※本記事はYouTube動画「投資の複利、危ない勘違い5選」の内容をもとに、初心者にも分かりやすく整理しています。
目次
結論
投資における複利とは、分配金込みの基準価格が指数関数的に増えていく現象のことです。
ところが、多くの人は「複利は魔法の力」「ある時点から急に効き始める」といった誤解をしてしまい、間違った投資判断につながります。複利を正しく理解すれば、不要な思い込みや怪しい情報に惑わされず、シンプルな投資戦略で資産形成を加速できます。
そもそも複利とは何か
- 数学的には「元本 × (1+利回り)^年数」で表される増加のこと。
- 株式市場では、S&P500などの長期チャートがこの形に近い動きを示す。
- イメージとしては「子供が子供を産んで増えていくネズミ算」「0.1mmの紙を折り続けると天文学的な厚さになる」など。
危ない勘違い5選
1. 銘柄や口座を分けると複利が減る
- 同じ利回りの商品なら、分けてもまとめても複利効果は変わらない。
- 口座区分(NISA、特定口座など)も複利の働き方には無関係。違うのは課税後の手取り額だけ。
2. 複利=配当再投資
- 配当がなくても、株価の値上がり部分にも複利は働く。
- 配当再投資は利回りを押し上げるが、複利そのものとは別物。
3. 「○○万円から複利が効き始める」説
- 元本の大小で複利の働き方は変わらない。
- ある金額を境にスイッチが入るわけではなく、常に働いている。
- 金額が大きい方が“増え方が目立つ”だけの錯覚。
4. 毎月分配型は複利が効かない
- 分配金を再投資すれば複利は効く。
- 問題は元本を削って分配している場合や高コスト商品である場合。
5. 負の複利の混同
- バフェットが言う「借金による負の複利」と、ジョン・ボーグルが言う「コストによる負の複利」は別物。
- 借金は元本がマイナス方向に指数関数的に増える。
- コストは利回りを削り、長期的にリターンを押し下げる。
視聴者から多かった複利の悩みと回答
複利を実感できない
- 一定額ごとの増加スピードが短くなっていく感覚で実感できる。
- 例:5000万円到達まで11年→次の5000万円は2年半→さらに次は1年。
複数銘柄に分散した場合の複利効果
- 利回りが同じなら効果は同じ。
- 違うのは商品ごとの利回り部分のみ。
積立を続ける意味
- 長期になると元本より運用益の割合が大きくなり、入金の効果が見えづらくなる。
- 別銘柄で積み立ててみると心理的モチベーションが保ちやすい。
複利を最大限活かす3つの条件
- リターン(R)を高める
高すぎる利回り目標は現実的でないため、市場平均+αを狙う。 - コスト(A)を抑える
低コストのインデックスファンドを選び、売買回数を減らす。 - 投資期間(N)を長くする
入金力よりも時間の方が複利効果への影響が大きい。
投資戦略の結論
- **「早く買って遅く売る」**だけで複利の恩恵を最大化できる。
- 長期・低コスト・売らない投資(例:インデックスファンドのバイ&ホールド)が最適解。
まとめ
- 複利は魔法ではなく、数学的に説明できる単純な現象。
- 誤解をなくせば、複雑な投資理論や怪しい情報に惑わされない。
- コストを抑えて時間を味方につけ、淡々と続けることが最大の複利戦略。


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