日本株の売買代金が10兆円超へ到達か 日経平均5万2000円到達後の「一服」と次の一手を丁寧解説

このブログは「【11月4日のゆるっと相場解説】日本株市場の売買代金は歴史的水準に?なんら市場に変化が起きてる?ズボラ株投資」という元動画のタイトルを基に記事を書いています。初心者でも理解しやすいように、できるだけ内容を削らずに整理しました。

目次

結論

日経平均は5万2000円にタッチ後、914円安の反落局面に入ったが、TOPIXの下落は限定的で、指数乖離が改めて浮き彫りになった。

市場では売買代金が直近で10兆円超を記録するなど歴史的な厚みが出ており、構造的な変化を感じさせる。企業決算は出足好調で上方修正比率が前年の約17%から約30%へ上昇。

PERは高水準だが、益利回りと長期金利の差はなお株式優位を示唆する。11月は統計的に上がりやすい季節性がある一方、上昇ピッチの速さから当面は5万〜5万2000円帯での受給調整を意識しつつ、決算と金利を見極める段階に入った。

今日の相場ダイジェスト

日経平均は前日比914円安で下落率は1.74%。

一方、TOPIXは0.65%の下落にとどまり、値上がり114銘柄、値下がり109銘柄と市場全体の地合いは指数ほど悪化していない。

直近まで指数を牽引してきたソフトバンクグループやアドバンテストなどの値がさ株が下落し、日経平均だけが大きく見える下げになった。個人投資家のポートフォリオは構成次第で逆に増えている可能性もある。

売買代金が示す「厚み」

直近の売買代金は8.7兆円、先週木曜は10兆円超。

2024年10月30日の約8兆円弱から25%増えた水準で、過去2年で見ても最大級。

指数の節目更新に加え、入れ替え・リバランス需要も重なり、市場の参加者層と回転率が明らかに厚くなっている。価格だけでなく「どれだけ多くの資金が動いたか」を示す量的指標が、相場の持続力を裏づけている。

テクニカルの現在地

日経平均は心理的節目の5万円をあっさり突破し、5万2000円到達後に反落。

2000円刻みでの階段上昇が続いており、5万2000円から5万円のレンジでの受給調整が視野に入る。

対数チャートで見ると今回の上昇率は過去の主要上昇波とほぼ同等の約60〜70%帯に収まるが、上昇に要した日数は短くピッチは速い。

テクニカルの観点では「そろそろ感」が出やすいが、押し目圧力に対しては需給が厚く、急落の素地は限定的という評価になる。

需給と主体別フロー

10月は海外勢の買い越しが相場を押し上げた一方、個人は買いが細く、ダブルインバースなどショートサイドのポジションも散見される。

下落局面ではショートの利確が買い戻しを誘発しやすく、下値では待機資金が拾う構図が続く。バブル的な過熱というより、主役の一部大型株に資金が集中して指数を押し上げる「局所過熱+広範なベース堅調」の相場観だ。

バリュエーションと企業業績

指数ベースのPERは過去レンジ高位。

もっとも決算の出足は好調で、792社ベースで上方修正約29.8%と、前年同期の約16.9%から大きく改善。

円安寄与も含めEPSの上振れ余地が生じている。仮にEPSが前年比約13%増で2137円まで伸びると仮定すると、現水準のPERは約24.1倍、益利回りは約4.1%となる。

イールドスプレッドの視点

益利回り約4%前後に対し、日本の10年金利は約1.6%。

イールドスプレッドはまだ株式有利を示す。

米国はスプレッドが逆転(債券優位)している局面が長かったが、日本では依然として株式の期待リターンが上回る構図が続く。もっとも長期金利が上昇すればスプレッドは縮小するため、国債増発や政策運営の見通しには注意が必要だ。

11月の季節性とイベント感

統計的に11月は上がりやすい月で、年末にかけての需要期や米小売イベント(ブラックフライデー等)を背景にインフラ・小売・消費関連のニュースフローが増える。

もっとも今年は夏場の出来高が枯れず上昇が続いた特異な推移で、季節性がそのまま当てはまるとは限らない。短期は決算の内容とガイダンス、金利の落ち着き具合がカギを握る。

今の相場でありがちな誤解をほどく

指数が下がった=市場が全面安とは限らない。

構成銘柄の価格ウェイトが大きい日経平均は、特定の値がさ株で大きく振れる。自分の資産の動きはTOPIXや業種指数、時価総額加重のETFなども併せて確認すると実態に近づく。

逆に指数が強く見える時でも、広範な銘柄では上がっていないことがある。

投資家タイプ別の実務アクション

インデックス積立派

ルール通りの継続が最適解。指数の「稲妻の瞬間」を逃さないため、金額と配分比率を固定し、イベントでの金額増減は避ける。どうしても不安なら新規積立の初月だけ金額を抑える。

個別・高配当重視派

高配当銘柄は指数高とともに選別が難度上昇。決算での上方修正、自己資本比率、フリーCF、配当性向、為替感応度を横並びで点検し、押し目形成時のエントリーポイントを設計する。利回りだけでなく増配余地とバリュエーションのバランスを見る。

短期・スイング派

5万〜5万2000円帯のレンジ攻防と、2000円刻みの節目を意識。主役の大型半導体・プラットフォーマーの決算とガイダンスが指数方向性を左右しやすい。イベント前後は出来高の偏りとギャップを警戒し、リスクリワードを明確化する。

まとめ

売買代金が10兆円超に乗る日が出るなど、量的にも歴史的な厚みが意識される相場に入った。

指数は5万2000円到達後の一服だが、決算の上方修正が目立ち、益利回り対長期金利の関係もなお株式優位を示す。

上昇ピッチの速さから短期は調整や持ち合いが想定される一方、需給は厚く急落要因は限定的。11月の季節性を踏まえ、5万〜5万2000円帯での受給消化と決算内容の見極めを重ねながら、無理のないポジション管理を続けたい。

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