※この記事はYouTube動画「【要注意】楽天SCHDに異変!またタコ足配当!? 2025年5月の分配金」をもとに内容を分かりやすく解説しています。
結論:楽天SCHDはタコ足配当でも「売る必要なし」。冷静な判断と長期視点がカギ。
2025年5月、楽天SCHDが再びタコ足配当(=元本払い戻し金)を実施したことで、一部投資家の間に不安が広がっています。
しかし本動画の結論は明確です。
「楽天SCHDは今売るべきではない。長期保有を前提とすれば問題ない」
この判断の背景には、分配金の仕組みと再投資の効果を正しく理解することが重要です。
タコ足配当とは?名前のイメージに惑わされないために
「タコ足配当」とは、運用益ではなく、投資元本の一部を削って分配金として払い出す状態を指します。
イメージで言えば、「タコが自分の足を食べて生き延びる」ようなもの。
分配金の2つの種類
分配金の種類 | 内容 | 税制上の扱い |
---|---|---|
普通分配金 | 運用で得た利益から支払われる | 課税対象 |
元本払い戻し金(旧:特別分配金) | 投資元本の取り崩し部分 | 非課税 |
2025年5月の楽天SCHDの分配金:1万口あたり70円
表面的には「分配金が出た=嬉しい」ですが、実際の大半が元本払い戻し金(=タコ足配当)です。
しかも、2025年2月に続いて2期連続でこの状態。
さらに、楽天SCHDの基準価格が下がり続けているなかでの分配となったため、多くの保有者にとってタコ足配当になってしまいました。
なぜタコ足配当になってしまうのか?実例で解説
投資タイミングにより、分配金の中身が変わることがあります。以下のようなケースを考えてみましょう。
例1:基準価格が購入時より高い場合 → 全額が普通分配金
- 購入時の基準価格:9,000円
- 決算前の価格:12,000円 → 分配後11,000円
- ⇒ 1000円の分配金すべてが普通分配金(課税対象)
例2:購入時と分配後の価格が近い場合 → 一部が元本払い戻し金
- 購入時:11,600円、分配後:11,000円
- ⇒ 分配金1,000円のうち600円が元本払い戻し金、400円が普通分配金
例3:購入時より大幅に価格が高かった場合 → 全額が元本払い戻し金
- 購入時:15,000円、分配後:11,000円
- ⇒ 1000円の分配金すべてが元本払い戻し金(非課税)
このように、タコ足配当かどうかは“投資タイミング”によって変わります。
保有数は減らない。再投資型ならむしろ有利になることも
重要なのは、「元本を削ったからといって保有口数が減るわけではない」という点。
楽天SCHDは再投資型と受け取り型を選べる仕組みです。
再投資型を選んでいる場合、分配金は自動で再投資され、追加口数が積み上がる仕組みになっています。
例:基準価格による購入口数の違い
分配金額 | 基準価格 | 購入口数 |
---|---|---|
10,000円 | 10,000円 | 10,000口 |
10,000円 | 9,452円 | 約10,579口 |
このように、基準価格が低いときに再投資されると、より多くの口数を確保できます。
将来、価格が戻ったり、利益が出た時に分配金の総額も増える可能性が高くなるのです。
なぜ売却せずにホールドが推奨されるのか?
- タコ足配当は一時的な現象であり、再び運用益が出れば普通分配金になる
- 再投資によって口数が増える効果が長期リターンを押し上げる
- 資産評価額は保有口数×基準価格で決まるので、口数増は重要
- 一時的な価格低下や配当の形式に過度に反応するのは長期投資の本質に反する
今後の対応戦略:焦らず・でも情報は常にチェック
- 楽天SCHDを保有しているなら基本はホールド
- 再投資型を選択しているならむしろ有利になる可能性あり
- 分配金の「中身」と「タイミング」をチェックしつつ、長期で構える姿勢を保つことが重要
まとめ:楽天SCHDの“タコ足配当”は冷静に受け止めよう
ポイント | 内容 |
---|---|
タコ足配当とは | 元本を削って分配金として出す状態 |
原因 | 投資タイミングと基準価格の下落 |
保有口数 | 減らない(再投資ならむしろ増える) |
今後の方針 | 売却よりも長期ホールドが基本 |
楽天SCHDは優良ETF「SCHD」に連動した投資信託であり、その本質的な構成銘柄や運用方針に大きな問題があるわけではありません。
一時的な“異変”に惑わされず、長期視点と冷静な判断を持つことが、投資家としての成功のカギです。
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