本記事は、YouTube動画『気づいたら実は暴落中の超高利回り優待銘柄』の内容を基に構成しています。
導入:相場が良いときほど見落とされる「静かに下げている銘柄」
動画では、日経平均先物が上昇し、全体としては順調な相場環境に見える中でも、個別銘柄に目を向けると、気づかないうちに株価が下落し、結果として配当利回りや株主優待利回りが大きく上昇している銘柄が存在すると指摘しています。
指数が堅調な局面では、多くの投資家の視線は上昇銘柄や話題株に集中しがちです。
しかしその裏側では、業績不安や過去の不祥事、地味な業種であることなどを理由に、株価だけがじわじわと下げている銘柄が存在します。動画は、そうした銘柄にこそ「利回り投資」という観点からの注目余地があると問題提起しています。
日銀の利上げと円安が同時に起きる違和感のある相場環境
動画冒頭では、12月21日時点の市場環境として、日銀の政策決定会合で0.25%の利上げが行われた点が触れられています。通常、利上げは円高要因と受け止められやすく、為替が円高方向に動くと考えた投資家も多かったとされています。
しかし実際には、為替は円安方向に進みました。
この点について動画では「ちぐはぐな動き」と表現しつつも、市場にとっては必ずしも悪い話ではないと整理しています。利上げは銀行株を中心とした金融セクターの収益改善期待につながりやすく、円安は自動車をはじめとする輸出関連銘柄にとって追い風になります。
その結果、指数全体は底堅く推移している一方で、こうした流れとは無関係に株価を落としている銘柄が目立ち始めている、というのが動画の問題意識です。
FPパートナーはなぜ「高利回りなのに下がっている」のか
最初に詳しく取り上げられるのが、FPパートナー(証券コード7388)です。同社は保険代理店大手として知られ、一時は市場で大きな話題を集めた銘柄でもあります。
現在の株価は2000円前後まで下落しており、直近では2030円付近を付ける場面もありました。
過去には2300円前後で推移していたイメージが強いため、相対的に「かなり安くなった」と感じる水準です。
配当利回りと業績のギャップ
FPパートナーの特徴として、配当利回りが約4.6%と高水準にある点が挙げられます。さらに注目すべきは、業績が厳しい局面でも配当性向100%を超える水準で増配を行い、株主還元姿勢を維持している点です。
一方で、業績そのものはインフレ局面にもかかわらず、過去のデフレ期と大きく変わらない水準にとどまっており、今後のテコ入れが必要な状況であることも率直に語られています。
自己資本比率と優待が支える安心感
同社の自己資本比率は60%以上と高く、財務面の余力は比較的厚いとされています。これが高配当や株主優待を維持できている背景の1つと考えられています。
株主優待は3000円分のクオカードが年2回、合計6000円相当となり、優待利回りだけで約3%程度になります。配当と合わせた総合利回りは約7.5%に達し、数字だけを見れば非常に魅力的です。
ただし動画では、この優待内容は発行コストが高すぎる可能性があり、将来的に見直されるリスクも高いと指摘しています。
暴落後に利回りが跳ね上がった企業たち
動画後半では、FPパートナー以外にも「安くなった結果、利回りが異常に高く見える銘柄」が複数紹介されます。
ハミィ:事業再編で株価が下がり、取得しやすくなった銘柄
ハミィは一見すると直近で大きく上昇しているように見えますが、その前段階で大きく株価を下げており、反発局面にある銘柄です。現在は500円を下回る水準で、配当利回りは約4.6%、株主優待として1500円分のクーポンが年2回提供されます。
総合利回りは約11%と非常に高く、優待を実際に使える人にとっては魅力が大きいとされています。
日本郵船:天井感と割安感が同居する海運株
日本郵船は配当利回り約4.6%と高水準ながら、海運株特有の大きな波を描くチャート形状から、天井圏ではないかという警戒感も示されています。
一方で、PERやPBRといった指標面では割安感があり、業績の悪材料はすでに織り込まれている可能性もあるとして、長期分散投資の一部としての検討余地が示されています。
高利回り銘柄に潜む「優待改悪」という最大のリスク
動画全体を通じて繰り返し強調されているのが、「利回りが高い理由を必ず考えるべき」という点です。株価が下がった結果、利回りが高く見えている場合、その背景には業績悪化や事業環境の変化があることも少なくありません。
特に株主優待は、企業側の裁量で突然改悪や廃止が行われる可能性があります。FPパートナーのように、現在の株価水準に対して優待内容が過剰に見えるケースでは、制度見直しが入る前提で考える必要があると動画は警鐘を鳴らしています。
高利回りは「ご褒美」ではなく「結果」として見る
本動画が伝えているのは、「高配当・高優待=安全」という単純な話ではありません。相場が好調なときほど、静かに下落している銘柄の背景を冷静に見極める必要があります。
資金に余裕があり、業界や事業内容に理解があるのであれば、こうした銘柄を分散投資の一部として組み入れる選択肢はあります。ただし、利回りの数字だけで判断せず、業績、財務、そして優待制度の持続性まで含めて考える姿勢が重要です。
動画は、投資を「自分を追い込まないための道具」として捉え、無理のない形で資産形成を続けることの大切さを改めて示していました。高利回り銘柄は魅力的ですが、その裏側にあるリスクと向き合いながら、冷静な判断を心がけることが求められます。


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