本記事は、YouTube動画『【遂に始まります】日銀が11ヶ月ぶりの利上げで今後銀行株にとんでもないことが起きるかもしれません』の内容を基に構成しています。
導入 日銀利上げが再び意識される局面に入った日本市場
動画は、日銀が12月にも利上げに踏み切る可能性が高まっているという話題から始まります。かつて日銀の利上げは「あり得ない」と考えられていましたが、円安と物価高が長期化し、金融政策の正常化が避けられない状況に入ったことで、専門家の見方も大きく変わりました。
野村証券をはじめとする金融機関が利上げ時期を12月に前倒しで予想している点は、これまでにない異例の動きとされています。
利上げは本当に株式市場にとって悪なのか
一般的に利上げは株式投資にとって逆風だと語られます。実際、過去の利上げ局面では株価が急落し、「上田ショック」と呼ばれるような相場の混乱も起きました。
しかし動画では、すべての業界が不利になるわけではなく、むしろ利上げによって利益が増えやすい業界が存在すると説明されています。その代表例が銀行です。
銀行が利上げで儲かる仕組みを初心者向けに整理
銀行は、低い金利で預金を集め、それを個人や企業に高い金利で貸し出すことで利益を得ています。この金利差のことを利ざやと呼びます。
日銀が利上げを行うと、貸出金利は比較的早く上昇する一方で、預金金利はすぐには上がりません。その結果、利ざやが拡大し、銀行の収益は自然と増えやすくなります。
なぜメガバンクより地方銀行が有利なのか
三菱UFJや三井住友などのメガバンクは、銀行業務以外にも証券、資産運用、海外事業など幅広いビジネスを展開しています。そのため金利上昇の影響は分散され、業績への反映も限定的になります。
一方、地方銀行は貸出業務への依存度が高く、金利上昇の影響をより直接的に受けます。これが、動画で地方銀行株が注目される最大の理由です。
業界再編の本命 第4のメガバンク構想とは何か
日本には3つのメガバンクが存在しますが、地方銀行は数が多く、人口減少によって経営環境が厳しくなっています。
そこで注目されているのが、SBIグループが主導する第4のメガバンク構想です。SBIは地方銀行に次々と出資し、資本業務提携を進めることで、地銀を束ねる存在になろうとしています。
SBIが地方銀行を狙う本当の理由
SBIはネット証券を中心に成長してきましたが、オンラインだけでは地方の富裕層や中小企業経営者に十分リーチできません。
そこで、対面取引に強い地方銀行を取り込むことで、オンラインとオフラインを融合した金融モデルを構築しようとしています。これは他業界でも見られる戦略で、ネット企業が実店舗を持つ動きと本質的に同じです。
投資家視点で重要な「食べる側」と「食べられる側」
動画では地方銀行を2つの立場に分けて説明しています。
自力成長が難しく、統合される側の銀行は「食べられる側」です。一方、地域シェアが高く、証券やカード事業なども持つ銀行は「食べる側」となります。
投資家にとって重要なのは、どちらの立場でも投資チャンスが存在する点です。
TOBが起きたときに株価が上がる理由
食べられる側の銀行は、TOBが発表されると株価が大きく上昇します。
例えば株価が1000円の銘柄に対して、1300円で買い取ると発表されれば、市場価格は1300円に近づいていきます。これは約30%のプレミアムが付く形で、短期間で大きな利益が狙える局面です。
さらにTOBは価格がほぼ保証されるため、投資家にとって下落リスクが小さい点も株価上昇を後押しします。
配当をもらいながら待つという地銀株の魅力
地方銀行株は配当利回りが3%から4%程度ある銘柄が多く、保有しているだけでも一定のリターンが期待できます。
そこに統合やTOBといったイベントが重なれば、大きな値上がり益も狙えるため、動画では「宝くじ付き定期預金」に例えられています。
まとめ 日銀利上げと地銀再編は長期テーマになる
動画の結論は明確です。
日銀の利上げ時期は短期的に不透明でも、地方銀行の再編は避けられない長期トレンドであり、その中で地銀株は配当とイベント期待の両方を狙える数少ない分野だという点です。
食べる側になって成長する銀行、食べられる側になってTOBされる銀行、どちらのシナリオでも投資妙味があることが、今回の動画で最も強調されていました。


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