(元動画「【徹底比較】米ドル建て債券に投資するなら”米国債”と”社債”どちらを買うべきか」を基に執筆)
目次
結論:長期は米国債、短中期は社債が一案
米ドル建て債券投資の代表格は「米国債」と「社債」。
どちらもメリットとデメリットがあり、長期(超長期)は米国債で安全性を重視、短中期は社債で利回りを狙うという組み合わせがバランスの良い戦略の一つと考えられます。
1. 米国債と社債の基礎知識
- 債券とは:国や企業が資金を借りるために発行する「借用書」。
- 投資家は発行時や市場(セカンダリー)で購入し、利子(クーポン)を受け取り、償還時に元本を回収。
- 新発債(発行直後)と既発債(中古)があり、米国債の新発を個人が直接買うのは困難なため、多くは中古市場で取引。
2. 米国債のメリット(6点)
- 世界基準の安全資産
- 「リスクフリーレート」として金融商品の基準になる存在。
- 格付けは最上位から1段下の「AA+」だが依然として高い信用度。
- 満期の種類が豊富
- 1年〜30年まで幅広く揃い、ラダー運用(期間を均等に分散)などポートフォリオ構築が容易。
- 金利と価格の連動性が高い
- 金利低下で価格上昇、金利上昇で価格下落。米国債は信用リスクがほぼなく、動きが読みやすい。
- ゼロクーポン債が選べる
- 利息ゼロだが割安発行で満期に額面へ。金利低下時の値上がり幅が大きく、税効率も高い。
- 最低購入額が低く流動性も高い
- 数千ドル単位から購入可能。取扱証券会社も多い。
- 売買スプレッドが低い
- 社債よりも情報が公開されており、取引コストが比較的安い。
3. 社債のメリット(3点)
- 米国債より利回りが高い
- 発行体の信用リスク分だけ上乗せ。例:米国債4.2%に対し三菱UFJ社債4.7%。
- 格付けや種類の多様性
- トリプルA(Microsoft、J&J)からジャンク債(ソフトバンク、楽天)まで幅広い。
- 普通社債、新株予約権付社債、劣後債、永久債、AT1債などバリエーション豊富。
- 超長期債も存在
- 米国債は30年までだが、社債には40年・50年の超長期もあり、長期投資戦略に組み込める。
4. 投資判断のポイント
- 安全性重視:米国債。信用リスクが低く、金利変動の影響が読みやすい。
- 利回り重視:社債。短中期であれば企業リスクを許容して上乗せ利回りを得られる。
- 取引コスト:米国債の方が透明性が高く、スプレッドが低め。
5. 実践的な組み合わせ例
- 短期〜中期(1〜15年):社債(格付けA以上中心)で利回りを確保。
- 長期〜超長期(20〜30年):米国債で安定性を確保。
- ポートフォリオ例(ラダー運用)
- 1〜5番(短〜中期):社債
- 6〜7番(長期):米国債
まとめ
- 米国債は安全性と流動性、社債は利回りと多様性が魅力。
- 長期は米国債、短中期は社債という役割分担が合理的な戦略の一つ。
- 重要なのは「倒産しないかどうか」という視点で、PL(損益計算書)よりBS(貸借対照表)を重視すること。
- どちらを選ぶかはリスク許容度・投資期間・目標利回りで決まる。
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