日本のトリプル安、その本質とは?超長期国債の急落とその背景をわかりやすく解説【2025年7月最新版】

※この記事は、YouTube動画「【参院選】日本トリプル安!なぜ超長期国債は再び急落しているのか!」をもとに、特に長期金利と債券市場の動向について初心者にもわかりやすくまとめたものです。


目次

結論:超長期国債の急落は「選挙と財政拡張」への不安が原因。ただし市場の反応はやや過剰かもしれない

最近、日本の市場では「株安・円安・債券安(トリプル安)」という現象が話題になっています。
中でも注目すべきは超長期国債の下落で、30年債や40年債の利回りが急上昇しています。

これは「参院選の結果次第では国債の発行が増えるのではないか」という懸念が背景にありますが、モハピーチャンネルでは「市場はやや先走っているのでは」という見解を示しています。


最新データ:債券利回りの変動(2025年7月)

国債種類7月4日利回り7月8日利回り上昇幅
10年債1.435%1.49%+0.055%
30年債2.865%3.06%+0.195%
2年債0.735%0.73%-0.005%(むしろ低下)

→ **長期債だけが大きく売られた(利回りが上がった)**ことが明確です。


なぜ長期債だけが売られるのか?背景にある3つの要因

1. 長期債の需要が減少している

  • 日本の生命保険会社などが長期債の保有を縮小中
  • かつては超長期債(30年・40年)に安定的な需要があったが、近年は負債との整合が取れなくなり解約が進む

→ 長期ゾーンの買い手が減っているため、需給が崩れやすくなっている


2. 財務省と日銀の方針変更

財務省の対応(国債発行減額)

債券1回あたりの入札額減額幅
20年債8000億円▲2000億円
30年債7000億円▲1000億円
40年債4000億円▲1000億円

日銀の対応

  • 国債買い入れペースを2026年4月以降に半減(4000億円→2000億円)

→ これらにより一度は安定化していたが、選挙リスクで再び売り圧力


3. 選挙リスクと財政拡大への懸念

  • 2025年7月の参院選で与党(自民・公明)が敗北する可能性
  • 他党は「減税や財政出動」を公約に掲げており、
    国債増発=長期債の需給悪化が意識されている
  • 財政拡張が進めばインフレリスクが高まり、金利上昇の引き金

世界共通のテーマ:財政拡大と長期金利の上昇

  • 日本だけでなく、アメリカやヨーロッパも同様の構造
  • 国防費の増加などを背景に、長期金利が世界的に上昇中
  • イギリスやユーロ圏でも長期債が急落する局面が発生

長期債はなぜ「リスクが高い」のか?

  • 超長期債(例:40年債)は価格の変動が大きい
  • 例:コロナショック時の40年債は価格が5割下落
  • 利回りが上がっても、「誰でも買えるものではない」

→ だからこそ、限られた投資家が撤退すると需給が一気に崩れる


今後の見通し:本当に危機的なのか?

モハピーチャンネルの見解:

  • 今の利回り上昇(例:30年債で3.2%)はやや過剰反応
  • 政策金利(0.5%)や10年金利(1.5%)と比べても急な上昇
  • 財政拡張でも、実際には中短期債の発行を増やす可能性が高い

受給の「クラウディングアウト」も考慮すべき

  • 金利が上がると、企業や個人の資金調達コストが増える
  • 政府が出す国債が資金を吸収しすぎると、民間が資金調達しづらくなる

→ そのため選挙後は財政拡張のトーンがマイルドになる可能性


まとめ:選挙+需給悪化で長期債が急落。だが“構造的な崩壊”ではない

ポイント内容
現状長期国債だけが売られて金利急上昇中
原因保険会社の撤退、選挙による財政拡大懸念
日銀・財務省発行減&買入縮小で調整中
世界共通テーマ財政拡張と長期金利上昇
今後の展望選挙後はトーンダウンし、相場は落ち着く可能性

日本の「トリプル安」は、世界的な構造変化と選挙という一時的な不安が重なった結果とも言えます。
今後のマーケットを判断する上では、「需給の構造変化」「政策対応の方向性」「世界の長期金利動向」を冷静に見極めることが大切です。

長期投資家にとっては、むしろこうした急落時こそ冷静なチャンスの可能性もあるかもしれません。

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