑系・保険系での実績提示は特に慎重に。

具体例でイメージ:資産規模・支出に合わせた運用の違い

支出が同じ「10%リターン」でも、元本規模で絶対額が激変します。

・1億円 × 10% = 年1000万円
・10億円 × 10% = 年1億円

支出水準の例
・年間2000万円使う富裕層もいれば、年間200万円で足りる人もいる。
・月150万円のつもりが、実際は月250万円使っていたという「計画と実態のズレ」もよくある。
よって、同じ富裕層でも収入の有無(役員報酬など)、支出のクセ、為替へのストレス耐性で最適解は変わる。


相続を見据えた現金比率と不動産の扱い

  • 不動産は評価圧縮や特例で節税効果が期待できる一方、分割や換金で揉めやすい代表格。
  • 自社株も同様に分けにくく、後継者の資金調達問題が生じやすい。
  • 配偶者や子の「分かりやすさ」の観点から、最終的に現金重視へ回帰するケースが多い。

富裕層が選ぶ移住先:今はタイが一番人気

  • 居住コストが比較的安く、生活利便性が高い。
  • ビザ要件が取りやすく維持もしやすい類型がある。
  • 投資系のLTR(Long-Term Resident)で、一定条件を満たすと海外で得た所得を非課税で持ち込める。
  • 目安として50万ドル相当(約7500万円)の不動産購入で10年ビザ申請が視野に入る類型。家族帯同やインター校も可。
  • 一方、ドバイやシンガポールも非課税や金融利便は高いが、居住コストが高い。
  • 注意点として、日本からの完全移住では日本の証券口座が維持できないことが多く、運用はシンガポールやドバイ等の海外口座に切り替えるのが一般的。

初心者向けまとめ:今日から実践できる5ステップ

  1. 目的と期間を決める
    何にいつ使うお金かを書き出す。現役・リタイア・高齢期で区分。
  2. 下げ相場の想定を先に決める
    どこまで下げたら見直すか、いつ現金を厚くするか。数字で決める。
  3. アセットアロケーションを紙に書く
    現金・株・債券・不動産・金の比率を決め、年1回だけ点検。
  4. 分からない商品は買わない
    特に本記事の7カテゴリは要注意。どうしても気になるなら超少額で値動きを1〜2年観察。
  5. コストは「率」と「絶対額」で確認
    年率1%でも5000万円なら年50万円。積み上がると大きい。

FP1級サバンナ八木さんの実体験から学ぶ教訓

・レバレッジ・インバースの長期保有は「戻らない」
・毎月分配は生活費化が最大の罠
・新興国通貨債は高金利でも通貨・制度リスクに負けることがある


どれも「分かったつもり」が一番危ない。まずは仕組みを数式と具体例で腹落ちさせること。


よくある質問

Q. インデックスとアクティブ、どちらが正解?
A. 正解は人による。全体戦略の中で役割を定義して併用もあり。コストと一貫性を優先。

Q. 富裕層は為替ヘッジを必ず使う?
A. こだわらない人もいる。為替変動がストレスならヘッジ、気にしないなら無理にやらない。心の平穏も重要。

Q. 相続で不動産は必ず有利?
A. 節税の王道だが、換金性や分割で揉めやすい。家族の実務負担まで含めて設計を。

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