本記事は、YouTube動画「投資家が今、金を買い漁っている本当の理由」の内容をもとに、ゴールド価格上昇の背景と投資手段を詳しく解説します。
インフレや地政学リスクだけでなく、世界の金融構造の変化が金需要を押し上げている現状を整理しました。
目次
結論:金は「ヘッジ」から「長期的な価値保存資産」へ
これまで金は、株価暴落やインフレなど不測の事態に備える**安全資産(ヘッジ)**として位置づけられてきました。
しかし、現在はブラックロックをはじめとする機関投資家が、**金を長期投資対象(ストア・オブ・バリュー)**として扱い始めています。
背景には以下の5つの要因があります。
- 通貨供給量の増加(紙幣増刷)
- 低金利政策(将来のインフレ懸念)
- 米国の巨額財政赤字
- ドルへの信認低下
- 世界の中央銀行による金の大量購入
ブラックロックが指摘する現象
- 通常、高金利+ドル高は金価格の下落要因
- しかし現在(2025年)、高金利・ドル高にも関わらず金価格は上昇
- 主因は、
- 中央銀行の継続的な金購入(パンデミック以降も継続)
- 米国の財政赤字拡大(国債発行増加 → インフレ懸念)
- 機関投資家が米国債から金へ資産シフト
米国債から金へのシフトが意味するもの
従来、安全資産としては米国債が第一選択肢でした。
米国債は「事実上の無リスク資産」とされ、米政府がデフォルトする可能性は極めて低いと考えられています。
しかし問題は「元本返済能力」ではなく、返済時のドルの価値です。
- 財政赤字 → 国債増発 → 返済のための増税 or 紙幣増刷
- 紙幣増刷はインフレを招き、ドルの購買力を低下させる
結果として、中央銀行や富裕層は米国債ではなく金を選び、通貨価値の希薄化リスクを回避しようとしています。
金への投資方法3選
- 現物(金地金・コイン)購入
- メリット:実物資産として保有できる
- デメリット:保管場所の確保(自宅保管・民間保管庫・銀行貸金庫)
- 最近はオンラインで少額購入し、一定量で金地金に交換・配送可能なサービスも存在
- ゴールドETF
- 例:GLD(SPDR Gold Shares)など
- 株式市場で売買可能、保管リスクなし
- 実際には証書(ペーパーゴールド)の保有
- 金鉱株
- 金採掘企業への株式投資
- 金価格上昇時には企業利益も上がる可能性
- 逆に金価格下落時の影響も大きい
注意点:金価格は常に右肩上がりではない
- 2008年リーマンショック後:金価格は急騰し2012年にピーク
- 2012〜2020年:約8年間の低迷期
- 2020年以降:パンデミックや地政学リスクで再上昇
短期的な「ブーム」に飛びつくと高値掴みのリスクがあります。
長期保有を前提に、ポートフォリオ全体の2〜5%程度に抑えるのが現実的との意見も。
まとめ
- 現在の金価格上昇は、インフレや地政学リスクだけでなく米国の財政赤字拡大と中央銀行の買い増しが背景
- ブラックロックは「金は今や投資資産」と位置づけ
- 投資方法は「現物」「ETF」「金鉱株」の3つが代表的
- 短期的な価格変動に振り回されず、長期的な価値保存の視点で検討することが重要
コメント