※本記事は、YouTube動画「【第113回質問への回答】2000万ある時はどうやって投資する?」の内容を基に執筆しています。
結論:2000万円は一括投資せず、「アセット比率管理」と「分割投資」で守りと攻めを両立せよ
投資初心者が2000万円というまとまった余剰資金を手にしたとき、いきなりすべてを投資に回すのはリスクが高すぎます。
投資歴18年で総資産3億円のナスビさんは、「資産比率(アセットアロケーション)を決めてから投資すること」が最も大切だと強調しています。
目次
1. 一括投資か分割投資か?最適な「投資タイミング戦略」
ナスビさんのアドバイスでは、分割投資期間は3〜5年が目安。これ以上長期にすると、リターンが下がってしまう可能性があるからです。
投資戦略の選択肢
投資方法 | メリット | デメリット |
---|---|---|
一括投資 | 上昇相場でのリターン最大化 | 投資直後に暴落すると大損リスク |
分割投資(3〜5年) | 平均取得単価を平準化。暴落時にも備えやすい | 暴落がなければ逆に高値づかみになる可能性 |
「上昇しても恩恵を受けたい」「暴落に備えたい」――その両方を実現するのが、アセット比率の管理という戦略です。
2. アセット比率で「どんな相場でも対応できる資産配分」を
例:株75%・現金25%
- 株が下がれば現金25%から買い増しできる
- 株が上がっても75%の割合でしっかり資産成長できる
- 常に同じ比率を保てば「暴落のタイミング」に左右されず対応できる
この比率は年齢・資産額・リスク許容度によって調整が必要です。
3. 年齢と資産額別のアセット配分の考え方
若い人・資産が少ない人
- 将来の収入(給料)で買い増し可能
- 現金比率は少なくてもOK → 株比率多めでリスクを取る
中高年・資産が多い人
- 暴落時に減少額が大きすぎて「精神的ダメージ」が大きい
- 入金余地が少ない → 現金比率を多めに保って守りを強化
具体例
- 資産100万円+月10万円の入金力 → 株比率80%以上もOK
- 資産1億円+月10万円の入金力 → 株比率50~60%が現実的
4. 新NISAとのつなぎ戦略:特定口座でも「同じ銘柄」でOK
来年の新NISAまでの短期投資で悩んでいる方に対して、ナスビさんはこう言います。
「特定口座とNISAは口座の名前が違うだけ。中身は同じ長期投資と考えていい」
- 来年までの1年は「短期」ではなく「21年の長期投資の一部」
- たとえ1年目がマイナスでも、その後の非課税期間で取り戻せる
- よって 今から新NISAと同じ銘柄で運用開始して問題なし
5. 債券投資は「金利が高い時」に買うのが鉄則
金利が高いとは?
- 個人の満足度にもよるが、**インフレ率+α(実質利回り)**を基準に判断
- 例:インフレ率2%なら4〜5%の金利であれば「高金利」と考えられる
債券の特徴
- 利息収入は確定(国債などはデフォルトリスクが低い)
- 株式とは違って、暴落による大きな損失リスクが少ない
- TLTなどの債券ETFなら値動きもあり、リターン狙い+守りの投資にも最適
6. 取り崩し戦略:年始一括より「毎月取り崩し」がベスト
- 年始に1年分を取り崩すと「11ヶ月分が運用されない」=リターンが減る
- 毎月取り崩せば、その分運用期間が長くなり、複利効果を維持
- 取り崩しもアセット比率を見ながら「高くなっている資産」から行うのが理想
7. 生活防衛資金は「柔軟に考える」のがポイント
教科書的には「生活費の1〜2年分」とされる生活防衛資金。しかしナスビさんは以下のように実践的な考え方を提案します。
ナスビ流・現実的生活防衛資金の考え方
状況 | 必要金額の目安 |
---|---|
20代・独身・副業あり | 20〜30万円 |
子持ち・40代・家族持ち | 100万円前後 |
FIRE済・現金資産豊富 | 最小限でOK |
- 「防衛資金を貯めてから投資」ではなく、「防衛資金と投資を並行で進める」のが効率的
- 生活防衛資金が不足しても、現金 or 株から取り崩せば対応可能
まとめ:2000万円は「分割×比率管理×自分軸」で育てる
ナスビさんのアドバイスは、ただの「マニュアル」ではありません。自分の年齢・資産・リスク許容度に合った方法を選び、地道に実行することが最も重要だと教えてくれます。
投資初心者におすすめの3ステップ
- まず「アセット比率」を決める(株と現金のバランス)
- 一括が怖ければ「分割投資(3〜5年)」
- 新NISAを見越した「特定口座での先行運用」
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