※本記事はYouTube動画「【暴落前に必ず起きる事】そして今起きている事」を基に執筆しています。
はじめに:暴落は“予兆”とともにやってくる
マーケットの暴落は、決して突然起こるものではありません。
投資家の多くが「朝起きたら資産が半分になっていた」といった恐怖を語りますが、実際には**暴落の前には必ず「4つの共通パターン」**が現れるのです。そして、そのサインが今、私たちの目の前で起き始めているのです。
この記事では、過去400年の歴史に残る代表的な市場暴落の事例をもとに、「暴落前に起きる事」の正体と、今の市場に何が起きているのかを詳しく解説していきます。
結論:暴落の前に起きる4つの共通パターン
過去の市場暴落には、以下の4つの共通点があります。
- 投資家の過剰な自信(心理バブル)
- 規制の欠如または過剰(制度的不備)
- 新しいイノベーション(金融商品の進化)
- 過度な債務(借金による膨張)
この4つが組み合わさることで、市場は加熱し、やがて崩壊へと向かっていきます。
第1の暴落:1634年 チューリップバブル(オランダ)
チューリップ1本が月収1ヶ月分。紙切れに5万ドルの価値
世界最初の株式市場を生んだオランダで起きた「チューリップバブル」は、まさに人類初の金融パニックでした。
- チューリップ1本が当時の月給1ヶ月分(現在の価値で約3300ドル)で売買
- 投資家は“先物契約書”に価値を見出し、紙切れが5万ドル相当で取引される事態に
- 農家までチューリップ栽培に参入 → 大量供給 → 暴落
このバブルでは、1番目の「過剰な自信」と2番目の「新たな金融商品(先物)」が明確に見られました。
第2の暴落:1929年 世界大恐慌(アメリカ)
レバレッジ投資と規制不足が呼んだ、90%の株価下落
- 「グレート・ギャツビー」の時代に象徴される好景気の中で、投資家は借金で株を購入
- 政府は過去の1907年暴落の反省から“規制を一切しない”方針を貫く
- 靴磨きの少年まで株を買う過熱相場
- 結果:株価は一晩で急落、その後数年かけて90%もの大暴落に
この暴落は4つのパターンすべてを満たしています。
第3の暴落:1987年 ブラックマンデー
コンピューターが引き起こした人類初の“機械的連鎖暴落”
- 金融業界のイノベーション「ポートフォリオ保険」が登場
- 市場が下がると自動でプットオプションを購入 → 売りが売りを呼ぶ構造
- 結果:1日で50万件の売り注文が発生し、史上最大の1日下落幅を記録
問題はこの仕組みが複雑すぎて、当の銀行さえそのリスクを理解していなかったことです。
第4の暴落:2008年 リーマンショック
サブプライムローンと証券化が生んだ“見えない爆弾”
- 本来返済能力のない層(サブプライム)に住宅ローンを大量供給
- MBS(モーゲージ担保証券)として中身を隠して市場に販売
- 家の価格は右肩上がりという幻想で借金が借金を呼ぶ
- 結果:世界同時不況に
この暴落では「債務の過剰」が主な原因です。
今、何が起きているのか?
現代の市場を振り返ってみると、上記の4つの要素がすべて揃ってきている兆しがあります。
パターン | 現在の状況 |
---|---|
投資家の過剰な自信 | 株式市場は連日の最高値更新、SNSでは「ガチホ最強」の声が蔓延 |
規制の欠如 | 中央銀行は超緩和を続け、AIや暗号資産などはほぼノールールで拡大中 |
新しいイノベーション | AI関連株、アルゴ取引、DeFi、トークン化資産などが急成長 |
過度な債務 | 政府債務、個人ローン、企業債務すべてが過去最高レベルに |
つまり、歴史が示すクラッシュの「型」に、現代の市場も当てはまりつつあるのです。
投資家が今すぐやるべき4つのチェックポイント
動画では、今後の暴落を避けるために、以下の4点を自分に問いかけるように提案しています。
- 今の市場に過剰な自信はないか?
- 政府や中央銀行が異常な規制や緩和をしていないか?
- 新しい金融商品や技術に過熱しすぎていないか?
- 個人や企業、国家の債務が限界を超えていないか?
おわりに:歴史は繰り返さないが、韻を踏む
「歴史は繰り返さないが、韻を踏む(History doesn’t repeat, but it rhymes)」という有名な言葉があります。
今起きている現象も、過去と全く同じではありません。しかし、パターンとしては似た道をたどっているのです。私たち投資家ができることは、歴史から学び、冷静な判断を積み重ねることだけです。
次の暴落が来るその時までに、「守れる人」と「巻き込まれる人」の差は、この歴史的視点と備えにかかっているのかもしれません。
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