新TOPIXで除外銘柄が急増へS&P500神話は揺らぐのか?専業投資家の視点を分かりやすく解説

本記事は、YouTube動画
「新TOPIXで除外銘柄急増!足元の状況やS&P500神話の終了についても専業投資家が解説!」
の内容を基に構成しています。

本動画では、直近の日本株・米国株の相場環境から、新TOPIXの構造変更、そして「S&P500神話は本当に終わるのか」という投資家にとって非常に重要なテーマまで、幅広く解説されています。

指数の動きだけを追うのではなく、資金の流れや企業行動の変化を読み解く内容となっており、初心者から中級者まで多くの示唆が得られる動画です。本記事では、その内容をできるだけ削らず、順を追って整理します。


目次

今回の動画の要点まとめ

最初に、動画全体のポイントを整理します。

  • 日経平均とTOPIXは持ち直しているが、グロース市場は深刻な買い手不足が続いている
  • 日銀の利上げ観測と日本の10年国債利回り急上昇が相場の大きな転換点になりつつある
  • S&P500は過去最高水準のバリュエーションにあり、「調整余地」は確実に存在する
  • AI投資の本格化により、巨大テック企業が設備産業化し、PLや株主還元に影響が出始めている
  • 新TOPIXの導入により、採用銘柄数は約1670社から約1155社に減少する可能性がある
  • 時価総額400〜600億円の企業はTOPIX残留を巡る分岐点に立たされている
  • S&P500積み立てを否定する話ではなく、「無心で続けてよいのかを考える段階」に入っている

足元の相場環境

日経平均・TOPIX・グロース株の動き

まずは日本株の動きからです。

日経平均は、週初に一度下げる場面があったものの、結果的には月曜日が底となり、その後は徐々に回復しました。木曜日にはかなり強い上昇を見せ、金曜日にやや調整したものの、週全体としては悪くない動きでした。

TOPIXも基本的には同様の動きです。ただし、これまでの週と異なり、日経平均のほうが相対的に強い局面がありました。この点は、金融株など特定セクターへの資金集中が影響していると考えられます。

一方で、グロース市場は引き続き厳しい状況です。

  • 買い手が極端に少ない
  • 一定の売りは常に出る
  • 結果として、じりじりと押し下げられる展開

指数だけを見るとそこまで悪くなく見えても、個別銘柄レベルでは厳しい環境が続いていることが分かります。

米国株と為替の状況

S&P500とドル円の現在地

S&P500は、ボラティリティこそ高いものの、トレンドとしては上昇を維持しています。ただし、経済指標の発表ごとに振らされる展開が続いており、市場の神経質さが目立ちます。

ドル円については、

  • 依然として円安水準
  • ただし、レンジの上限付近という認識

となっており、今後は日銀の政策次第で大きく動く可能性があります。


日銀利上げ観測と国債利回りの急上昇

今回の動画で特に重要なのが、日本の金利環境です。

  • 日銀の利上げは「ほぼ確定路線」との見方が強まっている
  • 政府側からも容認とも取れる報道が出ている
  • その影響で円高方向に振れる場面が出てきている

特に注目されているのが、日本の10年国債利回りです。

  • 急騰が続いている
  • 近いうちに2%到達もあり得る水準
  • 長年の超低金利を考えると歴史的な転換点

この金利上昇は、

  • 銀行株にはプラス
  • 高PERのグロース株にはマイナス

というように、セクター間の明暗をはっきりと分ける要因になっています。


来週の注目経済イベント

短期的な相場を左右しやすいイベントも整理されています。

  • 8日
    • 米国雇用統計
    • 日本の国際収支
    • 日本GDP二次速報
    • 日銀と債券市場参加者会合
    • 中国関連指標
  • 9日
    • RBA関連イベント
    • 日銀・上田総裁の発言
    • 米国JOLTS
  • 10日
    • 中国経済指標
    • ラガルドECB総裁講演
    • 英米金融イベント
  • 11日
    • 豪州雇用統計
    • スイス金融政策
  • 12日
    • 財務省と国債市場特別参加者会合

為替や指数トレードをしている人は、これらの日程は必ず頭に入れておく必要があります。


S&P500神話は終わるのか

5月さんノートから読み解く3つの視点

動画の後半では、「S&P500神話は終了か」というテーマが扱われます。きっかけは、専業投資家・5月さんが書いた長文ノートです。

M7中心のS&P500は調整余地あり

S&P500のマルチプルは過去最高水準にあり、ITバブル期に近い水準まで上昇しています。ただし、ここで言う「調整」は必ずしも株価下落だけを意味しません。

  • 株価が横ばいで時間を使う調整
  • EPSの成長による相対的な割安化
  • 世界株との比率調整

こうした形も十分に考えられます。

巨大テックの設備産業化とAI投資

AI投資の本格化により、巨大テックはこれまでとは異なる局面に入りました。

  • データセンター投資の急増
  • NVIDIA製GPUへの巨額支出
  • 減価償却負担の増加

AIで回収できる企業は限られる可能性があり、PL悪化や還元縮小のリスクも無視できません。

AI投資が日本企業に波及する構造変化

一方で、AI投資の恩恵が日本の設備系企業に回り始めています。

  • 電気設備会社
  • 空調・サブコン
  • データセンター関連

これまで米国に支払う側だった日本が、一部で受益側に回っている点は注目に値します。


TOPIX新時代の到来

新指数で何が変わるのか

2026年10月から、新TOPIXが本格導入されます。

  • 維持基準:浮動株時価総額累計97%
  • 追加基準:96%

この基準を当てはめると、

  • 現行:約1670社
  • 新基準:約1155社

まで減少する可能性があります。


TOPIX除外のインパクト

6〜9%の強制売却リスク

TOPIXから外れると、

  • インデックスETFによる強制売却
  • 発行済株式数の6〜7%が売りに出る
  • 不動株が多い企業では8〜9%になる可能性もある

この影響は非常に大きく、企業側も本気で対応を迫られています。


企業が選ぶ生き残り策

還元強化がカギになる理由

TOPIX残留のため、企業が検討している施策は次の通りです。

  • 配当性向の引き上げ
  • DOEの導入・引き上げ
  • 資本政策やキャピタルアロケーションの明確化

特に2026年3月期、そして2026年5月決算が重要な分岐点になります。


直近で資金が入っている銘柄例

動画内で触れられた例として、

  • テクノ菱和(サブコン)
  • スカパー(防衛関連)
  • メルカリ
  • 静岡フィナンシャルグループ
  • 平田

といった銘柄が紹介されています。


まとめ

無心の積み立てから「考える投資」へ

S&P500やオルカンが優秀である事実は変わりません。ただし、

  • 米国株のバリュエーション
  • AI投資の構造変化
  • 新TOPIXによる日本株再評価

これらを踏まえると、「なぜその投資をしているのか」を一度考える段階に来ています。

S&P500が終わるかどうかを当てに行くのではなく、環境変化に合わせて思考をアップデートする。そのための材料として、本動画は非常に示唆に富んだ内容と言えるでしょう。

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