結論:新NISA、投資額は順調でも口座数はまだ目標未達!一番買われているのは「全世界株式インデックス」!
2024年から始まった新NISA(少額投資非課税制度)。その利用状況について、最新のデータが公表されました。政府の掲げた目標に対し、投資額はすでに達成済みですが、口座数の拡大はまだこれからといった状況です。
具体的には、多くの人が「全世界株式インデックス」や「日本株」に投資しており、年収300〜500万円未満の層が中心。自分のお金でコツコツと積立を続けている姿が見えてきます。
この記事では、誰がどんな銘柄にどれくらい投資しているのか、詳細なデータをもとに初心者にもわかりやすく解説していきます。

新NISAの政府目標と現状
2022年に政府が掲げた目標は次の2つです:
項目 | 目標 | 実績(2024年末時点) | 状況 |
---|---|---|---|
NISA口座数 | 3400万件 | 2560万件 | 目標未達成 |
投資額 | 56兆円 | 56.5兆円 | 目標達成(3年前倒し) |
投資額については、政府目標を3年も前倒しで達成するという快挙を成し遂げました。
一方で、口座数は目標まであと約840万件。今後のさらなる普及が期待されます。
実際に投資した人たちは売却しているの?
新NISAの最大の特徴は「長期投資を前提とした制度」である点ですが、実際にはどれくらいの人が売却せずに保有し続けているのでしょうか?
- 積立投資枠:83.2%が1銘柄も売却なし
- 成長投資枠:75.3%が1銘柄も売却なし
想像以上に多くの人が1年間しっかりと保有を継続しており、投資初心者の間でも「長期投資」の意識が根づき始めていることがわかります。
投資資金はどこから?多くの人が「自分のお金」で運用
NISAの利用者が投資に使っている資金の出所は以下の通りです。
資金源 | 割合 |
---|---|
預金・給与・年金 | 74.9% |
配当・利息 | 一部 |
相続 | 少数派 |
多くの人が「自分の稼ぎから投資している」というのが特徴です。特別な資産を持っている人ではなく、一般の労働者や年金生活者も含めた幅広い層がNISAを活用しているということになります。
みんな何を買ってるの?購入銘柄ランキング
成長投資枠(年間240万円)
投資対象 | 割合 |
---|---|
日本株式 | 48.8% |
米国株・海外株 | 残り(詳細なし) |
日本株への投資が約半数近くを占めています。新NISAには「日本株だけに投資させるべきでは?」という批判もありましたが、データを見る限り、日本株にも十分資金が流れているといえそうです。
積立投資枠(年間120万円)
投資対象 | 割合 |
---|---|
全世界株式インデックス | 36.8% |
日本を除く全世界株式 | 18.5% |
いわゆる「オルカン(全世界株)」が最も人気。
その次に多いのが「日本を除く全世界株式」です。
この傾向からは、「成長が期待できる海外へ投資したい」「すでに円資産を多く持っているので、投資はドル建てにしたい」といった合理的な戦略がうかがえます。
積立額の平均と資金の成長ペース
積立投資枠における平均購入額は年間47.3万円。満額の年間120万円に対しては少なめですが、これは「自分のペースで少しずつ資産形成を進めている」ことの表れです。
NISAでは積立投資枠の非課税枠が600万円あるため、このペースなら10年ちょっとで使い切れる計算になります。
NISA利用者の年収層:主役は年収500万円未満
利用者の年収層は以下の通りです:
年収 | 割合 |
---|---|
300万円未満 | 39.7% |
300~500万円未満 | 27.7% |
500~700万円未満 | 17.1% |
合計(〜700万円未満) | 約84.5% |
年収が決して高くない層が中心で、「お金に余裕はないけど未来のために頑張って投資している」という姿が見えてきます。
これは、NISAが「幅広い年収層の人にとって現実的な投資手段になっている」ことの証明です。
まとめ:新NISAは未来への希望!まだ使ってない人は検討を
新NISAの実態をデータで見てきましたが、改めてポイントをまとめると以下の通りです:
- 投資額は56.5兆円で政府目標を3年前倒し達成
- 口座数は2560万件、まだ目標の3400万件には届かず
- 8割以上の人が1年で売却せずに保有を継続
- 74.9%の人が自分の預金や給与などから投資資金を捻出
- 人気銘柄は全世界株式インデックスと日本株
- 年収300〜500万円未満の層が最も多く利用
新NISAは「減税という数少ない恩恵の一つ」であり、長期投資を続けることで将来の資産形成が見込める非常に優れた制度です。
2025年に入り、株価がやや下落気味とはいえ、目線はあくまで長期。短期的な値動きに惑わされず、小金持ちを目指してNISAをフル活用していきましょう。
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