屈服するヨーロッパ?トランプ大統領はウクライナをロシアに引き渡すのか

この記事は「屈服するヨーロッパ:トランプ大統領はウクライナをロシアに引き渡すのか?」というVisualPolitikENの動画をもとに執筆しています。動画では、アメリカ・ヨーロッパ・ロシアが関わるウクライナ戦争の和平交渉をめぐり、トランプ大統領の外交戦略とその影響について解説していました。

目次

結論:和平か屈服か ― ロシアが勝利するシナリオ

結論から言えば、現在進んでいる「和平計画」は、ウクライナにとっては和平ではなく「屈服」に近いものです。


領土割譲、NATO加盟の断念、戦争犯罪の不問、制裁の解除など、ロシアの要求をほぼ丸呑みする形で交渉が進んでいます。

トランプは「戦争を終わらせた大統領」として歴史に名を残そうとしていますが、その実態は「侵略者への譲歩」です。そしてヨーロッパはそれに追随し、事実上プーチンの勝利を承認しようとしています。

トランプとプーチン会談 ― 国際舞台に復帰したロシア

数日前、トランプとプーチンがアラスカで会談しました。


この会談はウクライナ抜きで行われ、プーチンに対して米国大統領が「赤じゅうたん」を用意し、国際政治の表舞台に復帰させる効果を持ちました。

プーチンは戦争を続けながらも「平和を望む指導者」として演出し、実質的に国際的な正統性を得た形となったのです。

欧州首脳のワシントン訪問 ― 団結か屈服か?

その直後、ウクライナのゼレンスキー大統領と共に、EU各国首脳がワシントンを訪れました。表向きは「団結の写真」を撮るためでしたが、実態は「トランプへの屈服」と解釈されています。

かつて「領土を譲渡する和平はあり得ない」と言っていた欧州首脳たちが、今は「戦争を早く終わらせたい」と態度を急変させています。

これは事実上「プーチンに望むものを与える」方向への大転換です。

交渉の中身 ― ウクライナが失うもの

現時点で想定されている譲歩は以下の通りです。

  • クリミアのロシア領承認
  • ドンバスを含む東部地域の割譲(国土の約5分の1)
  • NATO加盟を永久に断念
  • 戦争犯罪の訴追放棄
  • 対ロ制裁の段階的解除

つまりウクライナは国家主権の一部を放棄することになり、戦争を続けた意味が問われる状況です。さらにウクライナ憲法では「領土割譲は禁止」と定められており、憲法改正すら必要になります。

「安全保障の保証」という幻想

ゼレンスキーが求めてきたのは「戦後に再侵攻されないための安全保障」でした。
NATO加盟が最も有効な方法ですが、今回の合意案ではそれも不可能です。

代わりに出てきたのが「NATO第5条に似た防衛保証」や「ウクライナが米国から1000億ドル相当の兵器を購入する」という案。しかしこれは実効性に疑問があり、過去に破られた「ブダペスト覚書(1994年)」の二の舞になる恐れが強いと指摘されています。

悪しき前例 ― 他国への波及リスク

この「譲歩による和平」は、世界に悪しき前例を残します。
侵略しても粘れば勝てる、というメッセージを他の権威主義国家に与えるのです。

台湾、韓国、日本といった国々も「もし攻められても西側は守ってくれないのでは?」という不安を持つことになり、国際秩序そのものが揺らぎかねません。

欧州に残るのは「膨大な請求書」

和平の代償として、欧州は米国製兵器の購入資金を負担し、再建支援にも巨額を投じることになります。
結局「戦争は終わるが、利益はアメリカへ、負担はヨーロッパへ」という構図が浮かび上がります。

ロシアは領土と政治的勝利を手にし、米国は経済的利益を得る。最大の犠牲者はウクライナとヨーロッパ、という形です。

まとめ:和平の名を借りた屈服

今回の交渉の流れは「和平」というより「屈服」に近いものであり、ロシアの侵略を正当化する危険なシナリオです。

  • 戦争は早期に終わる可能性がある
  • だがウクライナは領土と主権を失う
  • 欧州は財政的に巨額の負担を背負う
  • 世界には「侵略すれば報われる」という前例が残る

戦争終結は確かに喜ばしいニュースですが、その代償はあまりに大きく、長期的には国際秩序を崩壊させる可能性があります。

よかったらシェアしてね!
  • URLをコピーしました!
  • URLをコピーしました!

コメント

コメントする

CAPTCHA


目次