“無登録FX”事件 投資金1350億円をどうやって集めたのか? 勧誘員500人超

福岡県警が無登録でFX投資を仲介した疑いで男4人を逮捕した事件が大きな話題になっています。

この事件では、全国から集めた投資金が150億円に上ると見られています。今回は、その巨額の資金をどのように集めたのか、その手口について詳しく掘り下げた動画になります。

目次

逮捕された男たち

逮捕されたのは、水島容疑者をはじめとする4人の男たちです。水島容疑者は、金融商品取引法違反の疑いで逮捕されました。

彼らは自身が営業統括責任者を務める会社で、他の逮捕された幹部3人とともに、全国から9年間で2万6000人から150億円の投資金を集めたとされています。

しかし、そのうち790億円の行方が分かっていないとのことです。

スカイプレミアムの仕組み

彼らが運営していたのは「スカイプレミアム」というシンガポールに本社を置く会社です。

この会社は、完全紹介制の会員制度を謳い、旅行や買い物、ワインなどのサブスクサービスを提供していました。月々の会費は50ドルと100ドルの2種類あり、2021年時点で会員数は2万8000人とされています。

しかし、スカイプレミアムが本当に投資金を集めていたのは、こうしたサービスではなく「ライオ」という商品を通じてでした。

この「ライオ」は、FX投資による資産運用を謳ったもので、投資金は決済代行業者を通じて海外の銀行口座に送金され、中南米の証券会社が運用するというものでした。

勧誘の手口

スカイプレミアムはピラミッド型の組織を持ち、今回逮捕された4人を頂点に、12の代理店があり、その下に500人以上のエージェント(勧誘員)が所属していました。

エージェントたちは、各地で会員向けの投資セミナーやパーティーを開催し、年利20%から30%という高利回りを謳って投資を募っていました。

被害者の証言

福岡県内に住む50代の女性は、親しい友人の紹介でスカイプレミアムの会員となり、「ライオ」に投資しました。

彼女は、生命保険や経営者年金を解約してまで投資を行いましたが、2021年9月に金融庁の調査でスカイプレミアムが無登録であったことが発覚し、投資の運用実態も明らかになりました。

結果として、彼女の投資した金は一円も戻ってこなかったのです。

今後の焦点

現在、全国各地で元会員たちが損害賠償を求めて訴訟を起こしていますが、逮捕された4人は直接仲介していないことや、投資金の送金が別会社に代行させていたことから、全容解明のハードルが高いと見られています。

しかし、警察は詐欺容疑での立件も視野に捜査を進めているとのことです。

まとめ

今回の事件では、スカイプレミアムがピラミッド型の組織を利用し、高利回りを謳って多くの投資金を集めたことが明らかになりました。

年利20%から30%という高利回りは非常に魅力的ですが、現実にはほとんどありえないものであり、慎重な判断が求められます。

私たちも、このような詐欺に引っかからないよう、常に注意を払う必要があります。

知っておきたい専門用語集

  • FX投資:外国為替証拠金取引の略。異なる通貨を売買し、その差額で利益を狙う投資方法
  • 金融商品取引法違反:金融商品取引法に違反する行為。無登録で金融商品を取り扱うことなどが含まれる
  • 投資金:投資に使用される資金
  • 決済代行業者:取引の決済を代行する業者。投資金を預かり、取引の決済を行う
  • ピラミッド型の組織:ピラミッドのように上位者が下位者を勧誘し、下位者がさらに新たな勧誘者を募る構造
  • 年利20%から30%:1年間で元本に対して20%から30%の利益が得られる
  • サブスクサービス:サブスクリプションサービスの略。定期的に料金を支払うことでサービスを利用できるシステム
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