今回のテーマは「暴落に備えて現金を残しておくべきか」という内容です。
投資をする際に、暴落が来たときに安くなった株を買うために現金を別で用意しておくべきかどうかという疑問を検証しています。
結論としては、現金を残しておくよりも、そのお金を投資に回したほうが将来的には運用成績が良くなることが多くなります。
ただし、暴落時の対応や現金の持ち方次第で現金を持っていたほうが良いケースもあるため、状況によって異なります。。
テーマ選定の理由について
動画投稿者さんがこのテーマを選んだ理由は、最近読んでいるFIRE関連の本に影響されたそうです。
特に「ゆるFIRE 億万長者になりたいわけじゃない私たちの投資生活」という本で、暴落対策として株式80%、現金20%の比率で運用するという内容に疑問を持った。
シミュレーションの条件
1972年から2021年の約50年間の米国株式市場において、毎月100ドルを積み立て投資。以下の2つのポートフォリオで比較しました。
- 株式100%で積み立て
- 株式80%、現金20%の比率で維持
毎月バランスを取るためにリバランスを行い、現金の利息も考慮しています。
シミュレーション結果
- 年ごとのリターン:プラスリターンの年は株式100%の方が高いが、マイナスリターンの年は現金を混ぜた方が成績が良い。リターンの差は平均して5%程度。
- 長期的な成績:株式100%で運用した方がトータルの成績は良い。ただし、1970年代から80年代前半、2009年前後のように、株価が悪い時期やリーマンショック時には現金保有の方が成績が良い。
暴落の期間や規模、投資の開始・停止のタイミング次第で、現金の保有が機会損失になるかどうかは一概には言えない。
このような結果となりました。
メンタル面の重要性
暴落時に現金を保有していることで心の余裕が生まれるメリットは大きいです。
逆に、現金を持たずに全て投資に回していると、暴落時にメンタル的に不安定になりやすくなります。
個人的な経験からも、暴落直前に全ての余剰資金を投資してしまい、暴落時に追加資金がなく悔しい思いをしたことがあります。
結論
どちらが良いかは一概には言えないが、投資効率を重視するなら全ての余剰資金を投資に回すべき。
ただし、暴落時の安心感を重視するなら、現金を残しておくことも有効な手段。最も重要なのは、長期でバイアンドホールド(買い持ち)を継続すること。
専門用語解説
- ポートフォリオ:投資の分散を目的に、複数の金融商品を組み合わせた投資の集合。
- リバランス:ポートフォリオの構成比率を一定に保つために、定期的に売買を行うこと。
- FIRE:Financial Independence, Retire Earlyの略。経済的自立と早期リタイアを目指すライフスタイル。
- 機会損失:ある選択をしなかったために得られなかった利益。
- バイアンドホールド:一度買った金融商品を長期間保有する投資戦略。
- ドル建て:資産や負債を米ドルで評価すること。
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