株価急騰相場で取り残された高配当株はどれか 今仕込むべき10銘柄と戦略

このブログは元動画のタイトルを基に作成しています。動画のスクリプト内容を初心者にも分かりやすい形で体系化し、投資判断の参考になるように数字や具体例を豊富に交えてまとめました。

目次

結論

日経平均が5万2000円台まで上昇している一方で、指数寄与の大きい半導体や資源関連の上昇が先行し、ディフェンシブや内需の一部には割安に放置された高配当銘柄が多く残っています。

配当利回り4〜6パーセント台を狙える銘柄が複数あり、権利月や配当方針、業績の増減を踏まえて分散購入すれば、来年以降の受取配当を実質的に底上げできます。短期の騰落に翻弄されず、割安水準にあるうちに計画的に拾うことが最適解です。


なぜ「指数は高いのに買える高配当」が残っているのか

近年の日本株上昇は、半導体や資源といった循環セクター、ならびに構造改革期待の大きい一部大型株に資金が集中したことが背景です。

指数計算上、時価総額が大きくベータの高い企業が牽引すると、指数全体は急騰します。

しかし、指数に対して寄与度の小さい内需やディフェンシブ株は、個別材料や一時的な減益見通しを理由に売り込まれやすく、バリュエーションの歪みが生じがちです。

この「歪み」はインカム投資家にとっては好機です。

配当利回りが想定以上に高まった局面で仕込むことで、将来の増配や業績回復があった際に、利回りと値上がり益の二重取りを狙えます。

権利月が近づく銘柄は短期需給で上がることもありますが、配当性向や財務体質を見ながら分散で積み上げるのが王道の戦い方です。


本記事で取り上げる厳選高配当10銘柄

本稿では動画で触れられた以下の10銘柄を、利回り感、直近期の株価推移、配当の持続可能性、今後の着眼点という観点で整理します。

銘柄ごとの数字は動画内の言及をベースにしています。実際の投資に当たっては最新の開示や株価をご確認ください。

  1. 東京海上
  2. MS&AD
  3. 第一生命
  4. ワールド
  5. 野村不動産ホールディングス
  6. DMG森精機
  7. 丸三証券
  8. ソニーフィナンシャルグループ
  9. UBE
  10. 青山商事
  11. アマノ
  12. アステラス製薬

動画の趣旨に沿い、保険や銀行、化学、機械、アパレル、不動産、証券、製薬と、あえてセクターを跨いで分散できる構成になっています。以下では、投資アイデアとしての要点を掘り下げます。


保険セクターの妙味

東京海上の投資ポイント

東京海上は国内損保の中核で、海外事業を含めた収益分散が進んでいます。

足元で株価が高値から下落し、割安感が浮上。想定配当利回りはおおむね3パーセント台半ばで、同業大手やメガバンクと比較しても遜色のない水準です。近年は株主還元姿勢が明確で、増配の実績も積み上がっています。

来年3月期見通しでも、保守的な前提からの上振れ余地があれば増配余地が生じます。

考慮すべきは、自然災害の発生頻度や海外クレジットの変動など、保険特有のリスクです。

ただし、料率改定や再保険でリスクは一定程度平準化され、資本政策も強化が進んでいます。長期のインカム基盤としては有力候補です。

MS&ADと第一生命で利回りを底上げ

MS&ADは配当利回りが4パーセント後半と、東京海上より一段高めの水準が見込めます。

第一生命も4パーセント台中盤が目安で、保険セクター内での分散先として有効です。保険各社は金利・災害・株式の持合い解消など複合的な影響を受けるため、同一セクターでも2〜3社に分けて保有する方がボラティリティを慣らしやすくなります。


小売・アパレルの優待と増配ストーリー

ワールドの投資ポイント

総合アパレルのワールドは、かつて2000円前後の印象から増配・成長を経て株価が上昇した後、直近は調整で買いやすい水準に回帰しました。

配当利回りは約4パーセントが目安です。長期保有優待があり、6カ月以上で買物券1500円相当、3年継続で3000円相当に拡充されます。

単元株数を増やすと優待価値が逓増する設計が特徴で、配当+優待の合算利回りでみると実質的なインカムはさらに厚くなります。

業績は最高益を更新する局面も見られ、足元の予想でも増配を織り込みます。アパレルは景気敏感ですが、ブランド再構築と在庫回転管理の改善が奏功すればキャッシュ創出力は底上げされます。


不動産の調整は利回りの源泉

野村不動産ホールディングスの投資ポイント

決算発表を受けて一時的に5パーセント近く下落し、配当利回りが4パーセント超に上昇。株式分割により取得単価が下がり、初心者にも買いやすくなっています。

マンションやオフィスに加え、物流や不動産関連サービスを含むポートフォリオの多角化が進み、キャッシュフローの安定度は高めです。

不動産は金利上昇局面で評価を下げやすい一方、国内金利の上昇ペースは緩やかで、賃料改定や開発案件の収益化が進めば、配当余力が回復する余地があります。優待重視なら他社も選択肢ですが、配当重視と単価の低さで選ぶなら妙味があります。


機械の一角は配当と自社保険収入で下支え

DMG森精機の投資ポイント

工作機械大手。業績下方修正とストップ安を経て株価は大幅調整。今期通期で105円、うち12月権利で55円の配当が示され、調整後の水準では配当利回りが4パーセント台半ばに達する局面もあります。

本業の売上・利益は景気変動の影響を受けますが、保険収入の寄与などで最終利益は一定程度担保される構造です。

機械セクターは受注循環の影響が大きいものの、受注底入れの兆しや米欧の設備投資再開が見えれば、株価は先行して織り込みに動きます。配当を受け取りながら回復を待つ戦略が機能しやすいタイプです。


金融の高利回りをどう扱うか

丸三証券の投資ポイント

相場活況を背景に個人投資の裾野が広がると、リテール中心の証券会社の業績が改善する可能性があります。

上期で増配実績があり、通期も下期配当次第で年合計62円のシナリオなら、株価水準次第で配当利回り6パーセント台後半が視野に入ります。

一方で、配当性向が高く、相場環境の変調では業績が振れやすい点に留意が必要です。

自己資本比率は高水準で財務の安全度は確保されており、株主優待として老舗ブランドの食品などがもらえる付加価値もあります。利回りを取りに行くポジションとして、資金管理の範囲での活用が現実的です。

ソニーフィナンシャルグループの投資ポイント

銀行系のディフェンシブを一つ組み込みたい場合の選択肢。半期配当2.25パーセント相当という言及から、通期換算でおよそ4.5パーセント級が見込めます。

親会社のブランド力や顧客基盤が安定収益に寄与します。金利の方向性と与信費用の動向が重要で、金利上昇の初期局面では利鞘拡大が追い風になる場面があります。


化学は割安と回復期待の二重取り

UBEの投資ポイント

化学セクターは景気変動の影響を受けますが、原材料価格や為替の反転で一気に収益が改善するレンジシフトが起きます。

UBEは配当利回りが概ね4.9パーセント程度、株価は直近調整で買いやすく、今期は持ち直しが示唆されています。

地場に根差した技術力を背景に、特殊品や高付加価値領域を伸ばせれば、ボラティリティの中でもキャッシュ創出力を確保しやすくなります。

同セクターでは三菱ケミカルや三井化学、ゼオンなど配当妙味のある銘柄が点在します。

1社集中ではなく、用途分野や製品ミックスの異なる2〜3社に分散すると、景気の局面差を吸収しやすくなります。


内需ディフェンシブの厚い配当

青山商事の投資ポイント

コロナ禍で大きな逆風を受けた後、事業再編や収益構造の見直しで復調。

株価は高値から調整し、配当利回りは6パーセント近くに達する場面もあります。

配当性向はやや高めのため、業績モメンタムが続くかの確認が要点です。スーツ需要はコロナ後に出社様式が変化し構造変化が続いていますが、法人需要やセレモニー需要の回復、そして不動産活用などのポートフォリオ拡張が利益の下支え要因となります。

株主優待の買物割引券は実需性が高く、配当と合算した実質利回りはさらに向上します。内需ディフェンシブ×高優待価値の組み合わせは、家計のキャッシュフローに直結しやすい戦略です。

アマノの投資ポイント

勤怠管理や駐車場管理などの社会インフラ領域で、ハードからソフト・クラウドへのシフトが進展。第2四半期は利益面で増益ながら、通期で昨対割れ懸念もあり株価は伸び悩み、その結果として配当利回りは4パーセント台中盤の目安へ。

ストック型収益の積み上げとともに、保守契約やSaaS化による収益安定化が進めば、バリュエーションの再評価余地が生じます。


医薬は長期テーマと配当で攻める

アステラス製薬の投資ポイント

同日決算で武田が大幅下方修正だった一方、アステラスは情報修正と明暗が分かれました。

株価反応は限定的でしたが、配当利回りは4パーセント台後半と依然として高水準。過去の特許切れやパイプライン停滞で悲観が進みすぎた分、数字での回復が続けば見直し買いが入りやすい地合いです。

留意点は配当性向の高さと、研究開発の成否が株価に与えるインパクトの大きさです。最適解は、医薬セクター内の分散。高配当の武田や、大日本住友、塩野義などと組み合わせることで、薬価改定や個別治験リスクを薄められます。


配当投資の実務:買い方と守り方

権利月の前後でどう動くか

権利取り直前は短期資金の流入で上がりやすく、権利落ちで下がりやすいのが一般的です。

配当再投資を継続する長期投資家は、権利落ち後の需給悪化を待ってから現金を投じる方が、取得単価を引き下げやすくなります。

DMG森精機のように12月に配当権利がある銘柄は、配当取りと反落の両面を念頭に、分割エントリーが有効です。

分散の作り方

セクター分散と時期分散の二層で考えます。

保険、銀行、化学、機械、不動産、内需小売、医薬と、景気感応度の異なるセクターを組み合わせることで、キャッシュフローの安定性が増します。

購入時期は2〜3カ月に分けて、指数が急伸した日には買わず、個別が決算で叩かれた日や外部要因で過度に売られた日に拾っていきます。

配当性向と自己株買い

単年の利回りだけでなく、配当性向の推移、フリーキャッシュフローの持続性、自己株買いの有無を確認します。

増配と自社株買いを併用する企業は、総還元性向が高く、資本効率改善の意欲が高いケースが多いです。東京証券取引所が資本コスト・株価を意識した経営を求めている流れの中で、PBR1倍割れの解消や総還元性向の明示は継続テーマです。

落とし穴の回避

一時的な高配当は、特別配当や在庫評価益のような一過性要因で水増しされている可能性があります。

減損や大型投資の期ズレも配当に影響します。動画内でも触れられたとおり、丸三証券のように配当性向が高い銘柄は、相場環境の悪化で減配リスクが顕在化しやすい点に注意が必要です。

利回りだけで飛び付かず、5年分程度の配当実績と業績推移の確認が基本です。


銘柄別の要点整理

配当利回りや株価の足元数字は日々変動します。ここでは動画の論点を踏まえ、見どころを文章で再確認します。

東京海上

高値からの調整で割安感が台頭。配当は3パーセント台半ばが目安。大型増配実績と来期も増配の余地。自然災害リスクと再保険のバランス管理に引き続き注目。

MS&AD

配当は4パーセント台後半と厚め。株価調整で妙味拡大。分散投資の一環として保険内の組み合わせ相手に最適。

第一生命

配当4パーセント台半ば。運用環境の改善と保険料改定で収益性の底上げ余地。超長期の金利動向がカギ。

ワールド

配当約4パーセント。長期保有優待が逓増する設計。増配傾向と在庫管理の巧拙が評価の分かれ目。

野村不動産ホールディングス

決算後の急落で配当は4パーセント超へ。株式分割で買いやすい。金利と賃料改定の綱引きを見つつ、開発案件の進捗が焦点。

DMG森精機

下方修正で大幅調整も、通期配当105円で利回り4パーセント台半ば。工作機械の受注底打ちと政策減税の動向が回復トリガー。

丸三証券

通期62円想定なら6パーセント台後半の高配当余地。配当性向の高さと相場依存度には留意。優待で実需も得られる。

ソニーフィナンシャルグループ

半期2.25パーセントで通期換算4.5パーセント規模。金利環境改善と親会社の顧客基盤が強み。与信費用の管理が焦点。

UBE

配当約4.9パーセント。原材料や為替の好転で収益回復余地。製品ミックスの高付加価値化が持続的な稼ぐ力を左右。

青山商事

配当6パーセント近辺の高水準。事業再編で復調基調。優待実需性が高く、家計ベースのキャッシュフロー改善に寄与。

アマノ

配当4パーセント台中盤。ハードからソフト・クラウドへの転換でストック収益拡大。通期達成度と受注の質が評価ポイント。

アステラス製薬

情報修正で潮目の変化。配当4パーセント台後半。R&Dの成否がカタリスト。医薬内の分散でリスク調整リターンを狙う。


シミュレーションで理解するインカムの積み上げ

仮に本稿の高配当銘柄群から平均利回り約4.8パーセントの組み合わせを100万円分保有したとします。

年の受取配当は税引前で約4万8000円。権利落ちや市況次第で株価は上下しますが、増配が年率5パーセントで続けば、5年後の受取配当は約6万1000円規模に増加します。

さらに、減配耐性のある企業を中心に組んだ場合、下落局面で買い増して平均取得単価を引き下げることで、実質的な受取利回りは年々逓増します。

注意すべきは、あくまで配当は企業の稼ぐ力の配分にすぎない点です。

キャッシュの源泉である本業の競争力が鈍れば、配当は持続しません。配当と同じくらい、売上総利益率や営業CF、ROICなどの基礎体力を定期点検することが重要です。


いつ、どう買うのがよいか

指数が過熱している時期は、個別の失望決算やネガティブヘッドラインの日にだけ買い指値を置く、というルールが有効です。

例えば、決算翌日の寄り付きに半分、引けに半分、さらに下がれば翌営業日に残りを買う三分割の実行で、需給のぶれを味方にできます。配当権利前に無理をせず、権利落ちで押したところのほうが、中長期では報われやすい経験則もあります。


よくある疑問と答え

高配当銘柄は下げ相場に弱いのでは

短期では配当落ち分の下落や景気悪化の連想で売られますが、配当の再投資が効くため、長期リターンは配当の寄与が大きくなります。減配リスクを抑えるために、配当性向が過度でない銘柄、ネットキャッシュや安定CFのある銘柄を組み込みます。

利回りが同じならどれを選ぶべきか

配当の源泉が何かで選びます。保険のように料率や再保険で平準化できるモデル、SaaSやメンテ収益のようなストック、インフラ的な需要の継続など、持続性の高いキャッシュ創出に裏打ちされた配当を優先します。

優待狙いは非効率では

優待の実需性が高く、日常の支出を確実に代替できるなら、実質利回りは向上します。もっとも、優待に偏重しすぎるとポートフォリオが歪みます。配当と優待のバランスを意識しましょう。


まとめ

指数が高値圏にある今だからこそ、セクターごとの温度差が際立ちます。

保険、銀行、化学、機械、不動産、内需小売、医薬には、配当利回り4〜6パーセント台で拾える銘柄が複数残っています。大切なのは、配当性向やキャッシュフロー、事業ポートフォリオの持続性を見極め、権利月と決算をカレンダーに落とし込んで分散購入することです。

来年の配当を増やす準備は、指数が高い今だからこそ始められます。

次の行動提案として、気になる3〜5銘柄の直近決算資料と配当方針を確認し、今月から来月にかけての買い場をカレンダー化してください。

購入は一括ではなく分割。決算で売られた日に一部を拾い、権利落ちで押したら追加、というリズムを徹底しましょう。

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