このブログは、YouTube動画「【11月18日のゆるっと相場解説】日本市場はトリプル安のシグナル発動?トレンド終了シグナルも!どこまで調整するのか?ズボラ株投資」の内容を基に作成しています。
まず結論からお伝えすると、今回の日経平均1620円安は「短期の上昇トレンド終了シグナル」がかなりはっきり点灯した局面です。
テクニカル的には、日経平均が4万7000円前後、場合によっては4万2000円近辺まで調整してもおかしくない形になっています。
ただし企業業績(EPS)は依然として前年並みに伸びており、中長期の日本株上昇ストーリーが完全に崩れたわけではありません。今は「どこまでの調整を許容し、どのゾーンから拾うか」を冷静に準備するフェーズだと整理できます。
11月18日に何が起きたのか:トレンド終了を示すチャートと受給
日経平均1620円安とダブルトップ完成
11月18日、日経平均は一日で1620円安と大きく下落しました。
以前から重要ラインとされたネックラインを割り込み、5万2000円をつけてから一度5万円まで下げ、そこからの戻りが5万1000円台で二度止められた結果、
- 高値が「5万2000円 → 5万1000円台」と切り下がる
- ネックラインを明確に割り込む
という、教科書的なダブルトップ完成の形になりました。
この動きは、「今まで続いていた上昇トレンドはいったん終わりましたよ」というサインとして受け取ることができます。
中期線割れ・デッドクロスと受給の悪化
さらにチャートを見ると、
- 株価が中期線を割り込む
- 短期線と中期線のデッドクロスが発生
と、テクニカル上のトレンド終了サインが複数重なっています。
受給面でも、すでに以前から
- 海外投資家が売り越し
- 個人投資家だけが買い支える構図
になっていたと指摘されていました。
「買う人が個人しかいない」状況で強い上昇を続けることは難しく、どこかで息切れする危険が高かったわけです。今回の急落は、その受給のもろさが表面化したタイミングとも言えます。
日本の長期金利上昇と「トリプル安」が意味するもの
今回の日本株急落は、株だけの話では終わっていません。
同じ日に、
・国債価格が下がり、長期金利が上昇(債券安)
・株安
・円安
という、「トリプル安」の動きが出ています。
10年国債利回りは1.75パーセントまで上昇し、20年債・30年債の利回りも、直近で大きく跳ね上がっています。その背景には、高市政権による積極財政の影響があり、財政悪化懸念から国債が売られていると解説されていました。
国民生活への影響は、
・多くの人は変動金利の住宅ローンで、これは短期金利に連動
・短期金利はそれほど上がっておらず、二年債利回りはむしろ低下
という状況なので、「すぐに家計が悲鳴を上げる」というレベルではありません。
しかし企業側から見ると、
・長期金利上昇=長期借入の金利負担増
・特に海外売上比率の高い企業ほど、国内需要より金利負担増の方が重くのしかかる
というマイナス要因になります。
通常、株が下がると安全資産の国債や通貨が買われやすいのですが、株も債券も通貨も同時に売られるトリプル安は、「日本そのものへの不安」や「投資家のリスク削減」が強く意識されているサインとして、注意しておきたい動きです。
EPSとPERから見た妥当株価レンジ:4万2000〜4万5000円は要チェックゾーン
一方で、ファンダメンタルズの面ではそこまで悲観一色というわけではありません。
決算が一巡した日経平均EPSを見ると、第二四半期時点で前年と同じく約13パーセント成長しており、「業績は前年並みに伸びている」と評価できます。
株価が下がり、EPSが伸びているということは、PERは下がる方向に働きます。
現状のEPS水準を前提にざっくり計算すると、
・PER21倍
日経平均4万5000円前後
・PER22倍
4万7000円前後
・PER20倍
4万2000〜4万2500円近辺
となります。
これをテクニカルの押し目候補と重ねると、
・4万7000円
やや割高感は残るが、極端なバブル水準とまでは言えないゾーン
・4万5000円
PER21倍程度で、割高圏の上限から「だいたい妥当」と感じやすい水準
・4万2000円前後
PER20倍近辺で、長期投資家が「そろそろ拾いたい」と思いやすいゾーン
というイメージになります。
テクニカル(フィボナッチ)とファンダメンタルズ(EPS・PER)の両方から見て、
4万2000〜4万5000円あたりは、「調整して来たら真剣に検討したい価格帯」として意識しておく価値が高いと言えます。
投資家としてどう動くべきか:短期と長期でスタンスを分ける
ここまで見てきた内容を踏まえると、投資家としての基本的なスタンスは次のようになります。
短期売買が中心の人は、
・ダブルトップ完成
・ネックライン割れ
・中期線割れとデッドクロス
というトレンド終了サインを素直に受け止め、ポジションを軽くする、損切りラインを厳守するなど、防御を優先する局面です。
長期の積立投資やインデックス投資をしている人は、
・今回の下落を「安く買える期間」と捉え、積立を止めないこと
・4万7000円、4万5000円、4万3000円、4万2000円といった押し目候補ゾーンを頭に入れつつ、淡々とルール通りに買い続けること
が、中長期のリターン最大化につながります。
大事なのは、「どこまで下がるか」を当てようとすることではなく、
「どこまで下がっても自分のルールを守れるポジションサイズか」を今のうちに確認しておくことです。


コメント