拡がる残酷な格差、今からできる対策とは?【野村AM意識調査から読み解く投資の今】

この記事は、YouTube動画「拡がる残酷な格差、今からできる対策」をもとに内容を紹介・解説しています。

現在、日本では資産運用や投資に対する関心が高まる一方で、投資から退場する人も増え、世代ごとの投資意識や行動に大きな差が生まれています。格差はますます広がり、その「残酷さ」は静かに社会を蝕み始めています。

その実態を、野村アセットマネジメントが実施した2万8000人規模の大規模アンケート「2025年 投資に関する意識調査」から紐解きつつ、これからの対策をわかりやすく解説していきます。


目次

結論:投資は「余裕資金」より「危機感」から始めよ

・投資を始めたきっかけは「余裕資金ができたから」より「将来の不安」が多数
・50代以上は「低リスク高リターン」という矛盾した希望を抱きがち
・若年層は投資の必要性を理解しているが、踏み出せない人も多い
・NISAの成長枠では失敗も多く、選択肢の多さが逆効果になることも
・分配金信仰や誤解により、運用成績が悪化するケースも多発

だからこそ、最初の一歩として「少額でもいいから始める」ことが格差を縮める鍵となります。


調査でわかった5つの大きな発見

1. 投資家が1年で100万人減少

2024年から2025年にかけて、非投資家の割合が1%増加し、投資家が1%減少。これは推定で約100万人の退場に相当します。

【特徴的な年齢層】

  • 減少が目立つのは 20代・40代・50代
  • 特に50代は教育費の急増(大学進学など)によって資金不足に

また、2023年夏やトランプ関税発表時など、株価急落のタイミングが退場の引き金になったと考えられます。


2. 50代以上は「低リスク・高リターン」を求める無謀さ

アンケートによると、50代以上の投資家は「年利7%」のリターンを期待しながらも「許容損失は10%未満」と回答する傾向に。

【過去220年の米株リターン】

  • 平均リターン:8.4%
  • 年間平均ドローダウン:14.1%
  • 20%以上下落する年:3年に1回

この矛盾した投資スタンスでは、現実と乖離し、退場リスクが高まることになります。

さらに、楽天証券の売買ランキングでは、60代以上が「4.3倍ブル型ファンド」などハイリスク商品を好む傾向も。


3. NISA売却者の15%が計画外の売却を経験

NISA制度で最も理想的とされる「長期保有」ができていない実態が明らかに。

【NISA売却率(2025年調査)】

  • 積立枠:10%程度
  • 成長枠:20%近く
  • 平均:15%(6~7人に1人が売却経験)

しかも売却理由を見ると、

  • 成長枠では「相場下落による損切り」が多く、
  • 積立枠では「生活費の補填」や「目標達成」が中心

特に成長枠は自由度が高い反面、うまく使いこなせない人が多数いることが明らかになりました。


4. 投資を始めた人は「危機感」がきっかけ

多くの人が「お金が貯まったから」ではなく、

  • 預貯金では増えないと感じた
  • 将来の資金不安がきっかけ
    といった「危機意識」から投資を始めていました。

実際、「余裕資金ができたから」という理由で投資を始めた人は少数派。

【NISAを始めた人のコメント】

  • 「転職でDCに触れて投資を学び、危機感を感じた」
  • 「節約意識が高まり、お金が貯まるようになった」

投資を始めたことで金銭感覚・生活習慣・情報感度が大きく向上するという実例が多く見られました。


5. 分配金の誤解と投資教育の格差

投資信託の「分配金」を正しく理解していない人が多数。

【衝撃のアンケート結果】

  • 「分配金を出すと基準価格が下がる」と正解したのはわずか35%
  • 多くの人が「分配金は利益」と誤解

さらに、

  • 分配金重視型ファンド(例:毎月分配型)は基準価格が大幅下落
  • ETFと異なり、「元本払い出し」も可能で錯覚しやすい

知識不足によって、実は損をしている投資家が多い現実が浮き彫りになっています。


地域・年代別の投資格差も深刻

【都道府県別NISA利用率】

  • 関東・関西が突出(世帯年収が高め)
  • 東北や九州はやや低調

【年代別の金融リテラシー】

  • 投資家は全世代で正答率が高い
  • 非投資家は高齢層ほど正答率が低い
  • 20代のリテラシー向上が顕著(NISA効果)

富の集中と今後の目標資産ライン

【世界での資産ランク】

順位資産額人口比率
上位1%約1.5億円1.2%
上位10%約1500万円11.8%

【日本での比較】

  • 資産1億円以上:上位3%(クラスに1人の割合)
  • 投資可能層の目標ライン:1500万円~1億円

今後の投資を考える上で、まずは上位20%(約1500万円)を目標にするのが現実的です。


インフレに強い資産と投資戦略

【インフレに強い資産】

  • コモディティ(金・プラチナなど)
  • エネルギー・生活必需品株
  • インフレ連動債
  • 不動産

【インフレに弱い資産】

  • グロース株(将来利益に依存)
  • 現金(年間2%ずつ価値が下がる)

**「現金は安全」は幻想。**インフレ時代には現金こそがリスク資産になる可能性があります。


今からできる対策:まずは一歩を踏み出すこと

最後に、動画で最も強調されていたのは次の点です。

  • 投資はお金が貯まってからではなく「やらなきゃ」と思った今が始めどき
  • ワンコイン(500円)からでも始めることで、行動が変わり、お金も貯まりやすくなる
  • 「人生で一番若いのは今」だから、今すぐ始めることが格差を縮める第一歩になる

まとめ

ポイント内容
投資人口の現状退場者が増加、特に20代・50代で顕著
投資を始める理由危機意識が多数。余裕資金は少数派
NISAの落とし穴成長枠は選択肢が多すぎて失敗も多い
分配金の誤解多くの人が正しく理解していない
格差の拡大投資を続けるか否かで大きな差が生じる

格差が拡がる世界で、それに巻き込まれないためには、自ら一歩を踏み出すしかありません。

投資はお金が余ったらやるのではなく、「やらなければ」と思った時が始めどき。

これを読んだ今が、その第一歩です。

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